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商品の荷積みや配送を委託した運送業者に時間外労働賃金分の代金を支払わなかったなどとして、公正取引委員会は6月11日、独禁法違反(優越的地位の乱用)の疑いで、住宅設備機器販売業「橋本総業」(東京)に立ち入り検査した。
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関係者によると、独禁法が定める「不公正な取引」を同社が10年以上にわたり続けていた疑い。
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橋本総業はシステムキッチンや洗面台などの住宅設備をメーカーから仕入れ、販売店などに卸す老舗の専門商社で、全国に支店がある。
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荷主と運送業者の取引は同法の「物流特殊指定」で規定され、理由のない代金の減額や支払い遅れなどの行為を禁じている。同指定に基づき、公取委が法的な強制力を伴う検査を実施したのは初めて。
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トラック運転手の残業規制による人手不足で物流の停滞が生じる「2024年問題」が懸念される中、代金を適切に支払っていなかった悪質な荷主への検査に踏み切った形。
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関係者によると、橋本総業はメーカーから仕入れた管工機材や住宅設備機器などの荷積みや配送を委託した運送業者に対し、時間外労働賃金分の代金を支払っていなかった疑い。運送業者は各運転手に法定労働時間超過分を支給していたとみられる。
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運送業界の「不公正な取引」は「物流特殊指定」という告示で細かく示されている。今回は、これに該当するとして立ち入りに踏み切る初のケース。不当な値下げ圧力や、トラック運転手が不足する「2024年問題」の社会問題化を踏まえ、公取委が荷主に対する取り締まりを強化しているとみられる。
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公取委は物流特殊指定で定める「不当な経済上の利益の提供要請」に当たるとみている。
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橋本総業は東証スタンダード上場の橋本総業ホールディングス(HD)の子会社で、HD全体の24年3月期の連結売上高は1556億円。2023年3月期の売り上げは約1352億円管材や給湯機器などをメーカーから仕入れ、地域の販売店などに卸すビジネスを展開している。
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親会社の橋本総業ホールディングスは「公正取引委員会の検査に全面的に協力してまいります」とコメント。
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