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隠蔽の可能性アリでFBIが調査中!
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米紙ウォールストリート・ジャーナルは12月2日、米海軍と契約する日本の請負業者が海軍艦船から出る廃水を処理せず、第7艦隊が拠点を置く神奈川県横須賀市のほか長崎県佐世保市と沖縄県の港で不法投棄した可能性があると報じた。米政府当局が捜査しているとしている。米司法省、FBI(連邦捜査局)、米海軍が調査をしている事が判明した。
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関東砿産㈱は、請負業者として米艦船の排水を処理する業務にあたっていたが、廃水を日本の三か所の港で不法投棄していた可能性があるという。今回発覚した廃水投棄行為は契約に反しており、さらに不法投棄に関する情報を隠蔽している疑惑についても調査を進めているという。
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この不法投棄が事実であれば、米国側と関東砿産との契約違反であり、日本の海域を汚染することにもなり、さらに「請負業者に対する監督不十分」という問題も生じる。
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また、この件に関しては関東砿産の行為以外にも問題視されている点がある。海軍関係部署が不法投棄に関する指摘を無視していた可能性も浮上し、あらゆる問題が生じているという。この件をウォールストリートジャーナルは大々的に報じており、物議を醸している。
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これらの一連の出来事が事実であれば、それぞれの問題点は違うものの、連鎖して同時多発的に危機的トラブルが生じたことを意味する。事実でないのであれば、関東砿産は早急に説明し、誤解を解くべきかもしれない。また、事実であれば発生原因について詳細を発表する必要があるだろう。
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米紙ウォール・ストリート・ジャーナルよると、捜査を受けているのは横浜市に本社がある廃水処理業者で、沖縄でも米軍の業務を請け負っている。2008年以降、不法に廃水を流し、事実を隠蔽(いんぺい)した疑いが持たれており、海軍当局が18年3月に捜査を開始。その後、司法省と連邦捜査局(FBI)が加わった。
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関東砿産は2003年に米海軍と契約し、米海軍戦艦の汚染水処理をしてきた。東京湾近隣の神奈川県横須賀、長崎県佐世保、沖縄に停泊した米軍艦の廃水処理を担当している。軍艦にバージ船を寄せてホースを利用して軍艦の廃水を取り出した後、浄化処理を経て海に放流するのが一般的な手続きだ。
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関東砿産の元職員3人はWSJに対し、同社が10年前から米海軍と契約した通りに廃水を処理するのに失敗し、書類と廃水処理サンプルを捏造したと暴露した。この場合、日米両国の法律違反となる。うち1人は汚染水を処理するバージ船で働く職員が周辺に人がいない時に十分に処理されていない汚染水をホースを使って米軍基地内の海に放流したと話した。2018年12月にも横須賀に停泊した原子力空母「ロナルド・レーガン」の船員が関東砿産のバージ船から緑色の油が流れるのを目撃したという。
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米政府の資料によると、関東砿産は調査対象期間の2008年以降米海軍から1億ドル規模の排水処理業務を受注している。同社が艦船から取り出して浄化したとする水は毎月、分析のため研究所に送られ、その結果が海軍に伝えられる。元従業員によると、確実に良い結果が出るよう、処理後の廃水の代わりに水道水を送付することもあったという。
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「もちろん、飲むことができる」とその元従業員は語った。
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一方、関東砿産の責任者はこの告発を否定。「そんなことをしたらとっくに基地から締め出されている」と語った。関東砿産側は汚染水放流疑惑を全面否認している。関東砿産側はWSJに「我々は長期にわたり米海軍と契約をしてきた」とし「会社の名を汚して業務が途切れるようなことをするはずがない」と反論した。
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菅官房長官は3日午前、「現在、関係当局からアメリカ側に事実関係を確認中だ」と述べ、事実関係を確認したうえで、政府として今後の対応を検討していく考えを示した。
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