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町政への影響は否定!
議会は問責決議可決!
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2020年2月に自己破産を申請したことが明らかになった香川県の三枝邦彦・土庄町長(62)が、住民に経緯を直接伝える説明会を始めた。三枝氏を巡っては町議会が6月、「安心して町政運営を委ねられるのかという懸念が生じる」などとして、問責決議を可決。これに対し三枝氏は不信を招いた点をわびつつも、「個人の問題」と町政への影響を否定。職務を続けることへの理解を求めている。
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「町民の皆さんに不安と不信感を与えた。この場を借りておわび申し上げる」
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8月2日、土庄町の豊島公民館であった説明会で、三枝氏は10人ほどの参加者の前で頭を下げた。続いて自己破産申請に至った経緯に言及。参加者からは「他の地域に行った時に、『町長が破産されたんですね』という話が出る。気持ちのいいものではないし、悲しい」などと声が上がった。
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元町議会議長の三枝氏は13年の町長選で初当選した。17年の無投票再選を経て、現在2期目を務める。自己破産の問題は20年3月に判明。三枝氏の説明によると、保証人になっていた協同組合が19年9月に破綻し、弁護士と協議の上で20年2月に高松地裁に自己破産を申し立てたという。3月に手続きの開始決定を受けた。
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首長の自己破産という異例の事態に対し、議会は6月の定例会で三枝氏に対する不信任決議案と問責決議案を提出。不信任決議案は否決されたものの、問責決議は賛成9、反対2で可決された。同町議会で町長への問責決議案が可決されるのは初めてで、町長の資質に疑問符を突きつける形となった。
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さらに議会側は町ホームページ(HP)への謝罪文掲載と住民説明会の開催を要請。これを受け、三枝氏は7月3日付で「不安と不信感を与えてしまいましたことを、心からお詫(わ)び申し上げます」とする文章をHPに掲載し、説明会も8月から始めた。
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ただ、この説明会を巡ってはやり方に疑問の声も出ている。
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三枝氏は町や県の新型コロナウイルス対策の報告も兼ねるためとし、2日の会場には総務課長や教育長、さらに地元選出の谷久浩一県議らも同席させた。権力のある町幹部や県議が居並ぶ形となり、ある町議は「参加者が発言しにくい。町長が一人で来て説明するのが筋だ」と批判する。説明会は8、9日にもあるが、町によると、出席者は今後も同じという。
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三枝氏は毎日新聞の取材に「借金の返済を気にしていると町長の仕事とどっちつかずになる。弁護士の助言も受け、自己破産することにした。ただ、個人の問題で、町政運営に支障はない」と話している。
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