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短期調達市場のゼロ金利!
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2022年まで継続も!
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連邦準備制度が短期金利を調節する手段の一つであるリバースレポ(RRP)ファシリティーの利用額は5月27日、過去最高の4853億ドルに達した。ドルの余剰を生んでいる要因が解消するのはまだ先とみられるため、この数字はさらに増え続ける可能性がある。金融当局が金利をコントロールするために利用できるさまざまな手段について、ますます複雑な議論が活発化しそうだ。
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連邦準備制度のRRPファシリティーの金利は現在ゼロだが、資金を非常に短い期間、安全に保管しておく方法はほかにない。米財務省短期証券(TB)利回りや市場で決まるレポ金利は時にマイナスになり、資金を置いておくために利息を払わなければならないという状態だ。それに比べればゼロ金利は悪くない。
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TDセキュリティーズのシニア金利ストラテジスト、ジェナディ・ゴールドバーグ氏(ニューヨーク在勤)によれば、RRPファシリティーは短期金融市場で高まっている圧力に対する「唯一の安全弁」だ。 「現金の洪水を何とか抑えている状態だ」と同氏は述べた。
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調達市場に積み上がる巨額のドル資金は連邦準備制度の大規模な債券購入プログラムと無縁ではない。このためRRP利用拡大は当局がいつから、どの程度のペースで債券購入を縮小するかというテーパリングの議論をあおる要因にもなる。しかし、債券購入と短期市場のつながりは単純ではないため、テーパリングに関する当局の姿勢を動かすことには多くの人が懐疑的だ。
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ソシエテ・ジェネラルのストラテジスト、スバドラ・ラジャッパ氏は「テーパリングによってこれが解決するとは思わない。テーパリングは混乱を助長するだけだ。米金融当局が資産購入を漸減させれば世界の市場を動揺させるだろう」と話した。
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実効FF金利は現在0.06%前後で、0-0.25%という当局のレンジの下限に近いが範囲内ではある。他の短期金利の低下は当局がRRP金利と超過準備の付利(IOER)を調整すべきだという議論を浮上させるかもしれないが、FF金利が許容範囲にある限りは静観することが可能だ。
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RRPの利用が増えるのは通常年末や期末、月末だ。従って、今月最後の営業日となる28日にまた増えることは十分に考えられ、そこで需要が止まるとみる向きは少ない。
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