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岡山市は、し尿処理施設・一宮浄化センターの改修工事を巡り施工業者に1億7000万円を追加で支払う方針。
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岡山市は15年12月、一宮浄化センターの改修工事を水ingエンジニアリング(東京・港)に33億4260万円で発注した。当初の工期は15年12月~19年3月。発注者は成果物に必要な性能を示し、具体的な仕様などは受注者の裁量で決める「性能発注方式」で契約した。
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岡山市は大阪市の業者「水ingエンジニアリング」と改修工事について契約したが、翌年、市が作成した仕様書に誤りがあったことが分かった。
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この工事では設備の改修の他、これまで隣接する河川に排出していた処理水を公共下水道に流すための放流管を新たに敷設する。放流管は、管径100mmの圧送管だ。
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市が受注者に示した参考図では、施設の東側に隣接する笹ケ瀬川の堤防の中に一部の管路を通すルートを描いていた。しかし、川を管理する岡山県との協議の結果、堤防の強度に問題が生じると判明。ルート変更の必要が生じた。
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17年2月ごろ、市は受注者からの設計変更の要求に対し、「性能発注方式なので、当初の契約金額の範囲内で対応すべきだ」と主張。新たなルートの検討などで時間を要したため、工期は2年3カ月延長したものの、契約金額の変更は認めなかった。
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業者は、設計の追加や工期の延長が必要になったとして追加費用を市に請求、しかし、市が「施工条件の範囲内」だとして支払いを拒否したため、業者は2022年、約2億9000万円の支払いを求め岡山地方裁判所に提訴した。
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2024年2月、岡山地裁は「施工条件の範囲内とは言えず、追加費用は岡山市が負担すべきだ」として市が業者に1億7000万円を支払う和解案を提示した。
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これを受けて市は、和解に向けた手続きを進めることを決めた。今後、必要な予算案を6月10日開会予定の定例市議会で提案するという。
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