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プルトニウム・国内外に48トン!
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核物質の管理強化を進める米国の意向で、日本が米国に返還することに合意していた研究用プルトニウムなどを輸送するとみられる専用船(英国の「パシフィック・イグレット」)が3月21日、茨城県東海村の港に到着した。日本原子力研究開発機構が保管していた核物質を積み込み、近く米国に向け出港する。
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日本には、研究目的で米欧などから購入したプルトニウムが保管されている。日米首脳は2014年、核物質が不必要に世界に拡散した状態を是正するため、日本国内のプルトニウム331kgどを米へ移すことで合意している。同船は、移送作業の一環を担っているとみられる。
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返還されるのは、高速増殖炉開発の研究を目的に、1960年代に米英などから提供されたプルトニウム。大部分が軍事転用可能な高濃度のプルトニウムで、核兵器数十発分に相当するという。
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米核監視団体「サバンナリバー・サイト・ウオッチ」によると、輸送する船は英船籍の2隻。これほど大量のプルトニウムが海上輸送されるのは、日本の「あかつき丸」が93年、高速増殖原型炉もんじゅ(福井県)で使う約1トンをフランスから運んで以来。日米両政府は核物質防護を理由に、日時や輸送ルートなどの詳細を明らかにしていない。
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プルトニウムの受け入れ先は、米南部サウスカロライナ州にある米エネルギー省の「サバンナリバー核施設」で、到着まで数週間かかる見通し。今回の返還は2014年に日米間で合意し、時期を調整していた。
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