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血液検査に使う試薬と装置の「抱き合わせ販売」による独占禁止法の疑いがあるとして、公正取引委員会が神戸市に本社がある大手医療機器メーカー「シスメックス」に立ち入り検査をした。
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シスメックスは遅くとも2019年以降、血栓のできやすさを調べる「血液凝固測定装置」を販売する際に自社の試薬を使うことを条件にするなど、不当に競争を制限した疑いが持たれている。
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公正取引委員会は独占禁止法が禁じている「抱き合わせ販売」にあたるとみて、6月4日に本社や支店などに立ち入り検査をした。
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「シスメックス」は取引先に対して、「他社の試薬を使うのなら装置は販売しない」などと説明していたという。
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公正取引委員会はこうした行為が、独占禁止法で禁じられている「抱き合わせ販売」に当たる可能性があるとして、4日立ち入り検査を行った。調査場所は本社や全国の支店など計20か所以上とみられる。
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価格は1台当たり1000万~2000万円。22年の市場規模は約27億円で、同社はシェア(市場占有率)の5割超を占める国内最大手という。
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同社は、年間100億円を超える試薬の市場では業界2位で、自社製の装置と試薬を継続的に取引先へ販売できる体制を築くことで、ライバルの試薬メーカーを市場から排除し、安定的な利益の確保を狙ったとみられる。
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同社ホームページなどによると、1968年に創業。開発した医療機器は全国の大学や病院で使われ、世界190以上の国や地域に輸出されている。2024年3月期の連結売上高は約4615億円に上る。
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「シスメックス」は「公正取引委員会の調査に対しては、真摯に対応していく」とコメント。
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