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2024年発覚した千葉県市川市の下水道工事入札を巡る汚職事件。この捜査の過程で約2億円の工事を巡る「新たな入札不正の疑い」があることが5月30日、分かった。
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捜査関係者によると、千葉県警は工事の予定価格を漏洩したとして県企業局の職員2人を官製談合防止法違反などの疑いで書類送検した。漏洩された予定価格をもとに入札したとして市川市内の会社「京葉ガスエナジーソリューション」の従業員についても公競売入札妨害の疑いで5月29日付で書類送検した。
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捜査関係者によると、書類送検されたのは当時、県企業局市川水道事務所の男性職員(27)と同僚の男性職員(28)、同社の男性従業員(36)。
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県企業局の2人は2023年12月、同市内で「京葉ガスエナジーソリューション」の従業員に対し、同局発注の配水管整備工事の予定価格を漏洩した疑いがある。従業員はその予定価格をもとに入札し、公正を害した疑いがあり、同社はその工事を落札している。
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3人はいずれも容疑を認めている。27歳の職員は「業務を進めていく上で優位に立ちたかった」、28歳の職員は「(27歳の職員には)普段からお世話になっているので断れなかった」と供述。同社の従業員は「なんとしても落札したかった」と話しているという。
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この工事の予定価格は1億9930万9千円(税込み)。「京葉ガスエナジーソリューション」が落札し、1億9635万円(同)で契約を結んだ。
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「京葉ガスエナジーソリューション」は県警からこの従業員との接触を禁止されていたため詳しい話を聞けていないとした上で「社員が書類送検されたことは重く受け止めている。今後詳しく内容を調べ、再発防止に努める」とコメントした。
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県企業局の職員が書類送検されたことを受け、県は5月30日午後、記者会見を開いて謝罪した。
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県企業局の会見
「法令を順守すべき立場にある県職員が書類送致され、県民の皆様の信頼を裏切るような事態を招いたことにつきまし大変申し訳なく深くお詫び申し上げます。大変申し訳ございませんでした」
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県企業局によりますと、書類送検された2人は現在、企業局の本局と出先機関の所属で、事件当時は、いずれも市川水道事務所に勤務していました。
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価格が漏れた工事については28歳の職員が担当し、予定価格1億9930万9000円に対して落札額は1億9635万円で、落札率は98・52%だったということです。
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県企業局は4月、警察から職員を事情聴取するという旨の連絡を受け、事件を把握したとしています。
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今回の事件を踏まえ、熊谷知事からは県総務課に対し、背景や原因について調査、検証を行うなど、県民の信頼回復に努めるよう指示があったということです。
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