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26%を伊藤忠と日本産業パートナーズに約1825億円で売却!
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日立製作所は1月14日、保有する日立建機株26.0%(議決権ベース)を約1825億円で伊藤忠商事と国内の投資ファンド、日本産業パートナーズに売却すると発表した。日立は売却によりITやデジタルなど次世代技術を軸とした事業構造への転換を加速させる。
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発表資料によると、日立は保有する日立建機株のうち5529万株を伊藤忠と日本産業パートナーズ(JIP)が共同出資する特別目的会社に売却する。日立は日立建機の発行済み株式の51.5%を保有する筆頭株主で、売却後の保有比率は25.4%に低下する。株式譲渡実行日は6月の予定。
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日立は売却により来期(2023年3月期)に事業再編等利益約770億円を計上する予定。売却で得られる資金は財務基盤の強化や株主還元、成長投資の原資として活用するとしている。
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同社のIoT技術の社内プラットフォーム「ルマーダ」推進に向けて、研究開発やデジタル技術を活用した部品サービス事業などで、今後も日立建機と連携を続けるとしている。
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日立はコーポレートガバナンス上問題があるとされる「親子上場」を解消する狙いもあり、上場子会社との資本関係の整理を進めてきた。懸案となっていた日立建機の処理が確定することでグループ再編は完了に近づくことになる。
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伊藤忠と日本産業パートナーズは折半出資する合弁会社を通じて日立建機の株式を取得し、筆頭株主となる。伊藤忠は日立建機と長年取引関係にあり、インドネシアでは製造・販売・金融分野で約30年にわたり共同事業を展開してきた。資本提携を通じて既存事業とのシナジー創出などに取り組む。
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具体的には、建機を購入して所有する形からリース契約に移り変わる流れが加速していることから、データを活用した稼働率の向上、オンラインでの新車・部品購入やレンタルへの対応など、ソリューションビジネスを共同で推進するなどとしている。
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伊藤忠の広報担当によると、出資については20年末にJIPから打診され、1年あまりの検討を経て決定に至ったという。東証1部上場の日立建機は、油圧ショベルなど建設機械の製造・販売を手がけ、売り上げはおよそ8000億円、直近の時価総額がおよそ7500億円に上る国内有数のメーカー。
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日立は2009年3月期に7873億円の連結最終赤字に陥ったのを契機に、IT(情報技術)を軸とした事業の入れ替えを進めてきた。売却により日立建機は子会社ではなくなり、一時は22社あった日立の上場子会社はゼロになる。最後まで残った上場子会社2社のうち、日立金属については保有株式の全てを米投資ファンド、ベインキャピタルなどに売却することを既に決めている。
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日立建機は14日、伊藤忠商事と国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)から出資を受けると発表した。販売金融などで連携しながら、遠隔監視サービスに対応する最新のデジタル建機などを北米に投入する。牙城だった東南アジアで中国勢の攻勢をうけるなか、世界最大の北米市場をテコ入れし、グローバル市場での存在感を高める考えだ。
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