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伊勢市と業者の交渉再び暗礁!
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令和3年4月から「複合的な課題に対応する包括的な支援体制の構築」を自治体に求める改正社会福祉法が施行されることに合わせて、市は老朽化した福祉健康センター(八日市場町)の機能を含めた保健福祉拠点施設の整備を計画。公共交通が集中する同ビルの5~7階約3500㎡を賃貸し、上階への入居を計画していた公共職業安定所(ハローワーク)と連携して妊娠や子育て、求職に関して包括的な支援体制を確立させるべく計画スタートさせた。
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事業は同市宮後一丁目の旧三交百貨店跡地の地権者で構成する伊勢まちなか開発(河崎一丁目)を事業主体に、駅前のにぎわい創出を目的とした12階建ての複合ビル建設を計画。公的補助を受ける形で平成30年6月に建設工事は着工し、1階を医療や商業テナント、2―4階を立体駐車場、9、10階をサービス付き高齢者住宅、11、12階を賃貸住宅として、令和3年4月の供用開始を目指して建設工事が進められてきた。
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交渉段階での説明を巡って議会との溝が深まる中、ようやく市と伊勢まちなか開発㈱との基本合意締結に至ったのが2020年11月。しかし入居を巡る条件交渉の過程で、当初は想定されていなかった市にとって不利益となる条件が次々と発覚した。
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7月に開かれた市議会産業建設・教育民生委員会の連合審査会で、参考人招致に応じたコンサルタント会社新日の鵜飼英昭取締役は、新型コロナウイルスの影響で入居予定だったサービス付き高齢者住宅が白紙となり、悪化した資金繰りの穴埋めとして、建設協力金(一時金)の形で市に12億円の融資を求めていたことを明らかにした。
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議会からは当然反発の声が相次いだ。市は8月、収支計画の健全化に向け、建設中のビルの権利床や共有部分を除く保留床の売却案と、売却が成立しなかった場合の都市開発資金の貸付金制度の活用、それらを前提に金融機関を交えた計画の見直し案の提出をまちなか社に提案した。
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同社はこれを受け入れて計画の見直し案を提出。合わせて入居に向けた賃料や駐車場料金の条件を再提示した。最終的に、賃料を1坪当たり月額8千円(税抜き)、賃料の8・85%を共益費とし、エレベーターホールなど共用施設の維持管理費を共益費と同額で求め、駐車場料金は30分当たり百円の時間貸しとする条件で合意することとなった。
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市議会12月定例会では、施設入居に向けた内装工事の設計委託料1530万円と、債務負担行為として20年間の賃料22億6330万円を計上した一般会計補正予算案が審議された。20年間という長期にわたる債務負担行為の不透明さや、事業計画の見通しの甘さ、議論の不十分さを指摘する強い反対の声はあったが、結果として多くの議員が賛成に回り、賛成多数(賛成19、反対四)で可決に至った。
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三重県の伊勢市議会全員協議会は2月15日開き、市が保健福祉拠点の入居を検討する同市駅前B地区市街地再開発事業(12階建:店舗・駐車場・公益施設・サービス付高齢者住宅・共同住宅)について、基本協定締結に向けた開発業者との交渉の進捗を報告した。賃料の起算日や解約条件を巡り業者との交渉が不同意に終わったことが明らかとなり、事業は再び暗礁に乗り上げた。
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市によると、入居に向けた予算案が可決された2020年12月以降、4回にわたって業者と基本協定締結に向けて協議。
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2月10日には鈴木健一市長も立ち会い交渉に臨んだが、
▽賃料起算日
▽解約と違約金
▽都市開発基金の記載
―の3点で同意に至らなかったという。
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このうち賃料の起算日については、市が主張する「内装工事を着手する『本物件の占用を開始する日』」に対し、業者側は「令和3年4月1日とし、当初の予定通り4月から賃料を求める」と回答があった。
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また解約と違約金について、市は「いずれか一方が違反し、是正に応じなかった場合ややむを得ない事由で申し出たときは解除できる。解除で損害を被った場合は合理的な範囲内で賠償を請求できる」と主張。これに対し業者側からは「残存賃料の全額を違約金として一括で支払うことで解約できる。市が代替賃借人を紹介し、市と同一条件で契約出来る場合は解約でき、違約金の支払いは発生しない」と回答があった。
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議員からは「一度交渉を白紙に戻すべき」「今更折り合うことはあり得ない。どうか英断を」などと、事業撤回も辞さないとする厳しい意見が相次いだ。
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鈴木市長は「我々も時間をかけて弁護士に相談しながら協議を進めてきた。これ以上は引き下がれない」と述べ、地方財政法上の観点からも業者の提示条件を受け入れることは不可能とした。今後の対応については、「意見を聞いたうえで方向性をまとめたい」と述べるにとどまった。
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事業名称: 伊勢市駅前B地区第一種市街地再開発事業
所在地: 三重県伊勢市宮後一丁目地内
構 造: 鉄骨造 地上12階建 高さ約46m
延面積: 約13,985.37㎡
工事着工: 令和元年6月17日
竣 工: 令和3年1月15日(C工事別)
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