清水建設は4月14日、2016年3月期の連結純利益が前の期比75%増の585億円になったと発表。25年ぶりに最高益を更新し、従来予想より増益幅が広がる。首都圏の再開発やインフラの更新需要が高まり、国内建築工事の採算が大きく改善した。年間配当は前の期より8円増やし、16円とする。
売上高は前の期比5%増の1兆6450億円、営業利益は940億円と前の期より88%増えた。従来予想(810億円)を大きく上回る。
工事の採算を示す完成工事利益率(単体ベース)で9.9%と前の期より3.5ポイント上昇した。利益率が高まったのは「受注が堅調な割には労務費などコスト上昇が抑えられた」(渡辺英人経理部長)という側面がある。鋼材など上昇していた資材価格が下落に転じたのも追い風となった。
年間配当は前の期より8円増やし16円とする。期末の配当を従来計画(5円)から6円上積みして11円とする。
17年3月期は2020年の東京五輪開催に向けた工事が本格化する見通し。建設作業員の需給が逼迫し、「今期後半から労務費が上昇する可能性がある」(渡辺氏)と話している。