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プーチン氏のIS勝利宣言後、反体制派から新たな脅威!
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ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がシリアでの過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いに勝利を宣言してから数週間後、シリアにあるロシア軍基地が相次いでドローン(無人機)などによる攻撃を受けた。プーチン氏がロシア軍のシリア駐留の恒久化を目指すなか、新たな弱点が露呈した形となった。
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ロシア軍の専門家によると、2017年12月31日以降、シリアでロシア軍が駐留するフメイミム空軍基地とタルトゥースの海軍基地が手作りのドローンによる攻撃を計3回にわたり受けた。シリアのバッシャール・アサド政権軍とその後ろ盾のロシア軍は反体制派との戦いで優位に立っているが、一連のドローン攻撃はロシア軍が反体制派からの新たな脅威にさらされていることを示した。
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「現地のロシア軍の備えが不足していることが問題だ」と、モスクワの防衛シンクタンク「CAST」のルスラン・プクホフ所長は語る。「ロシアの兵器は大規模な地上戦に合わせて製造されている。しかもドローンはレーダーでは捉えられないし、赤外線をほとんど放出しない」
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ロシア政府当局者は、米国やその同盟国がドローン攻撃に関与していた可能性をほのめかしている。プーチン氏は、攻撃の途中に捕獲されたドローンを調べたところ、非常に高度な技術が使われており、反体制派が国外から入手したことが判明したと主張した。
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米国防総省はドローン攻撃に関与していないと否定している。
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ロシア国防省に近い関係者は、米国が関与しているとの非難は、主要なフメイミム基地を防衛できなかったという失態から目をそらせるためのものだと受け止めている。
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この関係者によると、同基地は12月31日に複数のドローンから攻撃を受け、兵士2人が死亡し、10人が負傷。6機の飛行機が損傷した。フメイミム基地にはパーンツィリ防空システムやS-400地対空ミサイルなどが配備されており、こうした堅固な防御態勢を破った攻撃は初めてとされる。
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ロシア国防省は、この攻撃は迫撃砲によるものであり、また航空機に損害は出ていないと主張している。
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1月5日から6日にかけての夜間には、フメイミム基地のほか地中海沿岸タルトゥースの海軍基地もドローンによる攻撃を受けた。
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「こうしたテロ攻撃は今後も続くだろう。ロシア軍の防衛網をかいくぐる最も効果的な策を見付けるため、テロリストたちがさまざまな方法を試しているのは明らかだ」と、ロシアの著名なドローン技術専門誌の編集長は話す。
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ロシア軍基地への攻撃で犯行声明は出ていない。シリアの反体制派武装グループの多くはドローンを保有しているが、主として偵察や小型爆弾の投下のために使用している。
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ロシア軍は絨毯爆撃で反体制派を攻撃しているが、不正規戦への対応に不慣れなままとなっている。
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「武装勢力による暴力は(ロシアにとって)大きな問題であり続けるだろう」と専門家は語る。
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