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過去に防衛省勤務・準公務員拘束は初!
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2015年以降・日本人男女9人が逮捕起訴!
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中国では2015年以降、スパイ行為に関わった疑いなどで、少なくとも日本人男女9人が逮捕、起訴されたことが判明しているが、いずれも民間人。教授は日本人で、中国政治などが専門。過去に防衛省防衛研究所や外務省に勤務した経験がある。準公務員である国立大の教員が拘束されたのは初めてとみられる。
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9月に中国を訪問した北海道大の40代の男性教授が、北京で中国当局に拘束されたことがわかった。容疑は不明だが、反スパイ法や刑法違反に問われている可能性がある。2014年以降、9人が起訴され、8人に有罪判決が出ている。
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中国当局は2014年にスパイ行為を定義した反スパイ法を制定し、15年にも取り締まりのための国家安全法を施行。外国人らによる国内での情報収集活動に対する警戒を強めていた。
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中国では15年以降、スパイ行為に関係したとして、日本人の男女計13人が拘束された。いずれも民間人。
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北大のホームページでは、男性は法学部に所属する教授だとしている。北大関係者によると、男性は約1か月前から、大学側に出張を届け出ていたが、行き先は不明だという。
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関係筋によると、男性は9月3日に中国に入国。約2週間滞在した後、帰国の際に北京首都空港で当局に拘束された。すでに日本大使館の職員が面会したが、拘束された理由は明らかになっていないという。
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中国当局は2014年にスパイ行為を定義した反スパイ法を制定するなどして取り締まりを強化したが、スパイ行為の定義があいまいだとの指摘があり、海外のNGOや研究者などからは恣意的な運用への懸念も出ている。
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菅官房長官は21日午前の記者会見で、北海道大学の40歳代の日本人男性教授が9月に中国・北京で中国当局に拘束された問題について、「北京市で邦人男性1人が中国の国内法違反があったとして、拘束されている」と述べ、拘束の事実を初めて公式に認めた。
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一方で、「事柄の性質上、詳細に答えることは控えたい」として身元の特定などは避けた。「政府として邦人保護の観点から、領事面会やご家族との連絡など、できる限りの支援をしている」とも語った。
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拘束された教授は中国政治研究者で、中国共産党史、日中戦争史などに詳しく、これと関連した書籍や関連資料を収集するために中国を頻繁に訪れていたという。教授は防衛省防衛研究所と外務省で勤務した経験があり、在日中国大使館にも出入りするなど両国政府に幅広い人脈を持っていた。
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産経新聞は、教授が普段から中国当局の監視に対し警戒感を示していたと伝えた。また、教授が9月中旬ごろに家族に電話し、「体調が悪いのでしばらく帰国できない」と連絡したと報道した。電話をかけた当時、教授はすでに拘束状態だったものとみられ、中国当局の強圧があったのかどうかをめぐっても日本側の反発が予想される。
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中国の習近平政権が2014年に反スパイ法を施行してから拘束された日本人は教授を含めて13人。彼らのうち相当数が5~12年の懲役刑を宣告され現地で収監中だ。彼らの身辺問題をめぐり両国は神経戦を続けてきた。これと関連し、読売新聞は「陳文清国家安全相手が極秘で来日し、外務省や公安調査庁幹部らと面会した。情報当局間の交流は進みつつあるが、今回、学界関係者の拘束を強行した姿勢からは、日本側に配慮する気配は見えない」と指摘した。
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教授の拘束問題が両国首脳の交流にも影響を及ぼしかねないという主張も出ている。王副主席は23日に日本の安倍晋三首相と会談を行い、緊密になった両国の発展について議論する予定で、特に来春に予定された習近平主席の国賓訪日に焦点を合わせて会談を進めるものとみられる。
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日本側は中国に配慮して「中国を刺激しない」(自民党重鎮議員)範囲で両国間の紛争地域である尖閣諸島(中国名・釣魚島)問題なども議論する計画だという。しかしスパイ事件が再び発生し日本政府の立場は苦しくなった。読売新聞は「新たな拘束者が判明したことで、来春に予定される習近平国家主席の国賓での来日を控え、日中政府間の懸案が増えたことになる。日中間の学術交流にも影響が出そうだ」と伝えた。
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