豊洲問題・移転可否:自民・公明・民主は決断迫る!

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自公は早期の判断迫る!
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豊洲問題で小池百合子知事は、今月に入り「市場のあり方戦略本部」を設置し、移転可否の判断に向け「検討と検証」を全庁的に進めている。都政運営で対立を深める自民と、関係が良好な公明も早期の判断を迫る一方、小池氏は「総合的に判断する」との慎重姿勢を崩していない。移転をめぐる賛否の声が高まる中、小池氏が7月の都議選前に移転判断に言及するのか否かが、改めて注目される。
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豊洲問題では2つの外部有識者組織で検討を続けてきた。土壌汚染対策を検証する「専門家会議」(座長=平田健正・放送大和歌山学習センター所長)は3月、環境基準の100倍の有害物質を検出した地下水モニタリングの再調査に「地下水を市場で利用することはなく、豊洲の安全性に問題はない」との見解を示した。
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一方、小池氏のブレーンの小島敏郎・青山学院大教授を座長とした「市場問題プロジェクトチーム」(PT)では「豊洲移転で年間約100億円の赤字」との試算が報告されたほか、工事費500億~800億円で、設計1年半、工期7年と設定した築地改修案も示された。
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小池氏は豊洲問題を都議選の争点にすると明言していたが、3月末の定例会見では「他にもテーマがあり、それを旗印にどうこうということは考えていない」とトーンダウン。今月に入り、豊洲移転と築地再整備の両論を比較検討する「市場のあり方戦略本部」を発足させた。
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都議会公明党の東村邦浩幹事長は30日、都の市場問題プロジェクトチーム(PT)が示した築地市場の再整備案について「かなり非現実的な考えではないか」と述べた。

同日の都議会終了後、記者団に語った。
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東村氏は「知事が方向性を示した上で議会が判断する。その判断を都民がどう評価するかが都議選だ」と述べ、都議選(6月23日告示、7月2日投開票)の前に、小池百合子知事が豊洲への移転可否を判断する可能性があるとの見方も示した。
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公明党は、移転に向けた手続きを示したロードマップ(行程表)を着実に進めるよう求めている。
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PT案は、500億円程度を投じ、築地市場の1階を売り場、2階を駐車場として改修する内容だが、東村氏は「狭い土地の中で高層化するので非常に動線確保が難しい。

工事で事故が起きる」と指摘。自民党の高木啓幹事長も「荒唐無稽だ」と批判した。
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東村氏は小池氏周辺から移転の可否を住民投票で決めるとの観測が出ていることについては「知事の責任放棄になる」と反対する考えを強調した。
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