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公認が取れなければ選挙は負ける・蔵内謙!
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10月23日投開票の2つの衆院補選。東京10区は小池百合子氏の都知事選立候補、福岡6区は鳩山邦夫元総務相の死去に伴う補選である。
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東京は小池都知事が無所属で当選した後遺症が現在でも続き、とくに問題となりそうなのが東京五輪施設での都連幹事長でドンの内田茂議員(77)の利権問題が毎週週刊誌を賑わしている。
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福岡は同じように福岡県政のドン・蔵内勇夫(63)も地方ボスとしてはそこそこ力を示しているが、スケールの大きさでは雲泥の差がある。その差は、利権(金額)の大きさが示す。入る金も大きければ、出る金も大きい。
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一般会計規模の予算を比較してみると、
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28年度予算一般会計
東京都:8兆110億円
福岡県:1兆8000億円
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28年度投資予算
東京都:1兆858億円
福岡県:2037億円
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東京都と地方圏の金の差がドンの態度の大きさにも表れる。地方政治はいかに国政と直結しているかを誇示するのが「己のデカさ」を見せつける。そういう意味では福岡は、麻生太郎が鎮座しており、いち早く麻生を本部長とする選対本部を作り、古賀誠が副本部長となった。引退しても生臭い古賀誠が暗躍し蔵田謙を当選させるためには名を取るより実を取る立場に変えた。
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故・鳩山邦夫が主唱していた「きさらぎ会」の顧問に官房長官の菅義偉が就任、会は鳩山二郎を支える方針を決定。鳩山二郎は挨拶回りで党本部幹事長就任寸前の二階俊博に会っている。その二階幹事長は8月17日に、公明党の支持母体創価学会の山本武総九州長と会談した。その席には、二階派の幹事長代理・林幹雄、副幹事長の武田良太が同席した。
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マスコミは、福岡6区補選の動きは「二階幹事長VS麻生太郎の激突」と見出しを激しく中身は薄く取り上げ、安倍政権に激震が走ると書きたてた。本当はどうなのか、、、。
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マスコミが騒ぐほど「二階対麻生の対立」もなく、麻生政権に激震も起きていない。第一福岡6区の補選で「蔵内謙と鳩山二郎のどちらを党公認」とするかは大問題ではなく、無所属でもどちらが勝てるかが重要なことなのだ。
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現時点でいえば、蔵内側の県議が勝てる目算もなく、各種団体に当人候補になるのは蔵内だと法螺を吹く作戦に出ている。蔵内が怖いのは、鳩山の基礎票であり、これを潰さなくては勝ち目がないから嘘八百をならべても公認を取ろうとしているのだ。一方の鳩山二郎は無所属でも出るというのは「鳩山基礎票」があるからだ。
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本来なら蔵内謙の出番がないはずなのに、父・勇夫の欲目がドンの力を使い無謀にも将来性のない息子・謙を茶番で推薦させ、配下の県議が寄ってたかって公認申請まで持ち込んだ。おまけに、後ろ盾にいち早く麻生太郎を据えたことで「公認は間違いなし」と印象付けたまでは良かったが、鳩山二郎はビビるどころか逆にファイトに火が着き、無所属でも出ると決意させたのはドン蔵内勇夫とその仲間たちである。
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自民党本部も、どうするかは結論を着けていない。蔵内の選対本部長に就任した麻生太郎が面白いことを言っている。クールダウン(夜中にホテルのバーで寝酒を飲む)の席で若手議員に「おれは蔵内謙が勝っても負けても困らない。勝てば息子は麻生派に入り、父親はおれに頭が上がらない。負ければ父親は失脚して県議会は大人しくなるだろう。所詮、6区なんか関係ない」と。
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「二階対麻生の対立」はないと書いたが、派閥の長が動くほどの重要選挙区ではなく、蔵田謙が落選して困るのは、名を貸した麻生でなく実を取ろうとして失敗した古賀誠、岸田派顧問としてより強く影響を与えようとしていた目論見が外れることになる。
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己の意思は見せない蔵内謙、見せるものを持ち合わせない蔵内謙。蔵内謙について、複数の経歴書があることが判明した。29日には、その複数の経歴書を披露する。党公認を受ける前から「経歴詐称」を疑われる一連の文書は「蔵内一家の県議」が提示している文書だ。
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