マクロン仏大統領:欧州軍・創設を呼び掛け!

16 11月

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トランプ氏・創設に依然反発!
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メルケル独首相・フランスに同調!
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フランスのマクロン大統領が、ロシアの脅威に対抗するための「欧州軍」の創設の必要性を訴えたことが波紋を呼んでいる。欧州を独自の軍で防衛する必要性を強調したものだが、北大西洋条約機構(NATO)加盟国である米加との同盟関係を損ねる可能性もある。
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マクロン氏はラジオインタビューで、「真の欧州軍」を創設し、「中国、ロシア、さらに米国からも欧州を守らなければならない」と語った。攻勢を強めるロシアに対し東部国境の強化の必要性を訴えたものだが、「米国第一主義」を訴え、NATOに距離を置くトランプ政権をも牽制した格好だ。
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欧州独自の軍の必要性を訴えたのはマクロン氏が初めてではない。
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ドイツのメルケル首相は5月、「欧州は自身の手で欧州を守らなければならない」と、ロシアなど潜在敵国に欧州だけで対処する必要性を示唆していた。貿易、気候変動、イラン、ロシアなどの問題をめぐるトランプ米政権との対立を受けた発言だ。
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欧州連合(EU)は昨年、合同防衛予算を設け、すでに、NATOの枠組みとは別に9カ国からなる即応部隊を設置するなど、独自の動きを見せている。
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フランスのエマニュエル・マクロン大統領はドナルド・トランプ米大統領の訪仏を前に、「真の欧州軍」創設を訴え、欧米間の安全保障関係に厳しい批判を投げかけた。
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トランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)に加盟する欧州各国に軍事支出拡大を要求し、この同盟が米国にもたらす利益に疑問を投げ掛けたことを受け、長く欧州安定の土台をなしてきた同盟関係はきしんでいる。マクロン氏やドイツのアンゲラ・メルケル首相は、欧州の防衛で米国を頼りにできるのかと公然と疑問を呈するようになった。
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マクロン氏はさらに踏み込み、米国を欧州の潜在的な脅威となる外国のひとつとみなしている。フランスのラジオ局とのインタビューでは「中国とロシアからだけでなく米国からも自衛しなくてはならない」と述べた。
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第1次世界大戦の終戦100周年を記念した式典が11月11日に開かれるが、マクロン氏はこの式典でトランプ氏やロシアのウラジーミル・プーチン大統領をはじめとする各国首脳のホスト役を務める。
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マクロン氏は、米国が1987年に締結された中距離核戦力(INF)全廃条約から離脱したことの「主たる犠牲者」は欧州だと主張した。この条約は中・近距離ミサイルの使用とともに、新たな地上型ミサイルのテストや開発、配備を禁じている。
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また、「真の欧州軍を持つ決断を下さないかぎり、欧州市民を守ることはできない」と述べた。
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トランプ米大統領は11月13日、ツイッターで、フランスのマクロン大統領について「困ったことに26%の非常に低い支持率とほぼ10%の高い失業率に苦しんでいる」とやゆした。マクロン氏が提唱した米国抜きの「欧州軍」構想に反発するトランプ氏は、構想は国民の目をそらせるのが狙いだったと指摘した。また、マクロン氏が米メディアのインタビューで「自分は国家主義者ではない」と言及したことを念頭に、「フランス以上に国家主義の国はない。非常に誇り高い人々だ」と皮肉った。
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欧州軍に関し、トランプ氏は「マクロン氏は米中露から欧州を守るため創設するというが、第一次、第二次大戦ではドイツだった。フランスにとりどれだけうまくいったのか?」とし、不安定化につながると示唆。米国が加わる北大西洋条約機構(NATO)に「(分担金を)払うか払わないかだ!」と強調した。
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こうしたマクロン氏の主張は、自らの低支持率が原因と決めつけ、フランス国民に「フランスほどナショナリストの国はない。フランスを再び偉大に!」と訴えた。トランプ氏は最近、「ナショナリスト(国家主義者)」を愛国者に近い肯定的な意味で使っている。
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11月13日、仏東部ストラスブールの欧州議会で、メルケル独首相は、欧州共通の軍隊創設を呼び掛けた。マクロン仏大統領の主張に同調し、欧州の両輪である独仏両国が足並みをそろえた。トランプ米政権が国際協調に背を向ける中、北大西洋条約機構(NATO)を中心とした軍事面での過度な対米依存を見直す動きが欧州で強まっている。
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メルケル氏は「真の欧州軍創設が重要だ」と訴えた。また、欧州全体の防衛政策を統括する「欧州安全保障理事会」設置も提案した。
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メルケル氏は、欧州軍は米国も加わっている北大西洋条約機構(NATO)を補完するものになるとした上で、「欧州の国々の間で二度と戦争が起きないということを世界に向けて示すことになる」とも述べた。
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NATOの国防費負担を巡り、米国と欧州の間で溝が深まっており、欧州内では米国に依存する安全保障体制を懸念する声も上がっている。トランプ米大統領は9日、マクロン氏が提案した欧州軍の構想について、「非常に侮辱的だ」とツイッターで不快感を示し、欧州はNATOへの負担を増額すべきだと批判している。
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