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旧ソ連構成国のウクライナの「RD-250」ロケットエンジン!
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ウクライナ国立宇宙機関(SSAU)は8月15日、北朝鮮のミサイル開発で使用されたとみられるエンジンについて、ウクライナの工場で製造されたものだったと認めた上で、その目的はロシアに供給する宇宙ロケットへの搭載のみだったと発表。
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英シンクタンク「国際戦略研究所(IISS)」は14日に発表した報告書で、北朝鮮がこのところ長距離ミサイルの開発で急速な進歩を遂げた理由は、旧ソ連構成国のウクライナの工場で製造された「RD250(RD-250)」ロケットエンジンを改良して使用したことにあるとみられると指摘していた。
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同研究所によると、これらのエンジンはロシアまたはウクライナの兵器庫の従業員が不正に密売し、犯罪組織によって北朝鮮に密輸された可能性があり、その時期は1991年のソ連崩壊と現在のウクライナ危機の間だったとみられる。
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SSAUのユーリー・ラドチェンコ会長代行は記者会見で、RD250エンジンは2001年までウクライナのユジマシで製造され、ロシアに供給されたロケット「ツィクロン2」と「ツィクロン3」に搭載されていたと説明。
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問題のエンジンとロケットはいずれも「ロシア向けにユジマシで製造された」もので、ロケットの総数は233機に上り、宇宙への打ち上げに使用されたという。
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同氏はウクライナ側が把握している情報として、ロシアは現在ツィクロンロケットを7~20機所有しており、同国はRD250エンジンとその設計図を「誰にでも意のままに供給できる」と指摘。さらに、同エンジンの使用に必要なロケット燃料の製造技術を所有しているのは、ロシアと中国だけだとの見解を示した。
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これに対しロシアのドミトリー・ロゴジン副首相は、北朝鮮が同型のエンジンを模造するには、ウクライナの専門家の支援や、エンジンやその設計図の不正入手が不可欠だとの見方を示している。
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イタル・タス通信によるとユジマシ社関係者は15日までに、同社従業員が北朝鮮のミサイル開発に関与した事実はないと強調しつつ、「(技術を)コピーされた可能性はあるかもしれない」と発言した。ユジマシ社をめぐっては、ベラルーシ駐在の北朝鮮通商代表部の職員2人が秘密指定された同社のミサイル技術に関する論文を撮影してスパイ容疑で拘束され、2012年にウクライナで有罪判決を受けている。
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北朝鮮のミサイル開発をめぐっては、かねてから旧ソ連の技術が利用されている実態が明らかになっている。露メディアによると北朝鮮は1970年代後半、エジプトからソ連の短距離弾道ミサイル「スカッド」を入手し、それを改良し自国生産したものをシリアやイラン、パキスタンなどに輸出した。中距離弾道ミサイル「ノドン」や、その後のミサイル開発においても、ソ連の技術が使用されていると指摘されている。
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米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)は14日、米情報機関や専門家の分析として、北朝鮮が7月に発射した大陸間弾道ミサイル(ICBM)のエンジンは、ウクライナの工場で製造され、闇市場で調達された可能性があると報じた。
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複数の専門家が、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長がミサイルのエンジンを視察した際の写真を分析し、エンジンのデザインは旧ソ連のミサイル部隊が使用していたものを原型としていると結論づけた。エンジンは非常に強力で、1発のミサイルで核弾頭10個を搭載して大陸間を飛行させることが可能だという。
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専門家らは、エンジンが製造されたのはウクライナ東部ドニプロペトロフスクのミサイル工場とみているという。同工場では、ロシアの核戦略を担う多弾頭大陸間弾道ミサイルSS18が作られていた。
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2012年6月9日のニュース
【モスクワ6日共同】ウクライナの秘密ロケット技術を盗もうとした後、北朝鮮の2人の国民が8年間の懲役刑を言い渡された。
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同紙によると、7月に流星哲(リュ・ソンチュル)と李泰喜(イ・テギル)らが北朝鮮人をドニプロペトロフスクのユーズノエデザイン局(Yuzhnoye Design Bureau)から盗み出した疑いで逮捕された。先月末、ウクライナの裁判所によって判決が下された。
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YuzhnoyeのDnipropetrovsk局はロケットと衛星開発を担当し、ソビエト時代に11,000kmのR-36M多弾頭大陸間弾道ミサイルを作った。
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逮捕されたウクライナのセキュリティーサービスは、2人はベラルーシのミンスクにある北朝鮮の貿易代表事務所で働いていたが、ユジノエの研究員と接触したと語った。
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調査官は連絡先を当局に通知し、分類されたデータの写真を撮ったときに両者が逮捕されたところでトラップを設定するのを助けたと述べた。
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北朝鮮が求めていた技術は、ロケット車、特にロケットの飛行距離を大幅に増やすことができる液体燃料エンジンシステムに集中していた。
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地元の専門家は、北朝鮮がこの技術を確保すれば、アメリカ大陸に到達できるロケットを建設するのに役立つだろうと述べた。
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一方、両当事者は、すべての罪状を無罪とし、上訴裁判所に上訴する予定であると主張した。
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