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二階氏「第2次麻生政権」へ期待感あおる!
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谷垣氏・麻生派との再編に「待った」!
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2012年末の政権復帰時、麻生派の勢力は30人余り。その後、積極的な勧誘で所属議員を増やし、今年2月には甘利明前経済再生担当相ら5人が新たに加入。現在は44人で細田派、額賀派、岸田派に次ぐ第4派閥となった。山東派か谷垣グループが加われば岸田派を上回る計算だ。
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森友問題や加計学園問題に加え、ノー天気の昭恵夫人の言動などが安倍首相に対する党内外、野党などからの国会質問、閣内の大臣の資質で足元が躓き始め、早期の内閣改造で失地回復を期したいが、ままならないのが現状だ。
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そのような中で、自民党の二階俊博幹事長が12日に開かれた麻生派のパーティーで、「第2次麻生政権」への期待感をあおるリップサービスを連発し、会場を盛り上げた。
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「麻生先生、失礼だけど『道半ば』でしょう」と本人に水を向けつつ、パーティーの盛会ぶりを取り上げて「これはやがて、何かめでたいことが起こるのではないか」とくすぐった。
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さらに、2008年9月から約1年間の短命政権で終わったことを念頭に、「こないだも立派にやったけど、あれは短かった。みんな思っている」と「長期政権」も注文してみせた。
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自民党の麻生太郎副総理が描く麻生派と谷垣グループに山東派を加えた派閥再編が先送りになりそうだ。最大派閥・細田派の対抗勢力を作るため、旧宮沢派(宏池会)の流れを受け継ぐ岸田派を含む「大宏池会」構想の先駆けとして5月中の先行合流に向け調整してきたが、療養中の谷垣禎一前幹事長から「待った」がかかった形だ。
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4月12日夜、東京都内であった麻生派のパーティー。麻生氏はあいさつで「きちんとした大きな政策集団を作り上げる。私どもは同じ保守の中で作り上げていきたい」と重ねて派閥再編に意欲を示した。合流に積極的な議員は昨秋から「党内の保守中道勢力を結集しよう」と話し合い、大型連休のころに、麻生氏と山東昭子元参院副議長のトップ会談も計画している。
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麻生氏は6日、自転車事故で療養している谷垣氏に合流を促す手紙を届けた。だが、谷垣氏側は10日、「リハビリ中で事情がよくわからない。復帰したら周囲によく話を聞きたい」と返事したという。谷垣グループには「合流は谷垣氏の復帰を待つべきだ」との意見が根強い。山東氏も谷垣氏の意向を見定める考えで、最近、所属議員に通国会閉会までは合流判断をしない考えを伝えた。
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こうした中、谷垣グループで合流協議を進めてきた佐藤勉・衆院議院運営委員長、棚橋泰文・元幹事長代理ら積極派の議員には、グループを抜けて早期の麻生派入りを指す動きがある。
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麻生氏は、かつて同じ派閥だった岸田派と谷垣グループとの再結集による「大宏池会」構想を中心に描いている。ただ、鍵となる岸田派の反応は鈍い。安倍晋三首相の総裁任期切れに伴う来年秋の総裁選で、首相の3選支持に回るのは確実な麻生氏との思惑の違いがあるとみられる。
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岸田氏自身は首相からの「禅譲」狙いとの見方もあり、来年の総裁選への対応は明らかにしていないが、派内には主戦論者も抱え、麻生派と合流すれば対立の火種となりかねない。同派に有力な「ポスト安倍」候補がいないことから、岸田派には「麻生氏の発言力確保が狙いだ」と警戒する声も漏れる。
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麻生氏周辺は「連休明けに合流の動きが加速する」と自信を示す。だが、山東派内には谷垣グループの動向を見極めたいとの声があり、谷垣氏は既に慎重な立場を麻生に伝えた。合流への道筋は見えていない。
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