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他社の疑いは放置のまま!
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東京電力福島第1原発事故の除染事業をめぐる除染費不正取得事件で、東京地検特捜部は28日、作業員の宿泊費を水増しした改竄領収書を自治体に提出し約7600万円をだまし取ったとして、詐欺罪で準大手ゼネコン「安藤ハザマ」(東京)の社員2人を在宅起訴した。
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起訴されたのは、東北支店土木部田村船引作業所に勤務していた山下雄一元副所長(48)と、同部浪江その3出張所工務2課の茂呂吉司元課長(50)=いずれも仙台市と山下雄一被告(48)。関係者によると、いずれも起訴内容を認めているという。
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起訴状によると、両被告は平成27年7月~8月、同社が25年に福島県田村市から受注した除染事業で、作業員宿泊費の支出実績を約4100万円水増し、総額2億200万円と計上。同市から水増し分を含めた約7600万円をだまし取ったとしている。
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除染費不正取得疑惑は今年6月、産経新聞の報道で明らかになり、特捜部が同月、詐欺容疑で同社本社などを家宅捜索していた。
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関係者によると、茂呂被告は1次下請け会社側に、宿泊単価や人数を水増しした改竄領収書の作成をメールで指示。山下被告は自治体との窓口役を務めていた。茂呂被告は当初、特捜部の任意聴取に「下請けから集めきれなかった領収書の穴埋めのために改竄して帳尻合わせをした」と説明していたという。
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東日本大震災の復興事業では24年、早期復興のため全国から作業員を確保する必要があり、宿泊費については特例で領収書か宿泊金額が分かる証明書を提出すれば、実費精算を認める通達を国が出していた。
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福島第一原発事故で出た放射性物質を取り除く除染事業には、これまでに3兆円を超える費用が投じられていますが、事業をめぐっては、ほかにも不正受給などの問題が明らかになっている。
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福島市の除染事業ではことし5月、下請け業者が通常の森林より単価がおよそ10倍高くなる竹林を除染したよう偽って市に申告していた疑いが明らかになり、市の調査で不正請求の総額はおよそ4500万円に上ると見られています。この業者は輪切りにした竹を地面に並べて撮影した写真などを提出し竹林を除染したように装っていたという。
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またことし3月には環境省の職員が福島県浪江町の除染事業に下請けとして参入させる便宜を図った見返りに、業者から飲食接待を受けたとして収賄の疑いで逮捕され、有罪判決を受けている。
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に27日も、福島県富岡町での除染作業に作業員を無許可であっせんし、手数料として現金を受け取ったなどとして、山口組系の暴力団幹部ら3人が警視庁に逮捕されました。警視庁は、受け取った現金の一部が暴力団の資金源になっていたと見て調べている。
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安藤ハザマは「会社としての関与は認められないものの、今回の事態を厳粛に受け止め、法令順守の徹底など再発防止に努める」とのコメントを出した。
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