佐世保漁協・片岡理事長:1億円受領を正当化!(上)

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1度は漁業補償を受け取ったのに!
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白い砂浜とコバルトブルーの海が広がる五島市三井楽町の高浜海水浴場。顔に緑や黒のペイントを施した迷彩服姿の陸上自衛隊員たちが、ゴムボートなどを使って次々と島に上陸。砂浜は瞬く間に、兵士たちで埋め尽くされた。
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2015年10月28日、報道陣に公開された陸海空自衛隊による「統合演習」の一幕。島しょ防衛を主任務とする陸自西部方面普通科連隊(西普連、佐世保市)の隊員らが離島奪回を想定した着上陸訓練に臨んだ。佐世保市の相浦駐屯地には少なくとも二つの機動連隊と司令部が置かれるとみられる。
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この訓練は、西部方面隊の管轄下南北1200km、東西900kmの広大なエリア内に有人・無人合わせて2600もの島々があり、これらの島嶼(とうしょ)部に敵が進入してきたなら、海上自衛隊の艦艇を使って進出し、奪還作戦を繰り広げるのが西普連の任務である。
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訓練は相浦を中心とし、五島の各地で上陸訓練をしているが、昨年暮れ五島にある小値賀町の訓練が止まったというニュースが入ってきた。いろいろ聞き合わせると、佐世保市漁協の片岡一雄理事長が止めたのだという話だ。
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自衛隊の演習などでは、それぞれの演習地では漁業に対する迷惑料として、1日幾らという補償料が漁協に払われるのだが、管轄以外の五島で横やりを入れたようだ。
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通常、1民間漁協が、防衛省に対し横やりを入れたり、佐世保市崎辺地区の造成工事(大成建設JV)が片岡理事長の同意がないとして着工が今もってできないでいるなどの、超越した行動が取れるものなのだろうか。
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調べてみると、原因は1つ。
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“長崎県の佐世保市漁協が米軍施設水域内での漁業損失補償金を水増し受給したとされる問題で、長崎県警は14日、補償金約9000万円をだまし取ったとして、詐欺容疑で、同漁協の組合長ら6人と、九州防衛局(旧福岡防衛施設局)の当時の担当課長ら職員12人を書類送検した。
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調べでは、防衛局職員と組合長らは、佐世保湾内に米軍施設があるため操業が制限されることによる国の損失補償制度を悪用。2002年11月から05年6月にかけ、職員らが架空の漁獲量を記載した資料を作成、漁協(佐世保市漁協・片岡一雄理事長)側がこの資料に基づき申請書を提出する手口を繰り返し、漁協側に支払われた計約5800万円をだまし取った疑い。
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また05年11月から06年12月にかけ、漁協側がうその漁獲高を自己申告した申請書を職員らが黙認し、漁協への補償金約2900万円をだましとった疑い。
 (共同)2007年12月14日 ”
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この件で片岡組合長は逮捕され22日間拘留されたが黙秘を続け、この1件はウヤムヤとなった。その時の関係者がいまでも九州防衛局におり、防衛局はこの1件で片岡理事長に大きな借りが出来た。以来、佐世保湾にある米軍施設があるために、総業が制限されることによる国の損失補償制度を拡大解釈し、漁業権もないのに今でも補償料以上のみかじめ料をせしめているのである。
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この事件について、国会でも取り上げられている。

《第166回国会 決算委員会 第4号》
平成十九年四月十六日(月曜日) より抜粋
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○柳澤光美君 民主党・新緑風会の柳澤
昨年の秋以降、相次いで基地周辺対策経費に関する不適切な事例が報道をされています。
福岡の防衛施設局では、農林漁業等の経営上の損失補償に関して、防衛施設局の働き掛けにもよって、本来は補償の対象にならない漁業関係者にも損失補償の申請を行わせて、約十年間にわたって過大な補償が行われているという報道がありました。
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福岡の防衛施設局が行った不適切な部分ですが、これはもう簡単にちょっと私の方で報道記事を読ませてもらいますが、長崎県の佐世保漁協で、組合員が二百三十九人、補償額は年間二千五百万から三千万、このうち三分の一が組合員に渡って、残りの三分の二は漁協が受け取っていると。ところが、申請を出している七船団のうち、組合長の持っている船団も含めて四船団が全くこの十年間出漁していないと、漁業をしていないと。

そういう意味でいくと、少なくとも年間五百万前後の不正受給が、水増し請求が十年ほどずっと続いているというのが報道でございました。
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その中にもう一つ、一連の水増しが同施設局の職員による漁協側への指示だったということを福岡防衛施設局が一月の十九日に述べているという報道もあります。また、漁協の関係者も、施設局側からのこうした指示は十数年以上前から慣例化しているというふうに話されているという報道がありましたが、これは事実かどうか
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○政府参考人(北原巖男君)
佐世保の漁業補償の件でございますが、私ども、本件につきまして事実関係をしっかりと調査し、そして原因を究明して、さらに適切な措置をとるということで、一月の十九日に、これも福岡の施設局長を委員長といたします調査委員会を設置したところでございます。これも、本庁からも施設調査官を派遣して調査を今やっているところでございます。
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そして、調査はまだ続いているわけでございますけれども、これまでの調査の過程におきまして、一部の漁業者の方が経営者としての操業実態がないまま漁業補償金を申請、受領していたということ、それから、今先生も言及をされましたけれども、私ども福岡防衛施設局の関係職員が漁業補償申請に係ります業務処理における不適切な処理があったと、そしてそれは刑法の詐欺罪に該当するのではないかと思料したところでございます
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したがいまして、そうしたことに基づきまして、三月の二十七日に、私どもの福岡防衛施設局長が佐世保の警察署長に対しまして、その当該の漁業関係者、それから福岡防衛施設局の関係職員、これは退職者も含んでおりますけれども、これらの者を被告発人として告発状を提出をしたところでございます。これが三月二十七日。それから、警察の方で受領されたのが翌日でございます。
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佐世保漁協には四漁協ありまして、佐世保市南部漁協と針尾漁協でも同じ手法であったんではないかという報道も出ています。同県にはもう一個、西海市の瀬川漁協もありますから、そうすると、そこも同じようなことがあるんではないかという懸念を私は持っています。

○柳澤光美君
全国で、約五十八の水域で三百二十の漁協に対して補償が行われているというふうに聞いています。これはすべて一度きちんと精査をすべきだと。そうしなければ本当に逮捕まで行ってしまう事例が起きる。
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実は、〇五年の六月に、那覇市の沿岸漁協が約六百万の補償金を不正に受け取っていたということで、当時の組合長さんが詐欺罪で起訴されて、懲役二年、執行猶予三年の判決が確定しているんですね。
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○政府参考人(北原巖男君)
この佐世保漁協のような操業実態のない漁業者が補償金を受領しているといった事実はこれまでのところ確認はされておりません。
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○国務大臣(久間章生君)
漁業補償を始めたときには漁業やっているわけですね。それで、その漁業権がそのまま残った格好で、実態としてはもうそれはやめてしまっていると。そういうのにこちらが気付かずに、申請があったらそのまま出してしまっている。それがずうっと続いていると、どこの段階からかという形で、ついつい前の年も出しておったんだからというような形で職員がそれを踏襲してしまうという、そういうことがあったのだろうと思いますので、こういうのをきっかけに、そういうようなことについては少しきちっとした対応をしてみたいと思います。
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この後も、実体のない補償という名の悪慣例は片岡理事長から、佐世保の公共工事で同意補償費が地場業者からゼネコンまで揺すられているのだ。
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つづく
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