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政権安定へ軍との連携優先・対立回避!
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総選挙で大勝した国民民主連盟幹部(NLD)幹部が、アウン・サン・スー・チー党首の大統領就任のため、憲法条項の適用停止を求めている問題で、国軍が断固拒否の姿勢をとっていることが分かった。国軍関係筋が明らかにした。
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外国メディアとのインタビューで、次期大統領は何の権限もないと明言。自身の大統領就任を禁じた憲法規定に合わせるために任命されるにすぎないとして「私が全てを決定する」と強調した。国家元首の大統領ではなく、自身への権力集中にこだわる姿勢は、「権威主義」や「違憲」ととられ、その言動が軍部の感情を逆なでしている。
影の大統領として指示を出す内、独善的手法が「軍部からスー・チーという独裁者」に変わっただけだと民衆は気づいた時は遅いということだ。そうなった時、軍部がおとなしくしているわけはない。
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3月末の新政権発足時のアウンサンスーチー党首の大統領就任を見送る方向になった。軍政の流れをくむ現政権や国軍内で反発が強く、交渉が難航していた。安定した政権運営に不可欠な軍との連携をまず優先した形だ。
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軍政下で制定された憲法には「外国籍の家族がいる人物は大統領になれない」との規定がある。スーチー氏は亡夫や息子が英国籍のため、就任できない。
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昨年11月の総選挙で国会の過半数を得たNLDは、スーチー氏の大統領就任を模索。国会での大統領選出手続きを3月17日まで先送りした上で、国会の4分の1の議席を有し、国防や内務など3閣僚を送り出せるなど強い政治権限を持つ軍と交渉。軍の同意を得て特別法を制定し、憲法の大統領資格条項を一時凍結しようとした。
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当局筋によると、交渉で軍側は全国に14ある州・管区政府のうち四つについて行政トップのポストを要求。NLDが応じれば「スーチー大統領」を容認する可能性を示唆していたという。だが、交渉は妥協に至らなかった模様だ。
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NLD関係者によると、同党から選ばれた議長が1日の国会で、17日としてきた大統領選出手続きを「1週間程度前倒しする」と表明する。特別法の審議には「3週間程度は必要」(NLD法律顧問)で時間が足りない。「スーチー大統領」を事実上断念した形だ。
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スーチー氏は、大統領に党幹部を据え、自身は外相に就任するとの観測が出ている。ただ彼女自身が「大統領の上位に立つ」と表明しており、実質的にはスーチー氏が政権を率いる形になりそうだ。
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