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護岸工事に20年見込む!
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名古屋港の新土砂処分場として計画されている中部新国際空港沖の埋め立て事業が動きだす。中部地方整備局は3月29日、空港沖の約250~350haを埋め立てる公有水面埋立事業の環境影響評価方法書の縦覧を愛知県内7カ所で開始。4月11日には常滑市民文化会館で説明会を開き、護岸工事に20年を要する事業について、これから実施する環境影響評価での調査・予測・評価の方法について事業者の考えを説明する。
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中部国際空港沖公有水面埋立事業は、名古屋港で発生する浚渫土砂を搬入しているポートアイランド(PI)の受け入れ容量が限界になったため、新たな処分場として計画。埋め立て容量は約3800万m3で、PIの仮置き土砂約2000万m3と浚渫土砂で埋め立てる。
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埋め立て地の位置、面積などはこれから固めるが、地盤改良コストを縮減するため水深20mの等水線を目安とした範囲で設定する考えだ。護岸工事は約20年を見込み、複数工区に分けて順次施工する。埋め立て工事は護岸着工の翌年次以降から開始する。
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事業区域は愛知県常滑市セントレア地先。環境影響を受ける範囲であると認められるのは常滑市、知多市、美浜町。
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中部整備局は、新土砂処分所が生態系や業業に与える影響を把握するため、14年度に伊勢湾漁業影響調査委員会(委員長・鈴木輝明名城大大学院特任教授)を設置。調査内容やデータ解析手法、検討結果の妥当性など幅広い視点から指導・助言を受け3年間にわたって調査、検討を進めている。今秋に結果がまとまることから環境影響評価方法書の手続きを開始した。
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5月12日まで一般から意見を求めるとともに、自治体からの意見も聞く。方法書は県環境部、中部整備局丸の内庁舎などで縦覧するほか、中部整備局港湾空港部ホームページにも掲載。意見を踏まえ調査・予測・評価を行い、環境保全措置を検討を行う。また、埋め立て地の位置を固めるとともに埋め立て護岸の概略設計も進め、環境影響評価準備書を作成する。
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