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セシウム吸着装置で水位を下げた!
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東京電力は4月8日、福島第1原発の「高温焼却炉建屋」地下で一時的にためている高濃度汚染水の滞留水の水位が、制限を超えて上昇したと発表した。建屋周辺の地下水位が高く保たれており、外部への汚染水漏れはないとしている。
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東電によると、同日午前7時すぎ、水位が上限より約10cm高くなっているのを運転員が確認した。浄化装置を稼働させて排水した結果、午後1時ごろに制限値以下に下がった。同日午前3時半すぎから上限水位を超えていたとみられる。
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午前8時頃にセシウム吸着装置を使って水位を下げる操作を始めたところ、8時40分ごろに高温焼却炉建屋内の水たまりの水位が下がり始めたのを確認したという。
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汚染水の移送を担当するグループが、7日に試運転した浄化装置が本格稼働したと誤って認識し、焼却炉側に移送したのが原因とみられる。
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建屋周辺の地下水を確認したところ、周辺のサブドレンの水位の方が高かったことから、建屋外へ滞留水が漏れ出た可能性は低いという。
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<東電の発表>
福島第一原子力発電所 高温焼却炉建屋水位における運転上の制限の逸脱について
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2016年4月8日
東京電力ホールディングス株式会社
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本日(4月8日)午前7時00分の滞留水水位データを確認していたところ、高温焼却炉建屋の滞留水水位がT.P.2,861mmに上昇していることが確認されました。
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このため、本日(4月8日)午前7時50分、実施計画Ⅲ第1編第26条「建屋に貯留する滞留水」の表26-1で定める高温焼却炉建屋の滞留水水位の運転上の制限(*)「T.P.2,754mm以下」を満足していないと判断しました。なお、午前7時00分時点の建屋周辺の地下水水位を確認するため、建屋周辺のサブドレンの水位を確認し、当該建屋水位と比較したところ、周辺サブドレンの水位の方が高く、水位差が3,909mmあることから、建屋外への滞留水の流出はないと考えております。
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当該建屋の水位を「T.P.2,754mm以下」に維持するため、午前7時59分に第二セシウム吸着装置(サリー)を起動し、当該建屋の滞留水水位低下操作を開始しました。なお、午前8時40分現在で高温焼却炉建屋の滞留水水位が低下傾向にあることを確認しました。
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<運転上の制限>
実施計画では、原子炉の運転に関する多重の安全機能の確保及び原子力発電所の安定状態の維持のために必要な動作可能機器等の台数や遵守すべき温度・圧力などの制限が定められており、これを運転上の制限という。実施計画に定められている機器等に不具合が生じ、一時的に運転上の制限を満足しない状態が発生した場合は、要求される措置に基づき対応することになっている。
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以 上
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