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建設業界の景気、受注、倒産、人材採用の動向はどうなるのか?
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本紙はゼネコン各社の新技術をセレクトし、掲載している。大手ゼネコンと中堅ゼネコンでは、発表数が段違いに違うが、発表された新技術が他のゼネコンに採用されているかと言えば、共同開発以外はノーである。
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同じような技術が複数社で開発されている傾向があり、ある面からみると「ダンピング受注」であろうが業界の「雄」となるため、受注額・出来高勝負におけるユーザー(発注主)対策の一つであるとも見える。
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2022年は、建設投資が増え、倒産が増え、建設業就業者は高齢化。
建設投資(受注)はコロナ禍から一服したが、倒産件数と建設業就業者の高齢化が目立った。
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「建設投資は増えているが、倒産も増えている」
「背景には資材高騰と職人不足、コロナ融資の返済再開等がある」
「受注から、どう利益・人材(社内も協力会社も)を確保するかに頭を切り替える必要」
「地方ほど業務をデジタル化して若い人材を惹きつける工夫が大切」
なのだが、、、、
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2023年は、さらに倒産が増え、職人は不足し、受注と人材は特定の会社に集まる傾向が顕著になるだろう。
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2023年はどうなるのだろうか? 残念ながら2022年以上に倒産件数は増え、職人不足が進むと予測され、協力会社が見つからない、職人がいないことによる受注機会の逸失や工期遅延も増えるでしょう。
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倒産件数の推移を見ると、3月、6月、9月、12月の「3の倍数の月」に建設業の倒産が増えています。複数の専門家が「2023年3月に建設業の倒産が増える」と予測しており、4~50社に1社のペースで廃業・倒産すると考えられるなら、協力会社の数が減ればその分、元請の売上は減りることになる。
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職人不足は加速し、2023年10月にインボイス(適格請求書)制度が導入されたが、「一人親方」と呼ばれる個人事業主は2022年9月時点で12%しか制度対応していいない。制度開始後、約1割の一人親方が廃業を検討しているという。
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50万人以上いるとされる一人親方の24%が65歳以上であり、インボイス制度導入が無かったとしても「いつまでも高齢の一人親方には頼れない」と考えるのが良いだろう。
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建設投資が増えながら倒産が増え、就業者は高齢化しているため、「工事ができる会社」「若手の採用・定着が進んでいる会社」は希少な存在になっており、「二極化」傾向がさらに加速すると予測される。
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単純計算だが建設投資額を建設業許可業者数で割り算した「1社あたり建設投資」はこの10年で1社あたり約2億円から2.7億円に増加している。
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建設業の改革が急速に進んでおり、2023年のインボイス制度導入に加え、2024年電子帳簿保存法、2024年時間外労働上限規制など矢継ぎ早に制定されているが、特定建設業は下請に対して法令遵守の指導が必要なため、法令を守れない、コンプライアンス意識の低い会社に大手は発注しなくなるだろう。
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建設業界は省力化に対する新技術を進め、環境配慮の建材・資材の開発、工期短縮に向けた工法開発に資金や人員を傾注している。
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しかし、建設業の完成品はすべて一品受注方式である以上、設計から完成まで多重層の関与システムを考え直さない限り、若年層が喜んで就職する業界ではなさそうだ。
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2023年(2024年度)は、地方都市の民間発注数次第だが、対前年度比マイナスとなる「下降」に進むのではないか。
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