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  2021.01.22.
  中国の沿海地区:深刻な電力不足!
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原因はいろいろあろうが・なぜ起きたか!
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中国南部で12月に入ってから電力需給が逼迫し使用制限が取られている。中国メディアによると、浙江省義烏(ぎう)市では、市内の街灯が消えたほか、卸売市場のエスカレーターが全て停止するなど、節電対策が取られている。他の地域でも同様の措置が相次いで実施されており、中国政府はコロナ後の経済回復と今冬の寒波到来で電力需要が急増したと説明する。
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 中国西部の江西省や湖南省などでも電力の使用制限が行われている。中国の電力配送会社の国家電網は、「寒気の影響で暖房設備の電力需要が増えた上、中国経済が好調なこともあり電力需給が逼迫している」と説明している。湖南省の電力会社は「戦時状態に入った」と強調して、生活に必要な電力確保に全力を挙げると表明。
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 義烏市中心部のホテルでは、電力使用量を20%削減するよう求める通知を受け取り、ホテルの看板の照明を消すことや、午前8時から午後6時の間はエアコンを使わないことも指示された。省内ではディーゼル発電機のリース代が30%以上値上がりしたという。
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「どの工場も発電機を購入して操業を続けようとしている」と浙江省義烏市の加工工場関係者はこう打ち明ける。
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 今冬に入り、浙江省や湖南省、江西省で計画停電が相次いでいる。浙江省では官公庁の一部で気温が3度を下回った場合のみ暖房利用を認められるようになり、工場にも稼働制限が指示された。ネット上には真っ暗になった工場の様子などを記録した動画が拡散している。
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 現地メディアは、出稼ぎ労働者が故郷へ帰ってしまい5日に1日しか生産ラインが動かせなくなった工場もあると報じた。出稼ぎ労働者は働いた日数に応じて給与を受け取ることが多い。2月12日の 春節(旧正月)の連休前後は交通チケットがとりにくくなるため、どうせ稼げないならばと故郷に帰る予定を前倒ししてしまったのだという。
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 電力事情が特に厳しいのは湖南省で、国家電網は「戦時状態」にあると宣言し、企業にはピークシフトが呼びかけられた。基本的に電力供給制限は住民の生活影響への配慮から工場など企業向けに実施されるが、同省長沙市では複数回にわたり居住区を含む地域が停電の対象となっている。
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 国家発展改革委員会(発改委)の趙辰昕秘書長は20年12月21日、「電力供給は安定しており、市民生活における電力利用は影響を受けていない」と安心するよう呼びかけたが、そうした呼びかけ自体が各地に不安が広がっていることの裏返しだ。上海市でも供給力不足で停電があるとの噂が流れ、中国共産党機関紙の人民日報が「メンテナンスのための計画停電だ」と伝えた。広東省の深せん市では当局が「現在は需給のバランスがとれており供給制限は実施しない」と企業に説明している。
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火力発電の原料となる石炭、なかでも輸入炭が大幅に不足しているのが原因のようだ。

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 輸入炭は過去数年着実に増え、2019年には年間で3億トンに達している。国内炭より割安で品質も良いからだ。沿海地区の港湾は、輸入に便利なので、輸入炭への依存度が高まっており、輸入先はオーストラリア、インドネシア、ロシア、モンゴルである。
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 2020年5月頃から輸入炭が減り始め、8月には前年同月比で30%以上の減少し、11月には43.8%減という大幅な減り方となった。この輸入炭を原料としている沿海地区の火力発電所の操業に支障が出てしまった。
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 年末になり、湖南、浙江、江西などの各省で、電力不足が表面化し、当局が企業などに節電を呼びかける事態となった。広東省では、何の予告もなく停電が発生し、市民生活への影響も出ている。
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 オーストラリア輸入炭が大幅に減ってしまった原因は、オーストラリアが新型コロナウイルスの流行をめぐって、中国の初期対応がまずかったと批判したり、5G移動通信システムについても安全保障上から中国製を排除する動きを見せたことに対し、中国も反発し、石炭を含むオーストラリア製品の輸入に追加関税を課したり、石炭の通関審査遅れで陸揚げが長期停滞している。
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 中国側は、オーストラリアからの輸入炭は主に原料炭として使われており、火力発電向けの一般炭は少ない、と弁明している。それよりは、新型コロナからの生産回復が急ピッチだったこと、この冬の気候が寒冷であること、一部発電所で故障が発生したことなどが原因だとしている。
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中国の「石炭禁止令」は豪州石炭業に打撃を与えている。北京の禁止令により、少なくとも82隻のオーストラリア産石炭ばら積み船(合計800万トンから1000万トンの石炭)が中国の港で滞留させられ、船には1500人以上の乗組員も港で数ヶ月間閉じ込められた。オーストラリアにとっても経済打撃はあるが、中国にとっても深刻な問題が起きている。
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 中国は世界トップの石炭消費国で、2019年には原料炭の輸入量の40%以上、電力用石炭の輸入量の約57%がオーストラリアからのものとなっている。統計によると、オーストラリアは昨年、中国に104億ドル近くの石炭を輸出した。2020年中国は、今年の最初の3四半期に累積で2億トン近くの石炭を輸入し、2019年の総輸入量の約80%に相当する。
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 中国のオーストラリア石炭の禁輸は、中国の一部の地域の人々や企業にとって、寒い冬の間、断続的な停電や高い暖房費を負担させられている。自国の経済や国民にも大きなダメージを与えていることになる。
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