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住民に補償方針!
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工事は中止のまま!
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NEXCO東日本(東日本高速道路)は12月18日、調布市内で発生した地表面陥没についての「第5回 東京外環トンネル施工等検討委員会 有識者委員会」の会合で示された中間報告の内容を発表した。
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東京都調布市の東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事現場付近で道路の陥没や空洞が見つかった問題で、施工者の東日本高速道路は18日、都内で有識者委員会を開き、中間報告をまとめた。同委員会の小泉淳委員長は、陥没や空洞が生じたのは「トンネル工事が何らかの影響があったのはまず間違いない」と述べた。
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中間報告では、シールドマシンによるトンネル建設工事が陥没の要因の1つである可能性が高いと推定されると分析。ただし、陥没や空洞が形成された要因の特定には至っておらず、調査を継続し、メカニズムを特定する必要があるとしている。
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こうした報告を踏まえ、NEXCO東日本では、沿線住民に対して状況を説明した上で個別に補償を行なっていく方針を示した。また、メカニズムが特定され、対策がとれる状態になるまでは、建設工事を見合わせるとしている。
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同社は中間報告を受け、「地域の住民や自治体の方々におわびする」と改めて謝罪。周辺住民に対し「誠意をもって対応する」として、補償する方針を示した。補償する住民の範囲については、家屋調査で決定するという。20、21日に住民説明会を行う。
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陥没は10月18日、調布市東つつじケ丘の住宅街で発生。市道上に長さ5m、幅2.5m、深さ5mほどの陥没が確認され、周辺住民は一時避難した。
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周辺では8月ごろから振動が報告されており、11月にはほかにも2カ所で空洞があることを確認。付近の地下深くでは、外環道のトンネル掘削工事が行われており、陥没や空洞との関連性が疑われていた。
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これまで5回の有識者委員会が開かれ、工事の施工データや地盤のボーリング調査などを分析してきた。その結果、陥没した場所は地盤が緩かった可能性があることが判明。陥没や空洞の原因はまだ特定できないものの、「トンネルの施工が陥没箇所を含む空洞の要因の一つである可能性が高いと推定される」と確認した。工事以前から地下に空洞があった可能性もあり、今後もさらに要因の分析を進めるという。
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トンネル工事の着工前には、事前の地盤調査を行っていたが、陥没した地点の地盤が緩かったことは「分からなかった」とした。
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外環道トンネルの掘削工事は陥没事故を受け、中止している。同社は「原因が究明されるまでは再開できない」としている。小泉委員長は、未着手区間の地盤調査の結果次第では、「ルートの変更もあり得るのではないか」と述べた。
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東京都調布市で10月に道路が陥没した地点を日本経済新聞が衛星データで分析したところ、東京外郭環状道路(外環道)のトンネル工事の掘削機が通った直後に周辺で2~3cmの沈下と隆起が発生していたことがわかった。地表の変動はトンネルの真上以外にも広がっていた。「大深度」と呼ばれる地下40mより深い地点の工事との因果関係は不明だが調査と対策が欠かせない。
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現場の地下40mでは関越自動車道と東名高速道をつなぐトンネル工事が行われていた。陥没のあった地点は中央JCTから東名JCTの間に位置する。10月18日の1カ月前に地下を5階建てのビルの高さに相当する直径16mの掘削機が通っていた。
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