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元首相岸信介も昵懇だった故・文鮮明!
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週刊朝日に、旧統一教会と自民党についての記事が載り始めた。出だしは、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)が全世界に配信したネット番組の内容が波紋を呼んでいる。
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内容は、同会の幹部が菅義偉官房長官から首相官邸に招待されたり、自民党本部で高村正彦副総裁ら幹部と面会したりと大歓迎を受けたと発言したのだ。これらの発言は同会所有の放送局「PeaceTV」が5月19日、韓国で放送した「天地人真の父母様主管 韓・日・米 希望前進大会 勝利特別報告会」という番組内で飛び出した。
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番組は同会の金起勲北米大陸会長らが信者に向け、活動報告をしている様子を韓国から生中継したもので、以下の発言があった。
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「私どもは5月7~12日に日本を訪問した」
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「訪日初日に自民党本部に行き、高村正彦副総裁、田中和徳同党国際局長が歓迎してくれた」
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「京王プラザホテルで開催した(同会関係者との)シンポジウムに国会議員6人が参加した」
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「日米安保の権威、安倍首相に毎日、報告する政府要職者とも会った」
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「最終日には菅義偉官房長官が首相官邸に私どもを招待してくれた」
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同会の宗教行事「国際合同祝福結婚式」は、歌手の桜田淳子らが1992年に参加して、日本で物議をかもしたこともある。事実なのだろうか?
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同ネット中継では、金会長一行と会談する高村副総裁と田中議員らの画像も流されていた。
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同席した田中議員も昨年10月、川崎駅構内で同会と関係が深い日刊紙「世界日報」を名刺とともに配布したと報じられ、関係が取り沙汰されたことがあった。田中議員は「党からの要請で国際局長としてお会いした。(昨年、世界日報を配ったのは)他の郵便物と誤って配っただけ」と回答した。
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高村副総裁を取材すると、「党本部の要請でお会いした。米国の議員団と聞いていたが、どういう団体なのか、よくわからなかった。国会議員になる前、旧統一教会の弁護をしたことは事実だが、いまは関係ない」と答えた。
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国会議員6人が参加したとされるシンポジウムについて調べると、「9日に日本の国会議員たちと『日本─アメリカ国会議員 有職者懇談会』」という記述が同会ホームページにあった。しかし、参加した国会議員の名前は判明しなかった。
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次に金会長らが面会した「安保の権威、首相に毎日、報告する政府の要職者」は誰なのか。
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同会と関係がある要職者として浮かび上がるのは、萩生田光一官房副長官だ。萩生田氏は党総裁特別補佐を務めていた14年10月、都内で開催された日本統一教会会長・徳野英治氏の講演会で来賓挨拶したことが判明している(本誌同年12月5日号)。
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萩生田氏に金会長らと面談したか、取材したが、「その事実はございません。私の地元には(略)ご質問の宗教の信者さんもいらっしゃることは存じ上げています」との回答だった。
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そして最終日、金会長ら一行を首相官邸に招待したと名指しされた菅官房長官に取材を申し込むと、加計疑惑の国会答弁のような菅話法で回答があった。
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「ご質問中の当議員に関わる事象は、一切承知していません」
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同12日には同会の韓鶴子(ハンハクチャ)総裁(文鮮明の夫人)が来日。東京・有明コロシアムで同会が14日、主催した1万人信者イベント「天地人真の父母様 日本特別集会─孝情文化フェスティバルin Tokyo─」に登壇した。
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同イベントには自民党の山本朋広衆議院議員と宮島喜文参議院議員が来賓挨拶した。
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「日頃より世界平和統一家庭連合の徳野会長をはじめ皆様には、我々自民党は大きなお力をいただいています」(山本議員)、「昨年7月の参議院選挙で皆様方の応援をいただき当選させていただきました」(宮島議員)と発言(両議員は取材拒否)。
旧統一教会に取材すると、以下の回答があった。
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「金会長及び『ワシントンタイムズ財団』による訪日団の日程、行動の詳細は存じておりません」
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週刊朝日による統一教会の記事は、2012年8月31日号「統一教会」が創始者危篤で分裂の危機!など、毎年定期的に掲載されている。
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統一教会と政界のつながりは深く、「1992年の3万組合同結婚式」では中曽根康弘氏も祝電を送っている。自民党では、岸信介、福田赳夫、金丸伸、中曽根康夫、安倍晋太郎、鳩山由紀夫、山崎拓、高村正彦、後藤田正純、渡辺美智雄、中山成彬、衛藤征士郎、保岡興治、三原朝彦、宮島大典など数え上げればきりがないほどだ。
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なぜ今頃、週刊誌記事になったのか。旧統一教会と言えば、国際勝共連合の名が浮かぶ。
現在は、日本会議の協力組織でもある。
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2015年10月13日の週刊朝日の巻頭記事で『第3次安倍改造政権支える宗教 参院選は「神頼み」』と題して4ページ記事が出ており、安倍政権を支える団体として、神道政治連盟や日本会議、全日本仏教会と並んで世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の名が挙げられている。
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統一教会の名称変更については、2016年夏の参院選を控えた安倍政権の対策ではないかとの憶測を呼んでおり、そのきっかけの一つとして、名称変更を認証した文化庁を外局として抱える文科省のトップが統一教会機関月刊誌に度々登場していたことを挙げている。週刊朝日が指摘した時期の文科省トップは下村博文前文科大臣だ。統一教会の機関紙・世界日報のダイジェスト誌・月刊Viewpointには、3度も大臣就任中の下村博文前大臣のインタビューや座談会記事が掲載されている。下村博文文科大臣(当時)が文化庁に対し、統一教会の名称変更申請が認証されるよう何らかの便宜を図ったとするならば、その責任は限りなく重い、と。
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安倍首相が、7月18日以降の閉会中審査で衆参委員会に出席するという。野党にとって、攻めの内容が少なすぎて困っているとき、自民党、安倍政権、文科省が何をやってきたのか、マイナスイメージ作戦に切り替えるなら「週刊朝日の記事」を片手に、スキャンダラスな言い方で安倍首相を追い込むのは、加計学園追及では的外れではあるが「あれもこれも、自民党や安倍政権は信用できない」と意識つけるには最適のネタなのだ。
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共謀罪の法も11日から施行された。反安倍・反自民党の連中は、イメージ作戦に切り替えてきたのかもしれない。
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