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準大手・中堅聴取へ拡大!
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捜査態勢増強・奏功するか!
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リニア中央新幹線の建設工事を巡る談合事件で、東京地検特捜部が、工事の入札に携わった大手ゼネコン4社の現場担当者や、入札に参加するなどした複数の準大手・中堅ゼネコンの担当者らを任意で事情聴取し、事件の全容解明に向けて捜査を本格化させる見通しとなった。
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特捜部は1月22日以降、全国の地検から応援の検事や検察事務官計約40人を招集し、捜査態勢を90人規模に増強する。
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特捜部は公正取引委員会と合同で先月18~19日、リニア工事の入札で受注調整をしたとして、大手ゼネコンの「大林組」「鹿島建設」「清水建設」「大成建設」(いずれも東京)の本社などを独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で捜索。関係者によると、特捜部はこれまで東京地検の他部署からの応援検事らを含む50人前後で、押収資料の分析や、受注調整に関与したとされる大林組の副社長や大成の元常務執行役員ら大手4社の現・元幹部らへの任意聴取を進めてきた。
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談合と認定されれば、大手ゼネコン各社は巨額の課徴金を求められ、軒並み入札の指名停止処分を受ける。JR東海の名古屋-品川間286kmのリニア新幹線の工事のうち3分の2が未発注だ。
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リニア工事で談合が認定されれば、4社とも入札資格を失う。という事は、17年9月、4社の共同企業体が受注していた東京外郭環状道路(外環道)の地下トンネル拡張工事で、発注元との契約手続きが中止になった。総工事費1兆6000億円。4工区を大林組、大成建設、鹿島建設、清水建設が均等に落札している。発注元の東日本高速道路(NEXCO東日本)と中日本高速道路(NEXCO中日本)が、談合の疑いが払拭できないと判断した結果、契約手続きをストップした。
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良くても悪くても、外環道のような難工事を請け負えるのは4社以外にないのが実態だ。リニア工事で談合が認定されれば、4社とも入札資格を失う。外環道は20年の東京オリンピック・パラリンピックまでの開通を目指していたが、間に合わない可能性が出てきた。
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それにしても、ゼネコン側もやけに強気に出てきた。鹿島と大成建設は、談合に当たる不正はないとして、22日が期限の課徴金減免制度に基づく違反の自主申告をしない方針だ。
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一部の報道では、「談合事件の先にはバッジ(国会議員)をターゲットにしていると見られていたが、どうも雲行きが怪しくなってきた。談合事件すら立件できるか分かりません」(全国紙社会部記者)という話まで出てきた。
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強制捜査に乗り出したのが2017年12月18日でした。実は、そのわずか1週間後の12月26日に、当時の林真琴刑事局長を名古屋高検検事長に転出させる人事案がこっそり閣議決定された。
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林刑事局長と東京地検の森本宏特捜部長のラインでリニア疑惑を徹底追及すると見られていた直後に、林刑事局長が突然、飛ばされた。役職的には栄転とも見えるが、検察内では『林さんは虎の尾を踏んだ』ともっぱらでした。つまり、官邸が『これ以上、手を突っ込むな』と牽制する意味で粛清人事を行ったと見られているのです」
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法務・検察が不可解な人事に翻弄されるのは、今回が初めてではない。法務省の黒川弘務事務次官は、渦中の林氏と司法修習同期で、官邸の覚えがめでたい人物だ。
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「16年に法務省は林氏を次官に充てる人事案を打診したのですが、官邸の意向で黒川氏が次官に就くことになった。官房長時代に官邸の意向を受けて甘利事件を握り潰した論功行賞でしょう。森友学園問題でも籠池前理事長を逮捕するよう現場の尻を叩いたとされ、『官邸の守護神』とも呼ばれています。黒川次官はリニア事件の捜査にも消極的だったそうです」(前出の司法関係者)
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これが本当なら、黒川次官がいるかぎり、安倍官邸は安泰ということだ。
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こういう見方がマスコミ報道に出てくると、また首相官邸のスキャンダルということで、新聞雑誌が売れることになる。
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ただ、検察のゼネコン追及の一本やりでは「リニア不正なのか、リニア談合なのか」狙いが狭すぎて立件まで行かないのではないか。
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JR東海の発注主導に疑点はないのか。大手ゼネコンを発注と言うニンジンを鼻の先にぶら下げて、値を叩くという姑息な手段が根底にある以上、騙されているのはゼネコンと検察ではないのか。