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熊谷総合病院・社会医療法人北斗が経営支援!
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久喜総合病院・巨樹の会へ売却!
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設備投資重く・医師確保が困難!
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帝国データバンクによると埼玉県厚生農業協同組合連合会(熊谷市、出資総額18億4230万円、五月女直樹代表清算人)は7月22日、東京地裁から破産手続きの開始決定を受けた。
負債は約65億3374万円。
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2年前に無茶な投資をしたのが問題とも言われ、厚生連全体のタガがゆるみ始めたのではないか。各地のJA協同病院は地域の中核的病院と目され「地方自治体の手厚い補助金が出されている」のも特徴だ。
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熊谷総合病院(熊谷市)、久喜総合病院(久喜市)運営での、備品調達費用がかさんだことなどから両病院を売却。6月30日に総会の決議で解散していた。
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当法人は、1934年(昭和9年)12月に創業された医療利用組合病院が前身で、48年(昭和23年)10月に農協系の病院として法人改組した。かつては、熊谷総合病院、幸手総合病院の2つの病院を経営、地域の中核的な病院として、2009年3月期には年収入高約67億800万円を計上していた。
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その後、2011年に幸手総合病院を閉鎖して新たに久喜総合病院を開業。また、2013年には熊谷総合病院を新築するなど業容拡大に努めていた。しかし、厳しい経営環境が続くなか、設備投資負担が重く、医師の確保が困難になってきたことなども重なり、2014年3月期は年収入高約110億円としていたものの、当期純損失約14億8600万円に陥るなど苦しい状況に追い込まれていた。
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こうしたなか、再建の見込みが立たなくなったことで自主再建を断念し、今年1月には両病院を売却することを発表。
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『 熊谷総合病院 』は、社会医療法人北斗(北海道帯広市)が経営支援し、新たに設立された医療法人熊谷総合病院が運営。『 久喜総合病院 』は、一般社団法人巨樹の会(佐賀県武雄市)へ売却し、『 新久喜総合病院 』として運営。両病院ともに新体制下で運営がスタートしている。
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帝国データバンク大宮支店は「両病院ともに新体制下での運営がスタートしており、地域医療に影響が出ることはない」とみている。