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常態化するなら・国家間紛争にも!
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国内回帰を目指すアメリカ企業!
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Michigan State Universityのサプライチェーンの専門家、Tobias Schoenherrは最近、行った全米319の企業を対象にしたアンケート調査の結果、米国企業の間では、海外生産を取りやめて国内生産に切り替える新しい動きが広がりつつあるとする報告書をまとめている。
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実際、このレポートが出された後にはAppleが生産の一部を国内に戻すことを発表するなど、そうした動きは、大企業のなかからも現われつつあるようだ。
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この動きは恐らく日本の経営者にとっては頭を悩ませる問題かもしれない。
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アメリカ企業の場合、中国、タイなどのアジアの他、地理的な条件もあり、メキシコやアイルランドなどに工場を移すことが多かった。
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しかし、ここにきて、こうした動きを加速させることは、国内経済の空洞化を招き、失業者の増大などから、消費者の購買力を衰退させてしまうのではないかという懸念が生じているのだ。
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アメリカの企業の場合、大概の場合、オフィスや工場には国旗が掲げられている。そして街角では、Buy Americanという標語が並び、ニューヨークなどの自治体では、一定の基準を満たした企業に対してMade in New Yorkというクレジットの使用を認めることで、地元の雇用を増大させることに必死に取り組んでいる。
私が日本の企業に関して気になることは、最近、希望退職者の募集を行うところが異常に多いということである。アメリカの場合、リストラを行う時は、普通レイオフを行うので、自発的意志によって退職者に応じる人が果たしているのかと思ったりしたりもするわけだが、この動きが進めば、企業のバランスシートは改善するだろうが、結果的に、国民経済全体のバランスシートは悪化してしまうだろう。
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なぜならば、大企業でさえ、余剰人員が問題となり、リストラを行っている最中に、リストラされた労働者に新たな職が見つかる可能性は少ないからである。
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アメリカの企業で広まりつつある、国内回帰の動きはいわば、リストラ->失業->消費の減速という負のスパイラルを脱しようという動きが企業サイドからでてきたことを意味する。
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果たして、リストラを進めることは結果的には国民経済の縮小につながるということを日本の経営者達は理解でき、国内における雇用の確保という大問題を実行に移すことはできるだろうか?
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