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世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つ!
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県が現地を確認!
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奈良県下北山村にある、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の構成資産の一つで、国史跡の「大峯奥駈道(おくがけみち)」沿いの石垣について、村が2022年、国の許可を得ずに修復していたことがわかった。文化財保護法では、国史跡の現状変更は文化庁の許可を得るように定めている。
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修復されたのは、大峯奥駈道の道沿いにある前鬼(ぜんき)集落跡の石垣(高さ約1.8m、幅約5m)。修験者の宿坊の関連遺構で、修復前に整備された時期は不明という。
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村は昨2022年夏、樹木の成長や長年の風雨の影響で石垣が崩れていることを確認。同年12月に石積みの専門家を招いて講習会を開き、受講した地元住民のボランティアが崩れた箇所の一部を積み直した。
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今年4月に、修復が必要な残りの部分について、県に何らかの支援を受けられないかと相談したところ、石垣が国史跡に含まれ、修復には許可が必要だったのではと指摘を受けた。精査すると、石垣自体も史跡に含まれることが今月になって判明したという。
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村の担当者は「村教委とも検討し、史跡にはあたらないと考えていたが、認識が甘かった。専門性のある職員が亡くなり、引き継ぎが不十分だった」と話す。
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県は今月18日に現地を初めて確認。文化財保存課の担当者は「(石積みは)よかれと思ってのことだったと思うが、事前に相談してほしかった」としている。
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県は既に文化庁に報告しており、今後、現状変更の申請と修復の計画を村と検討する方針だという。
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文化庁によると、今回のケースは、文化財保護法に違反しているおそれがあるという。下北山村の担当者は、「専門の職員がおらず、今回修復した石垣が、史跡の範囲外だと認識していた。修復した場所をどうするか、県とも相談して今後の対応を決めたい」と話している。
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【大峯奥駈道】
標高1200~1900mの山々が連なる大峰山脈の稜線)を通って吉野と熊野(和歌山)の2大聖地を結ぶ、延長約120kmに及ぶ山岳道。修験道の重要な修行の場となっている。
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