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4年で3.6兆円残る!
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3種類の交付金、基金、交付税!
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東日本大震災を受けて国が創設した3種類の交付金、基金、交付税の執行状況について会計検査院が調べたところ、2011~14年度に国が自治体などに支出した計約9兆円のうち、約4割に当たる約3兆6000億円が使われていないことが分かった。
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5年間の集中復興期間の終盤になっても、国の予算措置と被災地の需要が乖離(かいり)し、自治体が予算を有効活用できない状況が続いている。検査院は6日、関係省庁に被災地への的確な支援を急ぐよう求める報告書を国会に提出した。
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自治体支援の柱とされた復興交付金では、4年間に計画された事業費計2兆421億円のうち実際に使われたのは9911億円で、執行率は48.5%にとどまった。全体の約5割を占める災害公営住宅(復興住宅)の整備や高台への集団移転など住宅復興関連の4事業の執行率は54.6%だった。住民との合意形成や用地交渉などに時間がかかっているためとみられる。
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復興関連の112事業に使うために設置された復興関連基金3兆8167億円も48.5%(1兆8492億円)が未消化だった。執行率が8割を超えていたのは31事業しかなかった。使用見込みがないなどの理由で14年度末までに「1622億円が国庫に返還」された。
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基金の設置状況を県別で見ると、福島第1原発事故への対応で福島県が最大の1兆6367億円を積み立てているが、計画終了年度が定まっていない事業が多く、執行率は59.9%だった。
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被災自治体の負担を軽減するための震災復興特別交付税計3兆3227億円の4年間の執行率は78.2%で、「7232億円が積み残し」になっている。
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国はこれらの支出と直轄事業や既存の補助制度などを合わせた復興予算を13年1月に約19兆円から約25兆円に増やし、「復興の加速」を掲げた。だが14年度までに計上された計29兆3946億円のうち5兆4814億円が使われなかった。14年度の執行率は6割を切り、1兆1810億円が15年度に繰り越された。
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