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米国自らが招いた危機・イランのソレイマニ司令官の爆殺!
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本当に差し迫った脅威があったのか!
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2019年12月20日(金) Newsweekトム・オコナー記事より
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<過去10年と比べても、世界はより危なくなった。トランプが「最大限 の圧力」政策を振り回したせいもあるし、中ロが台頭してきたせいもあるが>
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米外交問題評議会(CFR)の予防行動センターは12月18日、2020年度の「予防優先順位報告書」を発表した。世界各地で紛争が起こる可能性やその深刻さを予測したものだ。それによれば2020年は、過去10年に比べてどの年よりも、米軍が対応を迫られるような危機が起きやすいと警告した。
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報告書は、外交の専門家500人が「現在進行中の紛争、および今後起きる可能性がある紛争の見通しとアメリカの国益への影響」を評価しまとめたもので、2020年は世界が歴史的レベルの騒乱に揺れ、米政府の外交目標にも影響を及ぼしかねないと指摘している。
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「懸念すべき30の紛争のうち、2020年に実際に起きる可能性は低いと判断されたのは2つだけ」で、とくにアメリカのテロ対策を担う国土安全保障に対する脅威が最も大きい」
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トランプの強引な政策が裏目に?
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ドナルド・トランプ米政権は2019年、イラン・北朝鮮・ベネズエラの3カ国に対して、いわゆる「最大限の圧力」をかけ続け、いずれの国も降参するどころかますます態度を硬化させている。アメリカと中国・ロシアという大国同士の関係も悪化して世界の安定が損なわれるなか、東欧や西欧で大規模な紛争が起こる懸念も高まっている。
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報告書の中でアメリカにとって最大の脅威として挙げられたのが、発生リスクは「中程度」だが衝撃度は「高い」複数のシナリオ。このうち米国内で発生し得るシナリオは2つで、ひとつは「選挙システムなどのインフラに対するサイバー攻撃」、もうひとつは「米国または同盟国に大勢の死傷者を出すテロ攻撃」だ。
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海外でのシナリオには、アジア地域における3つの潜在的脅威が含まれる。一つ目は「イランとアメリカまたはその同盟国の武力衝突」、二つ目は「北朝鮮の核ミサイル危機」、三つ目は「南シナ海における中国と周辺国の武力衝突」だ。
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そのほかでは、ウクライナとロシアの衝突懸念や中米発移民危機などが挙げられている。左派政権が台頭し、アメリカが長年介入してきたラテンアメリカ諸国はこの数か月、反政府デモや政権交代などで不安定化している。
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アメリカにとって次に大きいのが、衝撃度は「中程度」だが発生リスクが「高い」シナリオだ。
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その中にはラテンアメリカの2つの脅威も含まれている。一つは「メキシコにおける組織犯罪関連の暴力の激化」、もう一つは「ベネズエラにおける経済危機と政情不安の激化により、さらなる混乱や難民の流出増加が引き起こされること」だ。
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中東とその周辺地域の脅威も、このカテゴリーに含まれている。イラン、トルコとクルド人勢力、シリア、アフガニスタンなどだ。
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最大のライバルであるロシアと中国も
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発生リスクは「低い」が衝撃が「大きい」カテゴリーには、アメリカとライバル超大国の対立が含まれる。
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たとえば「東欧でのロシアの侵略行為が発端で、ロシアとNATO加盟国の間で軍事衝突が起こる可能性」や、「2020年の台湾総統選をきっかけとした米中危機」の可能性がある。
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他にも、カシミールを巡る印パ戦争、パレスチナ紛争、イエメン内戦などリストは続く。
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報告書が指摘するように、アメリカの一番のアメリカが世界各地で終わりのない軍事介入を続けている間に、ライバルのロシアと中国はその間隙を縫うように勢力を伸ばしている。2020年度の予防優先順位報告書にリストアップされた潜在的脅威が現実になる可能性はケースによって異なるが、それらの脅威がなくならないのはほぼ確実だ。
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