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政府の地震調査委員会は8月2日、日本海にある海域活断層を調べた長期評価を公表した。将来、大きな地震を起こし得る活断層や断層帯は、25か所に上る。
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政府の地震調査委員会は、日本海の海底で、長さが20km以上あり、マグニチュード7以上の大地震を引き起こす可能性がある海域活断層を公表した。
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今回公表されたのは兵庫県北方沖から新潟県の上越地方沖にある25か所で、最大のものは「能登半島北岸断層帯」と「上越沖断層帯」の2つ。
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「上越沖断層帯」は長さが86kmありM8前後の巨大地震が想定されている。また「能登半島北岸断層帯」は元日の能登半島地震の原因となりました。
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地震調査委員会は7年前から日本海側にある海域活断層の評価を進めていて、2022年、九州から中国地方沖の活断層を公表。ほかの海域でも順次公表する予定でしたが元日に能登半島地震が起きたため1年ほど前倒しで公表した。
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金沢大学 平松良浩教授:
「特に変わったものが出てきたということはなくてすでに知られているものをまとめたっていうことですかね。」
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「住民の方にとっては能登半島周辺、石川県の周辺に海底でもM7以上の大きな地震を起こすような活断層が分布していると常々意識して、地震の備えはやはり怠らずにやらなければならないということになります」
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地震調査委員会は今後30年以内の地震発生確率も来年前半をめどに公表する予定だが、自治体に対し地震や津波の被害想定の作成など地域の防災対策を進めて欲しいとしている。
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2012年3月に石渡明氏(東北大学東北アジア研究センター)が「世界のM9地震と地質学の課題」と題した論文で、
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日本付近の地震の起こり方の特徴を最近20年間(1992~2011)について見ると、1995年前後と2005年前後に千島~北海道~三陸北部沖の海溝沿いでM8クラスの巨大地震が頻発し、同じ時期に1995年の兵庫県南部地震や2004年の中越地震など内陸直下型地震も頻発したので、2回の地震活動のピークがあったように見える。特に2005年の三陸南部沖M7.2地震が発生した前後に、宮城県と岩手県で直下型地震が頻発し、中でも2008年の岩手・宮城内陸地震は規模と被害が大きかった。
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そして2005年の地震とほぼ同じ場所で、2011年3月9日にM7.4の地震が発生し、ついに11日のM9.1超巨大地震に至った。また、同日中にさらに南の茨城県沖で最大余震(M7.9)が発生した。このように、最近20年間に千島海溝~日本海溝沿いでM8クラスの巨大地震が多数発生しており、2011年3月11日の超巨大地震はこの海溝型地震の活動域の南端で発生したことがわかる。
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一方,日本の内陸各地だけでなく,日本海東縁地震帯の北海道南西沖(1993年)やサハリン(1995年)、そして南方の台湾(1986,1999年)や西方の中国(1997, 2001, 2008年)でもこの20年間に大地震が頻発したが、関東・東海・紀伊・四国南部・九州南部・琉球などの南海トラフ沿いの長大な地域で直下型大地震も海溝型大地震も起きていないことが注目される)。
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さて、世界では過去80年の間にM9クラスの超巨大地震が日本の東北地方、インドネシアのスマトラ、ロシアのカムチャッカ、米国のアリューシャンとアラスカ、そして南米チリの6つの地域で8回起き、平均して10年に1回ずつ起きてきたことになる。
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政府の地震調査研究推進本部は8月2日、日本海側の海域活断層の長期評価を公表した。対象となったのは上越地方沖から兵庫県北方沖までの海域に存在する長さ20km以上、地震の規模を示すマグニチュード(M)が7.0以上の地震を引き起こす活断層と活断層帯。上越地域では三つが該当した。
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同本部は社会的、経済的に大きな影響を及ぼすと考えられる主要な活断層で発生する地震などを対象に、地震発生の可能性を長期評価している。今回は元日の能登半島地震の発生を受け、速やかに防災対策にも利活用できるよう、活断層の位置、長さ、形状、発生する地震の規模などを前倒しで公表した。
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今回発表された活断層(単独)、活断層帯(複数の活断層で構成)は計25断層(帯)。上越地域に関連するのは上越沖断層帯(約86km、親不知沖、鳥ケ首沖、上越海盆南縁の3区間で構成、M7.8~8.1程度)、名立沖断層(約31km、M7.3程度)、上越海丘東縁断層(約25km、M7.2程度)の三つ。能登半島地震では石川県能登地方でM7.6を観測しており、上越沖断層帯ではそれを超える規模の地震が発生する可能性があることになる。
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同本部は今後、今回の領域での地震発生確率と、新潟県沖―東北地域―北海道地域の日本海側の海域活断層の評価を行い、順次公表する予定。
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