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   2019.10.23.
   あべのハルカス:連帯長期ストの最中でも生コン調達!
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施工は竹中工務店JV!
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窓口商社は住商セメント!
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あべのハルカスは、2010年(平成22年)1月9日に着工され、2014年( 平成26年)3月7日に全面開業した。2019年現在、日本で最も高いビルであり、日本初のスーパートール(高層ビル・都市居住協議会の基準による300m以上の超高層建築物)でもある。
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 この2010年には連帯ユニオンが139日にもおよぶ生コンストが決行された。ストに入ったのは2010年7月2日、ストが終わったのは同年11月17日である。全面ストライキから選別出荷、検証委員会、現場対応などの多彩なスト展開を通して、生コン価格の値上も賃上げもパーフェクトではないが勝ち取ったと言えるだろう。
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 11月17日12時より、3労組と近畿バラセメント輸送協同組合交渉団との代表交渉が開催され、バラセメント輸送運賃の値上の達成や賃上げなどをめぐって、大筋の合意が確認され、12月前半までに代表交渉や集団交渉で細目を詰め解決することが決まった。
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 生コン同様、細目の詰めを残すが、労資の信頼関係を再構築する上においても、一旦ストは解除し、12月前半までに誠意ある代表交渉などで最終合意に入る。バラセメントのストライキは明日以降解除され、ポンプ圧送についても、11月18日10時より、労資代表交渉が始まる。
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 あべのハルカス着工から半年。
設計は、竹中工務店(設計全般)
施工は、竹中工務店、奥村組、大林組、大日本土木、銭高組JV
商社は、住商セメント大阪支店
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 この生コンストは、大阪の工事の80%強が停止し、大阪駅ビル工事も全面ストの対象となった。単なる生コンストなら逃げ道もあったろうが、輸送も圧送も無期限スト突入したことで、ゼネコン現場は工事停止状態になった。
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 このストライキで、労組や支援団体は徹底したPR作戦を取り、東京でもストの成り行きに注目しだした。
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 このストで工事現場の80%以上が停止し、大阪駅前の竹中工務店・大林組が請け負っている「大阪駅ビル工事」も、工事停止状態が続いていた。この最中で、あべのハルカスの工事も止まったままである。
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 ストが継続している中で、中堅ゼネコンの多くは白旗を揚げて「生コン価格引き上げ」に同意した。頑強に値上げ要求を拒否していた竹中工務店と大林組は、「生コン価格の値上げ適正化絶対反対」の姿勢を貫き、生コン製造の協同組合に対して「安い価格で生コンを売らないから損害を受けた。値上げ撤回しないと損害賠償訴訟を起こす」と抵抗していた。
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 この時期、東京が気にしていたのが「関西のストを見て、ゼネコンや建築発注主が、東京で起きたならどうなるか(東京では連帯組織が確立されていないが)というのが危惧する一点である。
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 このストで連帯が作ったはずの大阪広域生コン協組は、理事は全員セメントメーカー出身であり、加入者にもメーカー系製造工場もあり、連帯主導のストには100%参加ではなかった。大手商社もセメントメーカーと組んでおり、生コンは流れていたのだ。
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 テレビ東京が取材に来て、先日は「テレビ関西」のニュースでも報道された。(大手ゼネコンの「たいした影響はありません」という内容が放送され、大阪の読売テレビも「大阪駅ビル工事が今週も停止するんならテレビで報道したい」との話があったようだ。
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 この12chも、2019年6月の株主総会で、株主より質問がなされ、連帯ユニオンが大量の逮捕者を出したのに「なぜTV報道がないのか、忖度あるいは圧力がかかったのか」と。この件は、改めて記事としたい。
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 2010年7月30日(金)は、スーパーゼネコン・竹中工務店が、「スト破り生コン出荷搬入」を強行する予定の日であった。
大阪での竹中工務店の大規模工事は
・北区の中之島フェスティバルタワー
・大阪駅北側の「梅田ヤード」
・阿倍野再開発の3つなのだが、いずれもストで工事が停止してきたが、昨夜7/29は遅くまで「フェスティバル」の現場の明かりが灯って7月30日工事再開の準備をしていたようだった。
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 スト破り大作戦で「フェスティバル」で工事再開させ、その勢いで「梅田ヤード」工事や他も再開させていこう、という作戦じゃないか、と連帯は危惧していた。
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 生コン出荷輸送スト問題とは直接関係の無い生コン圧送部門で、圧送労組の春闘課題の残り部分の早期解決を要求して、第2波圧送ストを7月29日午後の「スト通告」が出た。生コンを搬入しても打設出来ずに廃棄するしかなくなるから、結局「スト破り搬入作戦が発動できなく」なり、竹中工務店の工事再開は幻となってしまった。
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 竹中以外のゼネコンが次々と生コン値上げを了承し始め(協組の当初要求の満額には差があるものの)、値上げ拒否の大林組も値上げ了承に歩み寄里始めた。
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「竹中にだけは絶対に生コンを運ぶな」、「他のゼネコンは労組・協組との協調でどんどん生コンを運んで工事が進むが、竹中だけは全然工事が出来ない」という状況に追い込もうとしていた連帯にとり喜ばしい話だったろう。圧送業者のストがなかったら、どうなっていたであろうか

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 竹中工務店が強硬なのは、「値段叩きが企業体質として強硬」、「保証のある高品質生コン使用主義のため、 大阪の工事では大阪広域協組の生コンしか買わない」という方針があるのだという。竹中は広域協組以外の生コン会社を使わないため、広域協組の値上げや労組ストによって代替できない損失を負うから、一番頑強に敵対するのだ、という事だ。というのが定説となっていた。
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 139日闘争明けの交渉でも、最終妥結とは行かず、大阪広域協組が理事メンバーをセメントメーカー理事から現理事に入れ替え、連帯と全面対決に至るのは読者もご存知のとおりだ。
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