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実効支配の既成事実化に抗議!
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中国軍が7月5~11日に南シナ海で軍事演習をすると発表したことに対し、ベトナム外務省は「またも深刻な主権侵害だ」とする声明(4日付)を発表した。
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中国の軍事演習の詳細は不明だが、ベトナムと領有権を争う西沙(英語名パラセル)諸島を含む広い海域が対象となっている。ベトナム外務省のレ・ハイ・ビン報道官は声明で「(状況を悪化させないという)両国首脳の共通認識にも反する」と強く非難し、直ちに演習を中止するよう求めた。
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南シナ海の領有権を巡っては、フィリピンと中国が争っている常設仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の仲裁判決が12日に示される。中国としては、不利な判決も予想されることから、軍事演習により、実効支配の既成事実化をアピールする狙いがあるとみられる。
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ベトナムは仲裁の当事国ではないが、中国が南シナ海のほぼ全域に権利が及ぶと主張する境界「9段線」の是非を巡る法的判断が示されれば、自国の権利主張にも影響する。ビン報道官は仲裁判決に「公正かつ客観的な判断を期待する」とし、判決を尊重する立場を表明している。
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