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自動車各社は減産体制に!
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トラブルが生じる最初の兆しは2020年春に表れた。新型コロナウイルス禍の初期段階だった世界で落ち込んだ半導体需要は、その後に経済が持ち直す中でインターネットとモバイルコンピューティング向けが急回復。そうした状況の急変は、スマートフォンや自動車、テレビなどの心臓部を構成する半導体が数年ぶりの深刻な供給不足に陥りかねない問題の発端となった。
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新型コロナのパンデミック(世界的大流行)が始まったころに発注を大幅に削減した自動車・電子機器メーカーは目下、再発注が急務だが、アップルなど大手スマホメーカー向け供給への対応に忙殺されている半導体メーカーからは断られるだけだった。スマホ用半導体メーカー最大手クアルコムのクリスティアーノ・アモン次期最高経営責任者(CEO)は先週、世界的な半導体不足の拡大を示唆。アジアのほんの一握りのプレーヤーに業界が依存していることを理由に挙げた。
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自動車メーカーは最悪の苦境に陥ったもようで、ゼネラル・モーターズ(GM)は今月、北米3工場の操業停止を余儀なくされ、フォード・モーターは短期的な20%の生産削減の準備を進めている。
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最近は半導体不足を訴える業界が増えており、新型コロナに加え、「iPhone12」などの第5世代(5G)移動通信対応の新モデルの人気で、消費者関連業界全体を悩ませる生産能力不足が悪化している状況が浮き彫りになった。半導体不足により自動車メーカーだけで610億ドル(約6兆4000億円)の売上高が失われる見込みだが、電子機器業界が被る打撃ははるかに大きくなる可能性がある。
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クアルコムの主要顧客であるアップルは最近、一部の新たなハイエンド型アイフォーンの販売が部品不足で妨げられていると説明。欧州のNXPセミコンダクターズとインフィニオン・テクノロジーズはもはや自動車業界だけが制約を課せられているわけではないと示唆した。ソニーは、生産上の問題で、21年に新型ゲーム機の需要を十分満たせない可能性を明らかにした。
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「新型コロナ禍と工場での社会的距離、タブレットやラップトップ、電気自動車業界との競争激化で、スマートフォンの部品供給は数年ぶりの厳しい状況に見舞われている」と述べた。同氏の推計では、チップセットやディスプレーを含むスマホ主要部品の価格は過去3-6カ月に最大15%上昇した。
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2020年はPS5やXboxシリーズX、Sといったビッグネームの最新コンソールが続々とリリースされましたが、これらの製品も半導体不足のあおりを受けており、今も台数限定の予約販売が続くなど、ファンにとっては生殺し状態が続いています。製造元のソニーおよびマイクロソフトはいずれも在庫不足を明らかにしており、マイクロソフトは先日AMDに協力を要請しています。いずれにしても、春から初夏にかけてはXboxが手に入りにくい状況が続くと思われる。
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春から夏にかけても、半導体チップ不足は収束する傾向になく、需要も高騰していることから、2021年前半は引き続きガジェットや自動車の品薄状態は続く見込みだ。
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2月5日、台湾の王美花経済部長(経済相)は、車載半導体が不足している問題で、内容は明らかにしていないが、米国が台湾の協力に謝意を示したと述べた。
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同部長によると、会合には台湾積体電路製造(TSMC)や米クアルコムなどの幹部も出席したが、車載半導体不足の問題は主要議題とはならず、車載半導体の生産を優先するかどうかは協議されなかった。
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TSMCが米アリゾナ州に建設を予定している120億ドル規模の工場についても言及したと述べたが、詳細は明らかにしなかった。
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