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商品の配送を委託した運送事業者に「ただ働き」をさせていたとして、公正取引委員会は11月28日、東証プライム上場のオフィス家具大手「イトーキ」(東京都中央区)に独占禁止法違反(不公正な取引方法)の疑いで警告した。荷主の不当な圧力を禁じる「物流特殊指定」による警告は2009年4月以来、15年ぶり。
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発表によると、同社は、全国の企業や行政機関から発注を受けたオフィス用の机や椅子、収納用品などの配送や現地での取り付け作業を約20の運送事業者に委託。年度末の繁忙期などに委託先の運転手が契約で定めた8時間を超えて働いても「残業代」を支払っていなかった。時間外労働は数時間に及ぶケースもあったとみられる。
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また、家具をトラックに積み込んだり、段ボールや緩衝材を物流センターに返却したりする「配送業務以外」の作業も、夜遅くなどに無償で行わせていた。
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こうした行為は長年にわたって「業界の慣習」として続いていた。大半の運送事業者は、委託契約が始まった当初から無償労働を強いられていたとみられるが、発注量の減少や契約の打ち切りを恐れ、従わざるを得なかった。
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物流特殊指定による警告は3件目。イトーキは不利益を受けた運送事業者に対し、本来支払うべきだった報酬との差額を全額支払う。
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公取委幹部は「荷主側は違法行為という認識に乏しい。意識を改めない企業には厳正に対処する」と話す。イトーキは取材に「取引の適正化を徹底する」と答えた。
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