中国外貨準備高:約6年ぶりに3兆ドル割れ!

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1月末は2.998兆ドル!
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中国は世界最大の外貨準備金を持っているとされており、その額は2014年末で約3兆8千億ドル(400兆円以上)と公表。だが、外貨準備の内訳などは非公表であり、実体はベールに包まれているうえ、中国の外貨準備の公表金額は大幅に偽装(水増し)されていて、実際にはもっと少ないのではないかと警笛を鳴らしている欧米の専門機関の調査結果もある。
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中国の外貨準備高推移を見ると、2000年代に入ってから急増しおり、中国は人民元を管理通貨として為替レートをコントロールしている。2000年代の中国経済の急成長は、製造業を中心とした莫大な貿易黒字がもたらしたが、これは人民元を割安な為替レートに抑えていたからだ。
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貿易黒字を稼ぐ為に、中国人民銀行(=中国政府)は莫大な量の元売り・ドル買いの為替介入を行い、人民元の為替レートを割安に保ってきたからだ。
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この為替介入の結果、中国人民銀行の金庫に積み上がった米ドルが「外貨準備金」。実際にはドルの多くは米国債として保有され、またユーロや金(ゴールド)など他の金融資産へも転換して保有していると言われてきた。
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しかし、アメリカの研究機関GFIの調査によると、中国の外貨準備は大幅に偽装されている可能性が高いと警告している。GFIによると、中国の外貨準備で確実に存在していると計算できるのが米国債保有分(1.2兆ドル)であり、不正に国外へと流出した外貨準備が最低でも1兆ドル以上存在するだろう、という衝撃のレポートを発表している。つまり中国政府の公表額は、少なくとも3割は減少しているはずだ、という推測だ。
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それを裏付ける形として、中国では政府高官が不正にカネを国外へ持ち出している動きが確認されている。「人民日報」は2014年11月に、1990年以降に不正に資産を持って海外に逃亡した政府高官や国有企業幹部が2万人以上、流出した金額は1兆元(約17兆8000億円)にも達する、と報じている。 中国共産党のトップである習近平自身も、海外資産が3億7600万ドル(400億円以上)も保有していると報じられており、姉夫婦がカナダ国籍を取得するなど、親族も海外へ逃亡を始めている。
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2017年1月末の中国外貨準備高は2兆9980億ドルとなり、12月末から123億ドル減少し、2011年2月以降初めて3兆ドルを割り込んだ。エコノミスト予想は105億ドルの減少だった。
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2016年通年では、外貨準備は3200億ドル近く減少。2015年も5130億ドル減と過去最大の落ち込みを記録しており、資本流出懸念が高まっている。
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中国人民銀行が公表したデータによると、1月末時点の金準備は12億9200万ドルと、12月末の678億7800万ドルから増加した。
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3兆ドルを割り込んだことで、外貨準備の減少ペースに対する懸念が広がり、当局が今後、どの程度の期間、通貨と外貨準備の両方を支えることができるかについて疑問が生じている。
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一部のアナリストは、外貨準備の大幅な減少と、大幅減の継続により、中国が2015年と同様に通貨切り下げを行う可能性を懸念している。切り下げがあれば世界の金融市場に混乱が生じ、米国の新政権との政治的緊張感が高まることもあり得る。
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ただ、1月の減少幅は12月の減少幅(410億ドル)と比べて大幅に少なく、7カ月ぶりの低水準となった。資本流出に対する当局の取り組みが、少なくとも現時点では奏功していることが示唆された。
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エコノミストらは、今回の外貨準備減少を受けて当局が規制強化を強める可能性があるとみている。
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フォーキャスト(シンガポール)のエコノミスト、チェスター・リアウ氏は「外貨準備が3兆ドルを下回ったことを受け、資本規制と人民元の流動性の引き締めが続くことが予想される」と述べた。
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複数のアナリストは、1月にドルの上昇基調が続いていたら、中国の外貨準備の落ち込みはさらに激しかった可能性があると指摘。ドルの軟化が外貨準備の下支え要因になった。
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一部アナリストは、国際通貨基金(IMF)の指針に基づくと、中国の外貨準備の必要水準は最低で2兆6000億~2兆8000億ドルになるとみている。
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コメルツ銀行(シンガポール)の新興国市場担当シニアエコノミスト、周浩氏は「外貨準備が3兆ドルを割り込んだことは、中国が介入戦略を見直す必要があることを意味している」と指摘。人民元の軟化が続くとの市場の見方が変わる可能性が低ければ、外貨準備を減らし続けることは大きな意味をなさない、との見方を示した。
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