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建機2社株一時3%高!
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3月7日の東京株式市場で、建機大手のコマツと日立建機の株価が一時、前営業日比で3%高まで上昇した。日経平均株価が下落する中で逆行高となった。5日に開幕した中国の全国人民代表大会(全人代)で李克強首相が交通網の整備に年2兆元(約34兆円)超を投じると表明。縮小が続く中国での建機販売が回復するとの期待が高まった。
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両社の建機売上高に占める中国の比率は5年前は4分の1前後あったが、需要減少に伴い2016年3月期は5%程度に落ち込む見通しだ。中国政府は鉄道や道路などのインフラ整備で景気を下支えする計画を表明し、中国で苦戦する建機2社にとっては久しぶりの好材料となった。
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資源価格が底入れする兆しもあり、資源開発に使う鉱山機械の需要動向にも、市場の関心が集まりそうだ。
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中国の第12期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)第4回会議が3月5日、北京で開幕し、李克強首相は2016年の実質経済成長率の目標を15年の7%前後から6.5~7%に引き下げると表明した。構造改革を進める一方で交通網整備に年2兆元(約34兆円)超を投じるなど、インフラ投資で景気を下支えする。
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一方、世界で中国の経済減速への警戒が強まるなか、財政支出や民間資本を活用したインフラ投資により経済の失速を防ぐ方針も鮮明にした。16年に鉄道投資に8千億元以上、道路の建設に1兆6500億元をさく。現在全国に200強ある空港についても、20年までに50カ所新設する。
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高速鉄道では北京と香港を結ぶ路線を新設するなど、総延長を20年までに現在の1.5倍の3万kmに延ばす。中国メディアによると新5カ年計画期間中の鉄道投資総額は最大3兆8千億元(年平均7600億元)を見込む。10年に8400億元だったピークには及ばないが、高水準の投資を続ける。
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中国では鉄鋼やセメントの余剰設備解消が大きな課題となっている。中国政府は不振企業の淘汰・再編を徹底するとしているが、失業増や賃金減で個人消費への悪影響も懸念される。高速鉄道などインフラ投資を通じて鉄やセメントの需要を生み出すと同時に、雇用を維持する狙いもある。
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