.
16年前も食中毒で5回も処分!
.
やはり企業体質に問題ありか!
.
.
御坊市給食センターの食中毒は、シダックス㈱傘下の「シダックス大新東ヒューマンサービス㈱」であったが、調理器具(日本調理器)ではなく、人が持ち込むノロウイルスであった。ノロウイルスは、人間を介在して食器類や食品に移るが、消毒などの管理が万全であるなら防げる。センターには消毒設備も完備し、調理もウエットではなくドライ方式であり、基本的にウイルス対策はしてあり、調理従業員が消毒管理に注意をしていたなら問題がなかったはずである。
.
シダックスは世間の認識は、「カラオケのシダックス」として有名であるが、事業の出発点は1960年に、給食事業を主体とする富士食品工業㈱が設立された。
1964年には、東京オリンピック組織委員会より指定を受け、大会運営スタッフの食事提供事業を受注した。それ以降、レストラン業務請負を始め、カフェテリア方式の食事提供などに事業を拡大。
1980年には、給食施設並びに飲食店設備の設計・施工を目的とした志太キャフトシステム㈱を設立、その後は、給食事業を主体とするキャフトフードサービス㈱や㈱シダコーポレーションに名を変え、そしてシダックスフードサービス㈱に社名変更した。
1991年、運営していたファミレスを改装し、カラオケ店に実験参入。本格参入は、1993年に。2004年には300店舗になり、2007年頃にはカラオケ事業だけで売上高600億円になり、粗利益も10%ほどとなり、シダックスグループ全体の利益の大半を稼ぎ出していた。
.
他事業進出で勢いがあるときは、他の事業にミスが発生する通り、「好事魔が多し」の例え通り2005年に給食事業の「シダックスフードサービス㈱」が葛飾区の高齢者介護施設でノロウイルスによる食中毒を発生させ、契約解除となった。
.
シダックスは
2000年7月、O157の集団感染で7日間の営業停止。
2004年4月、大阪府堺市で23名の食中毒発生で2日間の営業停止
2004年7月、鹿児島県で食中毒発生
2005年1月、横浜市で食中毒発生
2005年2月、彦根市の民間企業の研修所でノロウイルス食中毒で3日間の営業停止
葛飾区の高齢者介護施設の食中毒
2004年~5年にかけ、5件も発生していたことは異常だ。葛飾区の高齢者食中毒発生の後、品川区の荏原第5中、戸越台中の給食調理落札を自主辞退する羽目になった。
.
昔もいまも、文字通り給食やレストラン、カラオケなどの従業員は低賃金で募集しており、もし入ったとしても、いい条件の求職があれば、どんどん代わってゆき、衛生安全面や調理の技術を身に着ける前にくるくるかわってしまう。
.
シダックスは2004年~05年にかけ、何度も営業停止を受けているが、なぜこれだけ多いのかは、安くて、早くて、おいしくてのモットーのもとでも、従業員は素人が中心。企業にとって、給食とカラオケという2足のわらじでは、幹部社員も促成栽培であり、利益中心の経営にならざるを得なくなると、事業経営でも綻びが出てくる。15年前の給食事業の綻びだった注意散漫が、また出てきた。15年たっても、企業体質は変わっていなかったという事だ。
.
つづく
.
経営者の目は、どっちを向いていたのだろうか。
.