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土壌汚染除去・2億5千万円!
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解体・拡幅等事業費18億円!
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10年以上も放置され「住宅街にある“廃虚”」とも言われている千葉市中央区矢作町の旧市立病院が、解体に向けようやく動き出した。近くの千葉大学亥鼻キャンパス前の道路拡幅工事に伴う代替地として更地にする予定で、市が敷地の一部を譲渡することで千葉大と協議を始めた。病院跡地の利活用と道路拡幅は長年の市政課題になっており、順調にいけば二つの課題が一挙に解消されることになる。
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旧市立病院は敷地約12,000㎡、病棟は鉄筋コンクリート造り4階建て(延べ床面積約12,000㎡)。市立青葉病院の開院に伴い2003年に閉院し、その後2~3年は障害者福祉施設として利用された。以降、建物は使われなくなり放置された状態。敷地の空きスペースは青葉病院の職員が駐車場として使用している。
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11年から行われた敷地内の土壌・測量調査で、「環境基準値を超えるフッ素とフッ素化合物が検出」された。原因は不明。地下水など周辺への影響は出ていないが、建物解体時には土壌改良が必要になり、市は解体設計・工事に4億円、汚染土壌除去に2億5千万円の経費を試算する。
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拡幅を計画する道路は、市道中央星久喜町線の矢作トンネル東~郷土博物館入り口までの区間約820m。現在7mの同キャンパス前の道幅を大学側へ5mトルほど広げる。概算事業費は約18億円。工事に必要な測量作業に入っている。
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同区間は小学校の通学路になっているが、歩道もない狭い道路で路線バスがすれ違うのがやっと。事故が多発しており、何年も前から地元住民が道路拡幅を要望していた。
かつてモノレールの延伸に合わせて工事が検討されたが、延伸の凍結で頓挫した。
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市は15年に各部署から病院跡地利活用の意見を集め、道路代替地にすることを決定。昨年、大学側へ提案し了承を得た。代替地面積は敷地の半分程度の6000㎡を見込み、具体的な利活用方法は大学と市が相談して決める。残り部分は引き続き青葉病院の駐車場にする。
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病院跡地を巡っては、地元住民から廃虚化した病棟に対して景観上の問題を指摘する声も上がり、福祉施設や保育所、コミュニティー施設への建て替えを市に要望していた。
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跡地を代替地とすることに市病院局経営企画課は「他の要望よりも緊急性や必要性が高いと判断した」。市道路計画課は「工事を始めるにはあと1、2年はかかるのでは」との見通しを示している。
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