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   .2023.01.15.
  第2地銀株保有ファンド:シルチェスターとシティインデックス!
   
シルチェスター保有・6行!
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村上系シティインデックス・6行!
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 英国の運用会社であるシルチェスター・インターナショナル・インベスターズ・エルエルピーは第2地銀6行の株主である。
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 2021年1月25日取得報告の京都銀行、2022年8月3日取得報告の中国銀行、2023年1月4日取得報告のコンコルディアFG、2023年1月5日取得報告の滋賀銀行、岩手銀行、おきなわFGの3行。合計6行を保有してる。
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保有内容は
・京都銀行
 保有数 4,582,500株 保有割合 6.04%
・中国銀行
 保有数 9,388,100株 保有割合 5.04%
・コンコルディア・フィナンシャル・グループ
 保有数 114,226,600株 保有割合 9.44%(1.15%減少)
・滋賀銀行
 保有数 2,870,500株 保有割合 5.41%(1.03%減少)
・岩手銀行
 保有数  823,500株 保有割合 4.45%(1.01%減少)
・おきなわフィナンシャルグループ
 保有数 1,798,700株 保有割合 7.53%(1.09%減少)
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シルチェスターは特別配当の実施を京都銀行に要求。定時株主総会での議案記載を拒否した場合、ファンドは「臨時株主総会開催の手続きを取る」としている。4月25日、京都銀行に対して特別配当の実施を求める催告書を送ったと公表した。6月に開催予定の定時株主総会の議案として記載することを求めた。
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 京都銀行がこれを拒否した場合、シルチェスターは「臨時株主総会開催の手続きを取る」とリリースに明記しており、 京都銀行株を10年以上保有するという海外投資家の注文をないがしろにはできない状況だ。
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 シルチェスターは4月に入り、岩手銀行、滋賀銀行、中国銀行にも特別配当実施を求めたことを公表している。だが、臨時株主総会の開催まで言及したのは京都銀行だけだ。
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 京都銀行の収益で有価証券運用への依存度が高い。京都にはエレクトロニクス関係の大手上場企業が数多く存在する。京都銀行はそうした会社がまだ小さかったころから株式を保有し、取引を続けてきた。
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 保有する上場銘柄は日本電産や任天堂、村田製作所などである。そうした企業の株価上昇に伴い、貸借対照表に計上されている金額は大きく膨らんできた。
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 2021年3月期時点で京都銀行の有価証券の評価損益(含み損益の合計)は1兆0232億円のプラスで、そのうち1兆0016億円が株式によるものだ。これは京都銀行の時価総額の倍以上の水準で、地銀の中でも突出して大きく、株から得られる配当が収益に大きく貢献している。
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 京銀の銀行業務の実力はどうか。有価証券から得られる収益を除外し、本業利益(貸出残高×預貸金利回り差+役務取引等利益?営業経費)というものがある。これは金融庁が定義して重視する指標だ。
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 本業利益をみると、2021年3月期の京都銀行は約13億円の赤字。100ある地銀のうちワースト15位だ。シルチェスターも京都銀行の本業部分の収益力の弱さを問題視する。実際、4月25日付のリリースで、「2021年3月期の純利益は169億円。保有株式に関して173億円の配当金を受け取った。これは、銀行業務の損失が約4億円だったことを意味する」と指摘している。
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 シルチェスターは2006年9月からの株主であるとし、2022年2月に配当政策の修正を要求し、京都銀行が保有株式から得る年間配当の100%に相当する配当などを求めていた。要するに、本業に精を出せということ。政策保有株式を清算せよと要求し始めている表れだ。
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 政策保有株式の縮減は銀行界の一大テーマでもあり、今後、物言う株主が売却を迫る展開もありうるだろう。
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 シルチェスターは、今回増配を要求した4行のほかにも、横浜銀行を傘下にもつコンコルディア・フィナンシャルグループや沖縄銀行を傘下に持つおきなわフィナンシャルグループの株を保有している。
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 有価証券運用頼みで銀行業務での収益がなかなか改善しない地銀や、自己資本比率が高い地銀などを狙って、物言う株主が動き出す前兆かも。
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 2022年6月の株主総会では複数の地銀が株主提案を受けたほか、村上ファンドが源流のシティインデックスイレブンスも地銀株を取得し始めている
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保有内容は
・八十二銀行 保有割合 2.02%
・秋田銀行  保有割合 1.36%
・岩手銀行  保有割合 2.01%
・武蔵野銀行 保有割合 1.88%
・スルガ銀行 保有割合 1.63%
・SBI新生銀行 保有割合 2.68%
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 長野県地盤の八十二銀行(国際基準行)だ。要因は地銀の中でも突出した自己資本比率の高さだ。堅固な財務基盤は、アクティビストから見れば資本が寝ていることと同義だ。
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 八十二銀行は4月、中期経営目標に配当目標を加え、配当性向を40%以上(2023年3月期から2026年3月期)にすると表明した。同月には100億円を上限とする自己株買いも発表し、還元を強化するだけでなく、「堅実経営」に定評のあった八十二銀が、資本余力を生かした投資を行うかなども注目される。
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 シティが保有していた山梨中央銀行、滋賀銀行、東京きらぼしFGなどは会部式を売却し、保有ゼロになっているもようだ。
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 高知銀行、宮崎太陽銀行、南日本銀行、東和銀行、筑波銀行、じもとHD(仙台銀行、きらやか銀行)、フィディアHD(荘内銀行、北都銀行)、東北銀行、豊和銀行、プロクレアHD(青森銀行、みちのく銀行)のように、公的資金の返済が待ち構える地銀に対しては、還元を求める余地は小さいので狙いの対象は減少すると見る。
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