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東京本部と県連は現職原田を優先!
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挑む栗原県議は党員投票でもの腹だが!
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衆議院選挙が1年以内にあるのは確かだが、コロナ禍の中、一体いつ行われるのか憶測の域を出ないが「オリンピック開催の前か、後ろ」であろうことは評論家諸氏の共通した見方だが、コロナのピーク次第でないのだろうか。
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この衆院選にむけ、与野党とも候補者の擁立では勝てる候補者を探すのが大変であろう。議員の資質など問うていたら選挙に勝てないのだ。昨今の議員のスキャンダルの多いのは新聞・TVのニュースを見ていてもよく分かる。
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安倍政権以来、内閣府や首相補佐官が中央省庁の幹部役人より首相をコントロールしていることは、経済誌や週刊誌がよく書いているので覚えている人も多いだろう。
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世界中コロナで明け暮れているが、比較的穏やかに対処してきていた日本が、冬季に入り患者数も重症者数も日ごとに更新を繰り返している。
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次期衆院選が年明け後のどこで始まるのか推測はできないが、日本各地で次期立候補者の人選が始まっている。とくに自民党では選挙区で新旧候補者が公認狙いで綱引きを始めた。
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自民党の公認争いは、広島、静岡、福岡と自民党の派閥ボスが絡み後遺症を残しそうな内容だ。
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福岡5区も御多分に漏れず、麻生副総裁VS武田良太総務相の代理戦争的様相を呈し始めている。
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次期衆院選福岡5区に、自民党所属で現職の原田義昭前環境相(76)と新人の栗原渉県議(55)が立候補する意向を示している。原田氏が12月12日、地元の福岡県筑紫野市で記者会見し「政治家を辞める時には、後継者として栗原氏がふさわしい」と述べた。辞める時期については明言していない。
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党福岡県連幹部によると5区を巡っては11日、党本部の山口泰明・選挙対策委員長から県連に対し、次期衆院選は原田氏に候補を一本化し、それ以降は栗原氏を後継として指名する案が示されている。
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原田氏は「党から分裂選挙を避けたいという強い思いがあったと聞いている。このような事態になったのは支部長の私の責任だ」と語り、改めて次期衆院選への出馬の意向を示した。また「一生政治家というつもりでやっているが、いつかは辞める」とし、栗原氏が候補者調整に応じるかは「見当もつかない」と述べるにとどまった。
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自民党の山口泰明選挙対策委員長は12月11日、福岡県連幹部と会談し、現職の原田義昭元環境相を次期衆院選の党公認候補とした上で、原田氏が新人の栗原渉県議を後継指名する案を提示した。
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福岡5区をめぐっては、県連が原田、栗原両氏を交えて協議するなど調整を続け、最終的には党員投票による決着も視野に入れていた。しかし、山口氏はこの日の会談で、党員投票に改めて難色を示した。次期衆院選では原田氏を公認し、栗原氏を後継とする案は関係者にも了解をとっているという。
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山口氏が示した案について、原口氏は記者団に「県連としては了承せざるを得ないが、原田氏がいつ後継指名するのか、栗原氏が納得するのか分からない。今後の状況に合わせて対応していく」と述べるにとどめた。
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衆院議員武田良太(福岡11区)の総務相就任で、福岡県政界の勢力図に微妙な変化をもたらしている。総務相は首相菅義偉が意欲を示す携帯料金値下げなどを担う「花形」ポスト。武田に近い議員も副大臣などに就任し、県内では「武田さんの影響力が大きくなるのは間違いない」との見方が広がる。財務相の麻生太郎、自民党元副総裁の山崎拓、元幹事長の古賀誠による覇権争いは「福岡三国志」と呼ばれてきたが、武田がくさびを打ち込んだ格好。武田と麻生による権力の二分構図が強まることが予想される。
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武田は初入閣(国家公安委員長)時にスキャンダルが報じられたこともあり「長くは持たないだろう」(自民県議)と見る向きが大勢だったが、官僚から「面倒見がいい」など評判は上々で、国会答弁も「詰まっているのを見たことがない」(政府高官)と及第点。
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所属派閥会長で党幹事長の二階俊博の下で地方選挙にも汗をかき、官邸関係者は「菅さんは武田さんの仕事ぶりを大いに認めていた」と話す。当初、総務相には別の人物の起用もささやかれていたが、二階派への配慮もあり滑り込んだ。
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組閣翌日、武田は「一刻も早く携帯値下げの結果を出したい」と多くのマスコミの前で胸を張った。武田と親しい全国町村会副会長の永原譲二(福岡県大任町長)は「総務相は事実上昇格。それだけ期待されているということだ」と声を弾ませた。
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武田の抜てきに冷ややかな目を向けるのは、閣内残留の麻生だ。「話すことも、目を合わせることもない」
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麻生は武田の総務相起用を聞き、怒りを口にしたという。財務相と総務相は地方交付税の配分などで連携が必要だが、閣僚懇談会で2人は「話すこともなかった」という。
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菅にとって麻生はアベノミクス継続に欠かせない存在だが、関係は決して良好とは言えない。「武田起用はけん制の意味もあるのでは」(同)との観測もあり、麻生側のいらだちに拍車を掛ける。
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さらに、武田の弟分の宮内秀樹(福岡4区)が副大臣、鳩山二郎(同6区)が政務官に就いたが、県内の麻生派議員の登用はなし。麻生周辺は「非常にやりにくい。麻生は『やってみりゃ、いいじゃねーか』くらいにしか思ってないよ。お手並み拝見だ」と敵対心を向ける。
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財源を握る重要閣僚の2人が並び立つことは、地元にとって本来喜ばしい状況のはず。ところが、県北のある首長は暗い顔だ。「片方を立てれば、もう片方に角が立つ。これからは陳情にも気を使わなければ…」と。
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麻生と武田は2016年の衆院福岡6区補選、19年の知事選などで互いに支持する候補がことごとく衝突してきた。県内政界で2人の対立は周知の事実。
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県連関係者は今後「武田さんは露出も増えるし、存在感は大きくなる。県連会長を取りに来るんじゃないか」と身構える。
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武田と付き合いが長い山崎は語る。「麻生ももう80歳。『三国志』時代は終わる。5年もすれば『武田1強』かもしれんぞ」。
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9月27日夜、福岡市のホテルで開かれた自民党麻生派の参院議員大家敏志の政治資金パーティー。財務相麻生太郎は講演で自民分裂構図の衆院福岡5区の話題を持ち出し、こう語気を強めた。
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「いろんな方々が出るのは自由だが、現職は原田だ。きちんと対応してもらわないといけない」
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9選を目指す現職の原田義昭は麻生派。政財界の関係者が集う会場で、派閥の領袖として原田を守る姿勢を鮮明に打ち出した。
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ステージ前には、原田に反旗を翻して出馬の意向を表明した自民県議の栗原渉や、栗原を支持する自民県議団も居並んでいた。麻生は「現職のところは新人が立っても自民党は公認しませんから」とけん制。凍り付く県議団をよそに「5区の人もおられるでしょうからあいさつさせてください」と呼び掛けた。拍手の中、壇上に立った原田は「麻生先生のご指導に基づいて、万全の対策を取っていかなければならない」と衆院選への決意を語った。
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福岡5区の自民分裂は、麻生にとって自派閥議員に身内から対抗馬を立てられた格好になる。
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麻生はパーティーに先立ち、岸田派(宏池会)会長の岸田文雄に電話した。分裂事情が書かれた西日本新聞の記事を伝え、「どうなんだ」と問いただした。
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栗原は、宏池会に所属した元農相太田誠一の秘書を20年近く務めた経歴がある。宏池会名誉会長は、麻生と長年の政敵である元党幹事長の古賀誠。栗原の背後に宏池会の存在を疑った。
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岸田は驚いた様子で「何も聞いてません」。実際、岸田は栗原とは連絡も取っていない。太田は栗原に「死ぬ気で公認を取りにいけ」などと指南しているが、古賀を含めて宏池会として動いている形跡はない。
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「あっ、そうか」。麻生はあっさり矛を収めた。
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麻生周辺は、対立関係にある総務相武田良太の関与も勘ぐり、麻生に「裏に武田がいるのでは」と指摘したが、麻生はそれも否定。麻生の結論は、原田と地元県議らとの軋轢を引き金とする交代論。つまり「ただの地元事情」だった。
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麻生と県議団はこれまで、協調路線を歩んできた。昨年の知事選や2016年の衆院福岡6区補選で自民分裂となった時も足並みをそろえ、「蜜月関係」を保ってきた。麻生にとって武田との激しい県内覇権争いを優位に進めるためにも、その関係は重要だ。
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麻生は「原田を応援する」と公言する。ただ、麻生周辺は「地元首長なんかに『原田を頼む』と言うだろう。でも、具体的に動くことがあるかと言えば…ないわな」。
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一方、県議団は9月30日、栗原の推薦を全会一致で決定。同日夜、福岡市のホテルで開かれた自民県議の議長就任祝賀会であいさつに立った県議団の重鎮、蔵内勇夫はステージ前の栗原に起立を促し、「彼が議長の時に被災したJR日田彦山線問題を見事に解決した」と持ち上げてみせた。
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だが、県議側も政権中枢の麻生と対立したくないというのが本音。県連幹部は「本当は栗原がかわいいよ。でも麻生さんの顔も立てないといけない。今回は相当難しい」と打ち明ける。
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目下の関心は、麻生がどこまで本気なのか、だ。原田が山崎派を離脱して麻生派に入ったのは、12年に自民が政権復帰した後。「麻生さんはガチンコで勝負するつもりなのか、それとも条件闘争なのか」(県議団幹部)。腹の探り合いが続いている。
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福岡5区に自民県議の栗原渉(55)が出馬の意向を表明して約2カ月。党本部が、現職で前環境相の原田義昭(76)を原則通り公認する方針は揺るがない。
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蔵内は、党地域支部の多くが栗原を推しており、自民分裂のまま選挙戦に突入すれば共倒れになる懸念を説明。「党員投票で決めるしかない」と迫ったが、山口は「地元で話し合ってほしい」と折り合わない。蔵内は「じゃ党本部でいい知恵を出してください」とボールを投げ返した。
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栗原を推薦する党県議団が望みを託す党員投票。「地元の声」を示すことで反転攻勢につなげる戦略だが、ここに来て、雲行きが怪しくなってきた。
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「仕掛けてきたのはそっちだろうが」。原田が所属する麻生派会長の副総理兼財務相、麻生太郎は10月24日、福岡市のホテルに集まった県連執行部の県議たちに怒りをぶつけた。
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会談の数時間後に別のホテルであった麻生の政治資金パーティーでは、司会者が来場した原田を紹介。麻生周辺は「こっちはガチンコでやってもいいんだ」と対決姿勢をあらわにする。
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県連は、党員投票を年内にも実施したい考えだったが、麻生の反発は予想を上回っていた。麻生側近は「じゃ、県議選でも出たいという新人が出たら党員投票するか?」と圧力をかける。
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さらに党本部も、公認の推薦者を地方組織が党員投票で決める前例ができれば、現職への「反乱」が各地に飛び火してしまうことを警戒。党選対関係者は「党の規約になく、関知しない。結果を持ってきても中身も見ないだろう」とにべもない。
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党員投票は、麻生との亀裂を深める上、結果が反映される可能性も低い。県連関係者は「いつでもできるように準備は整えている」と話すが、実施のめどは立っていない。
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栗原は、地盤の朝倉市で県政報告会を重ねつつ、大野城市や春日市など大票田の筑紫地区での活動も拡大。地元の県議や市議の付き添いで企業や団体回りを精力的にこなし、「応援してくれる人も増えて、もう引けない状況」(県議)。周囲に「無所属でも勝負する」と明言している。
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自民党本部は、現職優先を口にするが、無所属でも立つという栗原県議はどうする。
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