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ハウスリート増資中止は民事再生が原因!
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不動産投資信託(REIT)の大和ハウスリート投資法人は8月31日、計画していた新投資口発行(株式の増資に相当)などによる270億円程度の資金調達を中止すると発表した。物流施設の取得に充てる予定だったが、入居する物流会社の日本ロジステック(東京・千代田)が民事再生法の適用を申請したため、物件取得を中止した。
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<大和ハウスリート投資法人・お知らせ>
2022年8月18日付「国内不動産信託受益権の取得に関するお知らせ」に記載の取得予定資産4物件のうち、DPLつくば谷田部、DPL広島観音及びDPL沖縄豊見城Iの賃借人である日本ロジステック株式会社が、2022年8月30日に東京地方裁判所へ民事再生法の適用を申請したことが判明しました。
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・つくば谷田部
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・広島観音
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本投資法人は、2022年8月18日開催の本投資法人役員会において、新投資口発行及び投資口の売出しを決議し、また、併せて資金の借入れを決定し、これらの手取り金及び自己資金を用いて取得予定資産を2022年9月5日に取得することを予定していましたが、上記賃借人の民事再生法の適用申請を受け、取得予定資産全ての取得、当該新投資口発行及び投資口の売出し並びに当該資金の借入れ等の中止を検討しております。
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帝国データバンク(TDB)や東京商工リサーチ(TSR)が8月30日発表した内容によると、物流企業の日本ロジステック(東京都千代田区神田須田町)と関係会社の日本ロジステックサポート(千葉県浦安市)の2社が同日、東京地裁に民事再生法の適用を申請。
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負債総額は2022年3月末で2社合わせて約80億3000万円。運輸・倉庫業界では2022年で最大規模の経営破綻という。
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日本ロジステックは2017年12月設立。1959年10月に発足した旧日本ロジステック(現・日本ロジステックホールディングス)が持ち株会社体制に移行するのに伴い、グループ管理以外の事業を18年4月に承継した。
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東京、千葉、神奈川、埼玉の首都圏1都3県で倉庫事業を主体に据え、通関業や貨物運送取次業、荷造資材販売なども展開。近年は携帯電話事業に新規参入した楽天モバイルとの取引が増えていたという。
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一般消費財の物流や流通加工なども伸び、22年3月期には売上高が過去最高となる約405億6900万円、当期純利益も約27億円に達していた。しかし、最近は大口受注が一服したことに加え、TDBによると取引先とのトラブルで一時的に資金繰りが悪化、民事再生法の適用申請に至ったという。
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日本ロジステックサポートは1990年6月設立。電気製品や食料品、衣料品などの一般貨物自動車運送を手掛け、22年3月期には売上高約8億5500万円を計上していたが、日本ロジステックに連鎖した。
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日本ロジステック株式会社の倒産原因は、取引先への水増し請求の疑いなど、不祥事が発覚し信用が墜落する中、主要取引先から銀行口座の仮差し押さえで、資金繰りが急激に悪化。その後、自力での経営再建が困難となったため、今回の措置となった。
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