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木星と土星の衛星に地球外生命の可能性!
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今年9月15日・土星の大気に突入する!
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米航空宇宙局(NASA)は4月28日までに、土星探査機「カッシーニ」が土星の輪の内側を通り抜けることに成功したと発表した。
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13日、木星の衛星エウロパと土星の衛星エンケラドスについて、地球外生命が存在できる可能性が特に大きいことを裏付ける新たな証拠が見つかったと発表した。特にエンケラドスは、生命に欠かせない要素がほぼ全てそろっているという。
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エンケラドスでは土星探査機カッシーニの巨大分光計を使って、氷に覆われた地表の「タイガーストライプ」と呼ばれる亀裂から噴き出す水を分析。その結果、豊富な水素分子が検出された。
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エンケラドスは土星の6番目に大きい衛星で、氷の下に海が存在する。水素はその海と岩盤の間の熱水反応によって発生していると研究チームは推定。その場合、海中で化学物質のメタンが発生している可能性もあるとした。
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研究者はこうした環境について、「地球の海も、生命に満ちあふれた非常に重要な場所であり、恐らく生命が最初に生まれた場所の1つだった」と指摘。太陽系の中でもエンケラドスは特に、生命が存在できる条件が整っている可能性が高くなったと解説している。
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一方、エウロパでは、地表の最も温暖な場所から水が噴き出す様子がハッブル宇宙望遠鏡で観測された。エウロパの氷の下にある海は、地球の2倍の海水をたたえている。
この場所で水が噴き出す現象が観測されたのは今回が2度目だという。
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生命が存在するためには、液体の水やエネルギー源のほか、炭素、水素、酸素、窒素、硫黄、リンなどの化学物質が欠かせない。
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エウロパとエンケラドスはいずれも、海中にそうした成分が存在していることから、太陽系の中では生命が見つかる可能性が最も高いと研究チームは推測している。
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無人探査機「カッシーニ」が、宇宙観測史上初めて土星の輪の中に突入する任務を開始した。20年にわたったカッシーニの観測は最終段階に入り、2017年9月には土星の大気圏に突入して燃え尽きる。
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カッシーニは軌道を変更して土星と土星の輪の間にある約2400kmの空間を時速12万kmの速度でくぐり抜け、22回にわたって輪の内部に突入する。
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輪の中に入る際は円盤型のアンテナをシールドとして利用し、がれきなどの衝突から機体を守る。
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このため一時的に地球との交信は途絶えるが、米東部標準時の27日午前3時(日本時間同日午後4時)ごろには復旧する見通し。
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カッシーニで収集した情報は、巨大惑星と惑星系の進化の解明に役立てる。研究チームは土星の重力と磁場の詳細な分布図を作成し、土星の自転速度の謎を解く手がかりとしたい意向。輪の構成や起源についても調べるとともに、精密な写真も撮影する。
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「グランドフィナーレ」を迎える今年9月15日には、土星の大気に突入して地球との交信を断ち、東部標準時の同日午前6時45分、隕石(いんせき)のように燃え尽きる。
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最後の瞬間にカッシーニが発信する信号は、1時間後に地球に届く見通し。
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カッシーニが大気に突入して燃え尽きることによって、たとえ制御できなくなった場合でも、カッシーニが土星の衛星に衝突する事態は回避でき、今後の観測に影響を及ぼさずに済む見通しだ。
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