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業界ぐるみか・公取委検査!
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12月25日朝、県内の高知市にある「相愛」や「地研」など測量業者など10数社に公正取引委員会の一斉立ち入り検査が入った。県発注の地質調査入札を巡って長年繰り返されてきたとされる談合疑惑。10年前の県内建設談合事件をほうふつとさせる大がかりな動きに、関係者に衝撃が走った。業者の証言からは、数社が県内の地域別に談合を仕切っていたという業界ぐるみの構図も浮かび上がっている。
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25日午後9時半ごろ。高知市の測量業者「四国トライ」の事務所からスーツ姿の公取委職員が関連資料を詰め込んだ段ボール箱を手に出てきた。
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一般社団法人「四国地質調査業協会」の高知支部長を務める松尾俊明社長。同社を含む6社は談合の「幹事役」として受注調整を行っていたとみられており、立ち入り検査は10時間以上に及んだ。
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同市の「興和技建」にも10人近い公取委職員が入り、パソコンデータや幹部の手帳などの書類を持って行ったという。2005年度に県土木部長も務めた久保田一水社長は「詳しい状況は分からない。公取委はかなり詳しい内容を知っていて、確証を持って調査している印象だ」と話した。
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同市の「相愛」でも、公取委の職員が地質調査会社の名簿や入札資料などを押収し、営業担当者から入札に関して聞き取り調査。永野敬典社長は「現時点では調査に協力していくとしか言えない」とした。
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検査に立ち会った別の社の幹部は「特定の業務や工事に関して調べている感じではなかった。調査の範囲がどの辺までなのか…」と話した。
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業界周辺では、地質調査は県内8社が「幡多担当」「高知市担当」などエリア別に談合の取りまとめ役を担っていた、との証言もある。
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各社の営業担当者は県から指名競争入札の参加打診を受けた段階で、参加予定の入札について取りまとめ役に連絡。取りまとめ役が、指名件数に応じて業者に工事を割り振っていた。こうした談合が県発注の工事で横行していたという。
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割り振られた業者は、事前に公開されている予定価格の88~92%で落札価格をそれぞれ決定。各社は連絡を取り合い、その価格を下回らないよう調整していた。地質調査でなく測量に関する入札では、8社と異なる会社が取りまとめることもあったという。
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20年12月から独占禁止法改正で談合の罰則が厳しくなり、課徴金の算定期間が最長3年から10年に延長された。これを機に、ある社が談合からの決別を他社に宣言。以来、地質調査の入札では最低制限価格で各社が並び、くじ引きで落札業者が決まるケースが相次いだとの情報もある。
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県土木部によると、地質調査の落札率の年間平均は、13~20年度は90%弱だったが、21年度は79.58%に下がった。業界ぐるみの談合の枠組みが崩壊した時期と落札率の低下が重なっているようだ。
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県内では11年12月、国土交通省や県の発注工事を巡り、公取委が県建設業協会や県内建設業者を一斉に立ち入り検査。約10カ月間の調査で官製談合を認定し、37社に総額約17億5千万円の課徴金納付命令と排除措置命令を出した。入札情報を漏えいした国交省職員も処分を受けた。
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これを契機に、建設関連業界を挙げて談合の再発防止に取り組んできたはずだった。県も談合情報への対応マニュアルを厳格化。公取委や県警などから講師を招き、県職員と土木、建設、測量、設計などを対象にしたコンプライアンス(法令順守)講習も毎年開いてきた。
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それでものど元過ぎれば、、、の言葉が当てはまるような「公取委の処分であんなに痛い目に遭ったのに。また談合疑惑なんて、ばかなことを…」と自虐問答をしても、楽をして仕事が受注できる談合は無くなることはないだろう。
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