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価格情報漏えい・日本ユニフォームセンター!
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NTT東日本が発注する職員の作業服の入札で談合をした疑いがあるとして、公正取引委員会は18日、独占禁止法違反(不当な取引制限)容疑で、大手商社の伊藤忠商事(東京都)など計5社に立ち入り検査をした。事前に話し合って入札を不成立にさせ、個別の商談により価格を維持した疑い。担当者から事情を聴いて全容解明を進める。
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ほかには丸紅メイト、双日ジーエムシー、東洋物産(いずれも東京都)と、チクマ(大阪府)の東京支店。業者に価格情報を漏らした疑いがあるとして、NTT東が生地と製品の監修指導を委託していた公益財団法人「日本ユニフォームセンター」(東京都)。
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NTT東が2015年5月に発注した冬用の作業服(上5200着、下5700着)など14品目のユニフォーム一式の入札で、伊藤忠商事、丸紅メイト、双日ジーエムシーの3社が中心となって落札予定者を事前に決め、価格を調整していた疑いがある。各社は2015年5月、NTT東が発注する従業員の作業服の納入の入札で、落札業者を事前に決めていた疑いが持たれている。作業服は、各家庭などの通信機器の設置工事やメンテナンスなどをする作業担当員が使うとみられ、冬・盛夏用や雨具、防寒具などを含め14品目。発注者が品目ごとに予定数量を指定し、事前に定めた総額の範囲内で最安値を提示した業者が落札した 。
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NTT東の作業服の年間の発注規模は約1億7千万円とみられる。
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日本ユニフォームセンターは制服のデザインなどの相談・助言業務を行っており、NTT東にも作業服の生地などを助言する立場にあった。NTT東日本によると、2015年5月ごろ、設備補修担当者の作業服を一括で発注するため、入札を実施した。落札者が決まらない事態が十数回続き、最終的に個別に商談を行ったという。同センターは、ユニホームづくりの調査研究やコンサルティングなどを手掛けており、商社、繊維メーカー、百貨店などが会員。関係者によると、今回の談合には加わっていないとみられるが、コンサルティング事業や商品開発を通じて得たNTT東の予定価格に関する情報を各社に提供していた疑いがあるという。
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公取委は昨年9月、JR東日本と西日本の制服発注をめぐる談合容疑で、伊藤忠や丸紅メイト、双日ジーエムシーなどを立ち入り検査している。同10月には感染症対策で東京都が発注する防護服などの入札で談合した疑いで丸紅などを立ち入り検査した。
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5社と同センターは、立ち入りを受けていることを認めた。伊藤忠商事は「内容を確認中」、双日ジーエムシー「検査に協力する」、チクマは「真摯(しんし)に対応する」とコメントした。丸紅メイトは「調査には全面的に協力する」とコメントした。
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