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学校法人「加計学園」は17年1月、52年間どこの大学にも認められていなかった獣医学部を新設する「国家戦略特区」の事業者に選定されたことに端を発し、学校法人「加計学園」は17年1月、52年間どこの大学にも認められていなかった獣医学部を新設する「国家戦略特区」の事業者に選定されたことに端を発し、30年以上の交友がある学園経営者・加計孝太郎理事長と安倍首相間に「特別便宜」があったのではないかと疑われた。
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首相や政府は関与を否定しているが、愛媛県職員が作成したという備忘録には「柳瀬唯夫首相秘書官(2015年当時)と面会し“本件は首相案件”と言われた」などと記されていたため、柳瀬氏は2018年5月の国会に参考人として招致された。
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その後、5月21日に愛媛県が国会に提出した文書内容と首相や内閣府の即金の国会答弁と食い違いが出、また矛盾が出てきた。
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愛媛県の新文書は政府関係者らとの面談のため、東京出張を命じる「旅行命令(依頼)簿」4枚、出張を報告する「復命書」3枚、「面談結果概要メモ」2枚、首相秘書官だった柳瀬唯夫・経済産業審議官への「説明内容を書き起こしたメモ」1枚、「個人メモ」6枚など。加計学園、愛媛県の動きが詳しく書かれている。
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これまでの政府側説明と最も食い違うのは、安倍首相が同学園の獣医学部新設計画を知った時期。首相は「2017年1月20日」との国会答弁を繰り返してきた。これに対し、新文書は加計学園関係者からの報告内容として、「15年2月25日」に同学園理事長と安倍首相が面談。首相が「新しい獣医大学の考えはいいね」と発言したとしている。
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新文書の内容が事実なら、国会答弁より2年近く前に計画を把握していたことになる。
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柳瀬氏は「(計画は)首相案件」と発言したことを再三にわたって否定。2018年5月10日の参考人招致で2015年に3回加計学園関係者と面談しており、愛媛県職員が作成した文書に記載されていた「本件は、首相案件」との発言について「伝えたかった趣旨と違っている」「『首相』という言葉を使わないので、私の発言として、やや違和感がある」と説明していた。
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だが、新文書では形式の異なる複数のメモに柳瀬氏の発言として「獣医学部新設の話は総理案件」「本件は、首相案件」などと記載がある。
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また柳瀬氏は15年4月2日の面会で加計学園関係者が主に話しており、約10人の随行者に愛媛県や今治市の職員が含まれていた可能性があるなどとしていた。ただ、新文書には部屋の大きさの都合で6人しか入れなかったとの記載があり、やりとりを記したメモは愛媛県職員の発言内容も記録している。
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これらの内容を踏まえ、クローズアップ現代の放送(2017年6月19日)で、愛媛県中村時夫知事が発言した内容を紙上掲載する。
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2017年6月19日放送
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愛媛県知事「ふに落ちない」(10月9日)
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柳瀬元総理大臣秘書官は、5月10日に行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。
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愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。
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これを受けて、愛媛県は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出しました。
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愛媛県は内容を明らかにしていませんが、NHKが入手した文書には、当時、県が学園側から受けた報告の内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。
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さらに、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。
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このほか、4月2日に総理大臣官邸で面会した際の柳瀬氏の発言をまとめたとするメモには、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したと記載されています。
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今回、新たな文書を提出したことについて、中村知事は午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。
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柳瀬元総理大臣秘書官は、5月10日に行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。
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愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。
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これを受けて、愛媛県は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出しました。
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愛媛県は内容を明らかにしていませんが、NHKが入手した文書には、当時、県が学園側から受けた報告の内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。
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さらに、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。
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このほか、4月2日に総理大臣官邸で面会した際の柳瀬氏の発言をまとめたとするメモには、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したと記載されています。
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今回、新たな文書を提出したことについて、中村知事は午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。
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文科相 文書あるか追加調査表明(6月9日)
学校法人「加計学園」の獣医学部の新設をめぐり、「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書について、松野文部科学大臣は、きょう、記者会見で、あらためて文書が省内に存在するのかどうか追加の調査を行うことを明らかにしました。
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文科相「追加調査で14文書確認」(6月15日)
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松野文部科学大臣は、きょう午後記者会見し、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐる文書の追加調査の結果について、民進党などから提示された19の文書のうち、14の文書の存在が確認できたとして、「大変申し訳ない」と陳謝しました。また、「官邸の最高レベルが言っている」と記された文書について、担当の職員は、「こうした趣旨の発言はあったと思うが真意は分からない」と話していること
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「10/21萩生田副長官ご発言概要」(全文)
文部科学省がきょう公表した新たな文書の全文は以下の通りです。
10/21萩生田副長官ご発言概要
. ○(11月にも国家戦略特区諮問会議で獣医学部新設を含む規制改革事項の決定がなされ る可能性をお伝えし、)そう聞いている。
. ○内閣府や和泉総理補佐官と話した。
(和泉補佐官が)農水省とも話し、以下3点で、畜産やペットの獣医師養成とは差別化 できると判断した。
. ①ライフサイエンスの観点で、ハイレベルな伝染病実験ができる研究施設を備えること。
また、国際機関(国際獣疫事務局(OIE)?)が四国に設置することを評価している 、と聞いたので、その評価していることを示すものを出してもらおうと思っている。 ②既存大学を上回る教授数(72名)とカリキュラムの中身を増やすこと。
また、愛媛大学の応用生物化学と連携するとのこと。 ③四国は水産業が盛んであるので、魚病に特化した研究を行うとのこと。
. ○一方で、愛媛県は、ハイレベルな獣医師を養成されてもうれしくない、既存の獣医師も 育成してほしい、と言っているので、2層構造にする。
. ○和泉補佐官からは、農水省は了解しているのに、文科省だけが怖じ気づいている、何が 問題なのか整理してよく話を聞いてほしい、と言われた。
官邸は絶対やると言っている。
. ○総理は「平成30年4月開学」とおしりを切っていた。
工期は24ヶ月でやる。
今年11月には方針を決めたいとのことだった。
. ○そうなると平成29年3月に設置申請をする必要がある。
「ハイレベルな教授陣」とはどういう人がいるのか、普通の獣医師しか育成できません でした、となると問題。特区でやるべきと納得されるような光るものでないと。できな かったではすまない。ただ、そこは自信ありそうだった。
. ○何が問題なのか、書き出して欲しい。
その上で、渡邊加計学園事務局長を浅野課長のところにいかせる。
. ○農水省が獣医師会押さえないとね。
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文科相「官房副長官の発言とされる文書見つかる」(6月20日)
松野文部科学大臣は、学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、萩生田官房副長官が文部科学省の局長と面会した際の発言をまとめたとされる文書が、省内で新たに見つかったことを明らかにしました。
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文科相 認可までの手続きは適正(11月15日)
学校法人「加計学園」の獣医学部の開学が認可されたことを受けて、衆議院文部科学委員会が開かれ、林文部科学大臣は「学部設置の構想は先端的な研究など新たなニーズに対応すると確認されたものだ」などと述べ、認可までの手続きは適正に進められたという認識を示しました。
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加計学園運営の岡山理科大獣医学部で入学式(2018年4月3日)
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獣医学部の新設をめぐって国会で問題が指摘される中、学校法人「加計学園」が運営し、今月、愛媛県今治市に新設した岡山理科大学獣医学部の入学式が行われ、加計孝太郎理事長は「予想を上回る志願者数であり、プロジェクトが評価された」とあいさつしました。
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「ない」と説明の面会記録残されていた愛媛県調査(2018年4月9日)
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公文書の管理のあり方が問題となる中、愛媛県がこれまでないと説明してきた学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関連する文書が残されていることがわかったとして、県は詳しい事実関係について調査していることがわかりました。
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愛媛県中村知事調査結果まとまり次第公表へ(2018年4月10日)
愛媛県は、これまでないと説明してきた学校法人「加計学園」の獣医学部新設に関連する文書が残されていることがわかったとして、事実関係の調査を進めています。これについて中村知事は調査結果がまとまり次第、速やかに公表する考えを示しました。
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「文書は県職員が報告のため作成」愛媛県知事(2018年4月10日)
学校法人「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県や学園の関係者らが官邸を訪問した際に記された文書が残されていたことについて愛媛県の中村知事はきょう夕方、会見を開き、「文書は会議に出席した県の職員が報告のために作成したものだ」と述べて文書は県が作成したものであることを認めました。
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今治市長職員の官邸訪問は認める具体的内容は明かさず(4月16日)
「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、今治市の菅良二市長は記者団の取材に応じ、職員が官邸を訪問したことは認めたものの、具体的な内容については、国や県に迷惑がかかるとして明らかにしませんでした。
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愛媛県などの官邸訪問文科省に内閣府がメール(4月17日)
「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、3年前に愛媛県などの職員が総理大臣官邸を訪問した当日に、文部科学省の担当者が県などの訪問の予定について内閣府側から伝えられた
メールが見つかっていたことが文部科学省の調査でわかりました。官邸の訪問について国の省庁の担当者の間でも情報が共有されていた可能性があります。
媛県の担当者が3年前に総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとする文書について、文部科学省は調査の結果、省内に残されていないことを確認しましたが、訪問の当日に文部科学省の獣医学部新設の担当者が県などの訪問の予定について内閣府側から伝えられたメールが見つかっていたことがわかりました。
メールには「本日15時に今治市などが官邸を訪れる」などと記されていたということです。愛媛県と今治市は官邸の訪問を認めていますが国の省庁の担当者の間でも情報が共有されていた可能性があります。
県が作成した文書には、当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官が面会相手と記載されていますが、柳瀬氏は「記憶の限り、お会いしたことがない」として面会したことを認めていません。
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内閣府厚労省文科省省内に文書存在せず(4月17日)
「加計学園」の獣医学部新設をめぐり、愛媛県の担当者が、3年前に総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとする文書について、梶山地方創生担当大臣は、調査の結果、内閣府内に文書が存在しなかったことを明らかにしました。また、加藤厚生労働大臣と林文部科学大臣も、調査の結果、省内に文書が存在しなかったことを明らかにしました。
柳瀬元首相秘書官と面会予定メール公表文科省(4月20日)
林文部科学大臣は、3年前に愛媛県の職員らが総理大臣官邸を訪問し、柳瀬元総理大臣秘書官と面会する予定を伝えた内閣府からのメールが文部科学省内で見つかったことを公表しました。
メールには、愛媛県や今治市の職員と加計学園の関係者が、当時、内閣府で地方創生推進室を担当していた経済産業省の藤原審議官と面会した際の様子が記されているほか、「本日15時から柳瀬総理大臣秘書官とも面会するようです」などと記載されています。
また林大臣は、愛媛県の職員らが総理大臣官邸を訪問することについて、当時官邸に出向していた文部科学省の職員から「陳情がくるので省のスタンスを教えてほしい」などと、事前に連絡を受けた記憶のある職員がいたことも明らかにしました。
林大臣は、「われわれはしっかりと確認作業を行い、こういうものが出てきた。それぞれの方々がしっかりと説明責任を果たしていかれると思っている」と述べました。
愛媛県の職員らとの面会について、柳瀬氏は、「記憶の限り、お会いしたことがない」として否定しています。
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梶山地方創生相担当者「送信したと思われる」
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梶山地方創生担当大臣は、文部科学省からメールの提供を受けて、送信した可能性のある当時の担当者に確認したところ、担当者は、「当時の記憶は残っていないが、写しがある以上、自分が内閣府での面会に同席して、作成し、送信したものと思われる」と話したことを明らかにしました。
また、総理大臣官邸への訪問予定については、「面会の場でそのような話題が出て、それをそのまま自分がメモしたのだろう」と話しているということです。
一方、内閣府での面会に同席したとされる、当時、内閣府で地方創生を担当していた経済産業省の藤原審議官は、「記憶はないが、メールを読む限り、先方が言ったのではないか」などと話し、総理大臣官邸での面会の調整などは行っていないと説明しているということです。
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メールは愛媛県の文書と内容酷似
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このメールは平成27年4月2日に愛媛県などの関係者が内閣府への訪問を終えた直後の午後0時48分にその場に同席したとみられる内閣府の担当者から文部科学省の国家戦略特区の担当者に対して送信されています。
メールには内閣府で午前11時半から1時間愛媛県と今治市、さらに加計学園の関係者が当時、内閣府の地方創生推進室次長だった経済産業省の藤原豊審議官らと面会したと書かれていて、藤原氏が発言したとする内容が短く記されています。
具体的には「制度改正の実現は首長のやる気次第。熱量をどれだけ示せるか」「今月、または大型連休明けに予定する国家戦略・構造特区の共通提案に出してみては」「反対派の同意を得るため、構想の内容(コンセプト、カリキュラム、自治体の取り組み)を検討いただき、 ご相談いただきたい」という説明があったとしています。
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n1
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そして、本日15時から柳瀬総理大臣秘書官とも面会するようだ、と記されています。メールの最後は「概要は後で まとめて送ります」と結ばれています。
藤原氏が発言したとする内容と、今月、愛媛県が作成を認めた文書に記された内容を比べると、訪問した日時や場所、さらに訪問したメンバーや面会相手などは一致しています。
また、国家戦略特区への提案に言及したり、提案書や具体的なカリキュラムを作り、内閣府に早く相談するよう求めたりしている点も共通しています。
そして、この面会の直後、総理大臣官邸を午後3時から訪問し、当時の柳瀬総理大臣秘書官と面会する予定であることも愛媛県が作成した文書に書かれた内容と一致しています。
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「3月に官邸訪問予定」を知る
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今回、文部科学省は加計学園の獣医学部新設に関わる担当部局に在籍した合わせて12人の職員を対象に調査し、紙に印刷された状態のメールが省内の国家戦略特区の担当室から見つかりました。
さらに、当時の担当者に聞き取ったところ、この訪問前の平成27年3月に官邸に出向していた職員から愛媛県と今治市、さらに加計学園の関係者が総理大臣官邸を訪問する予定があると事前に連絡を受けていたことがわかったということです。
調査に対して当時、メールを受け取った職員は「詳細なやりとりについては覚えていない」と話しているということです。
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愛媛県知事柳瀬元秘書官の発言を批判「県職員の書いたこと間違いない」(5月10日)
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愛媛県の中村知事は、10日夕方、愛媛県庁で記者団の取材に応じ、「愛媛県の信頼を損ねるような発言があったのは非常に残念だ。誠心誠意にすべての真実を語らないという印象だ」と述べ柳瀬氏の発言を批判しました。
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また、中村知事は柳瀬氏の愛媛県の文書についての発言を取り上げて、「どうしてすべて正直に言われないか分からないが、県職員など人間には誇りやプライドがある。そういうものに、なぜ思いをはせられないのか。愛媛県の文書は改ざんする余地がない。県の職員はありのまま書いたと思っている。『首相案件』発言について、細かく分析できていないが、私は県職員の書いたことは間違いないと思う」と述べました。
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10日の衆参両院の参考人質疑で柳瀬元総理大臣秘書官は、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で加計学園の関係者と面会したことを認めましたが、愛媛県と今治市の職員については「記録は残っておらず、県の方がいたのかどうかは今でもわからない」と述べるにとどまりました。
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これについて、愛媛県の中村知事は11日の記者会見で、「県職員が柳瀬氏に会った、会わないということについては、終止符を打ちたい」としたうえで、「県職員3人はメインテーブルに柳瀬氏側の3人と向かい合って座った。柳瀬氏と名刺も交換し、しっかりと県の立場を発言している」と述べて、10日の柳瀬氏の発言を批判しました。
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そして、柳瀬氏から受け取った名刺と、総理大臣官邸で職員が県の取り組みについて発言した内容のメモを公表しました。
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メモには愛媛県と今治市が獣医学部新設にむけて、平成19年から15回にわたり、構造改革特区に提案したことや、公務員獣医師を確保するため、獣医学部の新設が必要なこと、さらに、獣医師会の強い反対を踏まえて、今後は賛同が得られるよう、粘り強く働きかけていくなどと発言したと記されています。
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また、柳瀬氏が県が作成した文書に記載されていた「首相案件」という発言を否定したことついては、「県の文書はありのままのことを書いたものだ」という認識を示しました。
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愛媛県知事「職員は柳瀬氏と名刺交換」名刺と発言メモ公表(5月11日)
柳瀬元総理大臣秘書官の参考人質疑を受けて、愛媛県の中村知事は11日の記者会見で、3年前に県職員が総理大臣官邸を訪問した時、「県職員はメインテーブルに座り柳瀬氏と名刺も交換し、しっかりと県の立場を発言した」と述べて柳瀬氏の発言を批判しました。そして、柳瀬氏から受け取った名刺と、職員が発言した内容のメモを公表しました。
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「加計氏が総理に獣医学部構想説明」愛媛県新文書を国会に提出(5月21日)
愛媛県は、3年前に柳瀬元総理大臣秘書官が官邸で学園側と面会したことに関連する県の新たな文書を21日に国会に提出しました。文書には、学園側からの報告内容として「3年前の2月末、加計理事長が安倍総理大臣と面談し、獣医学部の構想を説明した」などと記載されています。
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柳瀬元総理大臣秘書官は、5月10日に行われた衆参両院の参考人質疑で、愛媛県今治市が国家戦略特区に提案する2か月前の平成27年4月2日に官邸で学園側と面会したことを認めました。
愛媛県は、担当者がこの面会に同行したと説明していて、参考人質疑を行った参議院予算委員会が、県に対して、面会の内容や経緯が把握できる文書を提出するよう求めていました。
これを受けて、愛媛県は、当時の資料を調べ直した結果、平成27年2月から3月にかけて作成した新たな文書が見つかったとして、21日午後、参議院事務局に提出しました。
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愛媛県は内容を明らかにしていませんが、NHKが入手した文書には、当時、県が学園側から受けた報告の内容として、「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談。理事長から獣医師養成系大学空白地帯の今治市に設置予定の獣医学部では、国際水準の獣医学教育を目指すことなどを説明。首相からは『そういう新しい獣医大学の考えはいいね』とのコメントあり」と記載されています。
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さらに、同じ年の3月に、学園と今治市が協議した結果の報告として「加計理事長と安倍総理大臣の面談を受けて柳瀬氏から資料を提出するよう指示があった」と記載されています。
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このほか、4月2日に総理大臣官邸で面会した際の柳瀬氏の発言をまとめたとするメモには、柳瀬氏が「獣医学部新設の話は総理案件になっている。なんとか実現を、と考えているので、今回内閣府にも話を聞きに行ってもらった」と発言したと記載されています。
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今回、新たな文書を提出したことについて、中村知事は午後5時半すぎに取材に応じ、「国権の最高機関の国会から、与野党合意のうえ、関連文書を出してほしいと要請があったので提出した」と述べ、文書の今後の扱いは国会に委ねる考えを示しました。
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愛媛県知事「ふに落ちない」(10月9日)
加計孝太郎理事長が7日、記者会見で愛媛県の内部文書に記された3年前の安倍総理大臣との面会を改めて否定したことについて、愛媛県の中村知事は「ふに落ちない」と述べて、学園側は引き続き、説明責任を果たすべきだという考えを示しました。
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計学園の加計理事長は、愛媛県側の要求などを受けて7日に行った記者会見について、愛媛県の中村知事は9日、記者団の取材に対して「理事長が会見したことは率直に評価したい」と述べました。また、学園側に対する県からの総額30億円に上る補助金についても「国側の認可に問題はないということなので、学生たちをフォローしていくのが県の役割だ」などと述べ、今後も支出する考えを示しました。
一方で、中村知事は会見に臨んだ加計理事長が「愛媛県の内部文書は読んでいない」と釈明したことについて、「それは本当なのかと。見ていてしかるべきだ」と苦言を呈しました。
さらに、加計理事長が安倍総理大臣との面会を否定した根拠についても、「ふに落ちたかと言われれば落ちない。記録が示されなければ、いつまでもモヤモヤは払拭(ふっしょく)できない」と述べて、学園側は引き続き、説明責任を果たすべきだという考えを示しました。
世耕経済産業大臣は、元総理大臣秘書官の柳瀬経済産業審議官について「特に外国との通商交渉で大変な実力を発揮した」と述べました。そのうえで世耕大臣は、今回の人事について「ただ、年次をへて世代交代を図っていかなければならないという面もあり、総合的に判断した」と述べました。
柳瀬氏は総理大臣秘書官だった3年前に加計学園の獣医学部新設をめぐって、愛媛県の担当者らが総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとされる文書に「本件は、首相案件」などと発言したと記載されていたことなどから、国会に参考人として招致されました。
世耕大臣は、こうしたことが退任の理由になったかについては「柳瀬氏の経済産業審議官としての業務と全く関係ないので、今回の人事には何ら影響していない」と述べ否定しました。この人事は25日発令されます。
今治市の菅市長は25日夕方、記者団の取材に応じ、平成27年2月25日の面談について質問されたのに対し、「当時、『理事長と安倍総理が会った』という話を学園側から担当者が説明を受け、担当者からの報告に対し、『あ、そうなの』と答えたと思う」と述べました。
一方で「あくまで伝聞ではっきりとした記憶ではない。私どもが、2人がお会いしているのを見ているわけではない。官邸の記録なども無いようなので、白紙の中で考えないといけないなと思っている」と説明しました。
元総理大臣秘書官の柳瀬経済産業審議官は22日正午すぎ、経済産業省で記者団の取材に応じました。
この中で柳瀬元秘書官は「新しい文書が国会に提出されたが」という質問に対し「先日の国会で記憶の限り誠心誠意答えたつもりです。それがすべてです」と述べました。そのうえで、この文書に県が学園側から受けた報告の内容として「平成27年2月25日、理事長が首相と15分程度面談」と記載されていることについて「私が同席した覚えもないし、その話をうかがった覚えもありません」と述べました。
さらに「私が、総理と理事長の面談を踏まえ資料の提示をお願いするといった覚えもありません」と述べ、面談を踏まえて指示したという記載についても否定しました。
このメールは平成27年4月2日に愛媛県などの関係者が内閣府への訪問を終えた直後の午後0時48分にその場に同席したとみられる内閣府の担当者から文部科学省の国家戦略特区の担当者に対して送信されています。
メールには内閣府で午前11時半から1時間愛媛県と今治市、さらに加計学園の関係者が当時、内閣府の地方創生推進室次長だった経済産業省の藤原豊審議官らと面会したと書かれていて、藤原氏が発言したとする内容が短く記されています。
具体的には「制度改正の実現は首長のやる気次第。熱量をどれだけ示せるか」「今月、または大型連休明けに予定する国家戦略・構造特区の共通提案に出してみては」「反対派の同意を得るため、構想の内容(コンセプト、カリキュラム、自治体の取り組み)を検討いただき、 ご相談いただきたい」という説明があったとしています。
そして、本日15時から柳瀬総理大臣秘書官とも面会するようだ、と記されています。メールの最後は「概要は後で まとめて送ります」と結ばれています。
藤原氏が発言したとする内容と、今月、愛媛県が作成を認めた文書に記された内容を比べると、訪問した日時や場所、さらに訪問したメンバーや面会相手などは一致しています。
また、国家戦略特区への提案に言及したり、提案書や具体的なカリキュラムを作り、内閣府に早く相談するよう求めたりしている点も共通しています。
そして、この面会の直後、総理大臣官邸を午後3時から訪問し、当時の柳瀬総理大臣秘書官と面会する予定であることも愛媛県が作成した文書に書かれた内容と一致しています。
公表された文書は平成27年4月3日付けで、加計学園の獣医学部新設をめぐり、文書作成の前日、4月2日に愛媛県や学園の関係者らが総理大臣官邸を訪問した際のやり取りが記されています。
この中では、当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官が「本件は、首相案件」などと発言したと記載されています。
また、文書には、総理大臣官邸の訪問に先立ち、当時、内閣府で地方創生推進室を担当していた経済産業省の藤原審議官とも面談し、要請の内容は総理大臣官邸から聞いているという発言などがあったことも記されています。
齋藤農林水産大臣の会見によりますと、この文書は、平成27年5月に獣医師法などを担当する部局に異動した職員が、前任者から引き継ぎましたが、担当業務とは直接関係ないと考えて、行政文書としては管理せずに保有していたということです。
また、文書を引き継いで保有していた職員の前任者は、聞き取りに対し、「このような文書を見た記憶はないが、異動の際に渡した資料の中に含まれていたかもしれない」と話したということです。
一方、今回、農林水産省の調査の対象となった36人の職員のうち、この文書について「見たり聞いたりしたことがある」と答えた職員はほかにはいなかったということです。
齋藤大臣は会見で、「文書が省内にあったことは事実だが、農林水産省が作成したものではなく、内容も所管外の獣医学部の新設に関するものであり、特にコメントすることはない」と述べました。
また、齋藤大臣は、「当時、農林水産省と柳瀬氏の間で何らかのやり取りはあったのか」という質問に対しては、「ありえない」と述べました。
加計学園の獣医学部新設をめぐって、3年前に愛媛県の担当者が総理大臣官邸などを訪問した際のやり取りを記した文書で県側と面会していたとされる、当時、内閣府の地方創生推進室の次長を務めていた経済産業省の藤原豊審議官は、農林水産省が文書を公表したことについて「報道は拝見したが、必要なことは内閣府に伝えておりますので、そちらにお尋ねいただければと思います」と述べました。
加計学園の獣医学部新設をめぐって、3年前に愛媛県の担当者が総理大臣官邸などを訪問した際のやり取りを記した文書が13日に農林水産省から公表されました。
これについて、当時、内閣府の地方創生推進室の次長で、文書の中で県側と面会したとされる経済産業省の藤原審議官は、記者団に対し、「報道は拝見したが、必要なことは内閣府に伝えておりますので、そちらにお尋ねいただければと思います」と述べました。
この文書では、藤原氏が「かなりチャンスがあると思っていただいてよい」などと発言したという内容が記されています。
加計学園の獣医学部新設をめぐって、愛媛県が作成を認めた文書に、県の職員らが当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官と面会した記載があることについて、柳瀬氏は「記憶の限りお会いしていない」とするコメントを出しています。
自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長は東京都内で行った講演の中で、「柳瀬経済産業審議官が、『記憶の限りでは会っていない』というコメントを出したが、理解できない。『記憶の限りでは』という注釈をつけなければいけないんだったら、『会っていない』と言い切れるはずがない。ちょっと考えられない」と批判しました。
「加計学園」の獣医学部新設をめぐっては、3年前に、愛媛県や学園の関係者らが総理大臣官邸を訪問した際のやり取りを記したとする文書が残されていたことがわかり、この中では、当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官が「この件は、首相案件だ」などと発言したと記載されています。
これについて安倍総理大臣は衆議院予算委員会で、「柳瀬元秘書官自身が『そうした発言をしたことはありえない』とコメントしている。私が意図していないことや私的なことについて、私の秘書官が『総理の意向だ』ということで、振り回す状況はありえない」と述べました。
これを受け、立憲民主党の枝野代表は「愛媛県が文書にうそや間違っていることを書いているのか、柳瀬氏がうそをついているのか、どちらか1つだ」と追及しました。
これに対し安倍総理大臣は、「愛媛県の文書について、コメントする立場にはない。私は部下を信頼して仕事をしており、秘書官在任中もそうだったが、柳瀬元秘書官の発言を元上司として信頼している」と述べました。
そのうえで、安倍総理大臣は、「私が、『自治体や事業者にアドバイスをせよ』と言ったことはない」と述べ関与を否定したほか、「各省庁に愛媛県が作成した備忘録が渡ったという指摘もある。いまだ確認中だが、引き続き関係省庁でしっかりと確認させたい」と述べました。
さらに安倍総理大臣は、「昨年も、獣医学部新設をめぐる省庁間のやり取りが『言った』『言わない』と水掛け論におちいり、国民的な疑念を招く大きな要因となった。政府としては今後とも国民の疑念を招くことのないよう文書の正確性を確保するために努力する」と述べました。
一方、安倍総理大臣は、文書の中に、安倍総理大臣や学園の加計理事長らが会食した場で、獣医学部新設が話題にのぼったことが記載されていることに関連し、「当時の下村文部科学大臣から『加計学園が文部科学省の要請に対応していない』と聞いたこともないし、それを加計氏に伝えたこともない」と述べました。
このほか、内閣府の河村地方創生推進事務局長は、文書で、愛媛県や今治市などの関係者が内閣府を訪れたと記載された3年前の4月2日に、そうした事実があったかを問われ、「今治市には問い合わせたが、返事は『行った』ということだ」と述べました。
また、安倍総理大臣は、愛媛県などの関係者が総理大臣官邸を訪れたのかを改めて調べるよう求められたのに対し、「来客が膨大で記録は破棄することになっているが、もう1度確認する」と述べました。
一方、質疑では、希望の党の玉木代表が「安倍総理大臣の答弁はうそだ」などと追及し、安倍総理大臣が「『うそつき』と言う以上は、証拠を示してもらいたい。わきまえてもらいたい」と強く反論する場面がありました。
日本維新の会の代表を務める大阪府の松井知事は記者会見で、「大阪での民泊を特区で実現するために、自分は絶えず総理大臣官邸に要望していた。特区について官邸に要望してはいけないという話はない。加計学園の何が問題なのかわからない。規制緩和を目指す特区はアベノミクスの3本の矢の1つであり、むしろ、政府は『首相案件』だと認めればよいと思う」と述べました。
また松井知事は、当時、総理大臣秘書官だった柳瀬経済産業審議官について、「疑惑だと言われているのであれば、国会に出て、忘れているならば、『忘れた』とはっきり言えばいい」と述べ、国会で説明すべきだという考えを示しました。
愛媛県今治市にある岡山理科大学の獣医学部で行われた入学式には、獣医学科147人、獣医保健看護学科39人の新入生と、その保護者らが出席しました。
この中で、加計理事長は「獣医学部の新設ではいろいろとご心配をかけたが、予想を上回る志願者数であり、私たちのプロジェクトが評価された。新設が待ち望まれていたことを如実に示している」とあいさつしました。
また、今治市の菅良二市長は「岩盤規制を突破するため、愛媛県や加計学園と連携して国に要望を続け、規制が緩和された」などと祝辞を述べました。
獣医学部の新設を国に求め、来賓として招かれた愛媛県の加戸前知事は「国家戦略特区諮問会議民間有識者委員の魔法の発言で岩盤規制を突破して認められたのだから、ある意味では魔法の学校の入学式かもしれない」と話しました。
新入生の代表は「受験の時期は波乱の連続だったが、乗り越えることができた。獣医学部をすばらしい学部にできると確信している」などと決意を語りました。
加計学園の獣医学部は、国家戦略特区制度を活用して52年ぶりに新設が認められましたが、安倍総理大臣が加計学園の理事長と友人であることや、愛媛県や今治市の職員が特区の指定を受ける前に官邸を訪れたことなどが明らかとなり、国会で野党から「選考が加計学園ありきだったのではないか」という指摘も出ました。
これに対し、安倍総理大臣は繰り返し関わりを否定していました。
岡山理科大学の吉川泰弘 獣医学部長は、入学式の後、記者団から「国の政策決定の過程に疑念の声も残っている」などと問われたのに対して「国家戦略特区のワーキンググループの議事録を見ても、整然と論理的に進められてきたし、岩盤規制を解いてくれたことは感謝しているが、政治に巻き込まれたという点はじくじたるところがある。ただ、入学式を見れば、学生も関係者も十分に趣旨を理解してくれたと思う」と述べました。
一方、国の政策決定の過程が不透明だとして、今治市が獣医学部に補助金を支出することに反対している地元の市民団体は、入学式の後、大学周辺で、新入生らに対しビラを配って行政が情報公開を進めるべきだなどと訴えていました。今治市民ネットワークの村上治共同代表は「国、愛媛県、今治市でのやり取りはまさにブラックボックスで、疑惑のまま新設を迎えた。入学式で来ているという加計理事長はきちんと公の前でこの問題について説明すべきだ」と話していました。
学校法人「加計学園」の獣医学部について、林文部科学大臣はきょう、文部科学省の大学設置審議会の答申を踏まえ、来年4月の開学を正式に認可しました。
これを受けて、衆議院文部科学委員会はきょう、断続的に理事懇談会を開き、与党側は、あす委員会を開いて、与党と野党が1時間半ずつ質疑を行うことを提案しましたが、野党側は、「議員数が少ない党の質問時間も確保すべきだ」と主張しました。
これを受けて、与党側は、与党が1時間20分、野党が2時間40分の1対2の割合で、合わせて4時間質疑を行うことを提案し、野党側もこれを受け入れて与野党が合意しました。
そのうえで、与野党は、今回の衆議院文部科学委員会での質問時間の配分を、今後のほかの委員会での先例にはしないことも申し合わせました。
学校法人「加計学園」の獣医学部の新設をめぐって、文部科学省の審議会は、あさって、来年4月の開学を認めるかどうか最終的な結論を林文部科学大臣に答申する予定で、認可される見通しとなっています。
これについて、自民党の森山国会対策委員長は、国会内で記者団に対し、「答申に基づいて、林文部科学大臣が一定の判断をしたら、スピーディーに所管する委員会を開いて議論するのは大事なことだ。与野党であまり考え方は変わらない」と述べ、認可後すみやかに衆議院文部科学委員会などで審議を行いたいという考えを示しました。
また、公明党の大口国会対策委員長も「林文部科学大臣が丁寧に説明し、説明責任を果たすことは大事だ。野党に言われたかどうかではなく、しっかり説明していくことになる」と述べました。
「加計学園」が愛媛県今治市に建設中の獣医学部をめぐり、文部科学省の大学設置審議会は来年4月の開学を認めるかどうか審査を行ってきました。
当初は、ことし8月に結論が出される予定でしたが、教育内容のうち学生に対する実習時間が不十分だなどとして認可の判断が保留されました。
関係者によりますと、学園から再度提出された修正案について、2日、非公開で審議会の専門委員会が行われた結果、依然として一部のカリキュラムに課題があると指摘をうけたということですが、全体的には学生たちの実習時間などに改善が見られると評価する意見でまとまったということです。
審議会は今月10日に最終的な結論を大臣に答申する予定ですが、この結果により、加計学園の来年4月の開学は認可される見通しとなりました。
民進党の前原代表は9月18日、東京都内で記者団に対し「仮に臨時国会の冒頭に解散するのであれば、『森友学園』や『加計学園』の問題から逃げ、答弁する責務から逃れた、『疑惑隠し、敵前逃亡の解散だ』 と言われても仕方がない」と批判しました。
また、民進党は9月19日、衆議院選挙への対応について前原代表や大島幹事長らが協議し、候補者の擁立を急ぐことや、森友学園や加計学園をめぐる問題で政府・与党の説明責任を追及していくことなどを確認しました。
共産党の志位委員長は9月18日、党本部で記者会見し「臨時国会冒頭での解散は『森友・加計問題』の疑惑隠しが狙いで、絶対に容認できず、究極の党利党略、権力の私物化、憲法違反の暴挙だと言わなければならない」と批判しました。
こうした野党側の批判に対し、菅官房長官は19日午後の記者会見で「森友学園や加計学園の問題は、国会閉会中も予算委員会などをやってきており、これからも必要であれば審議する。全くそういう考えはあたらない」と反論しました。
また、自民党の二階幹事長は「野党がおっしゃるのは野党の自由だから結構だが、われわれは問題を隠したりということは考えていない」と述べました。
獣医学部では講義形式でなく、実地や実物で知識や技術を身につける「実習」の時間は極めて重要とされています。
青森県にある北里大学獣医学部は、現在の獣医学部の中では最も多い、1学年およそ120人の学生が在籍しています。大学は必修となっている実験動物学や解剖学など19の実習科目に加えて、独自に10の実習を行っています。担当教員が指導にあたるだけでなく、研究生など10人ほどが支援しています。
実習は1科目を履修するのにおよそ4か月かかるということで女子学生の1人は「実習はためになりますが、ついていくのは結構大変です」と話していました。
北里大学の高井伸二獣医学部長は「獣医師となるには基礎から臨床までさまざまな分野を学ぶ必要がある。多くのスキルを身につけた実践的な獣医師を養成するためこれだけの実習を組んでいる」と話しています。
文部科学省によりますと、今回と同じく、大学設置審議会が一時、認可の判断を「保留」したケースは、過去10年間で110件に上ります。このうち、大学が計画を修正し最終的に認可されたケースが89件、大学が申請自体を取り下げたケースが19件、そして、不認可となったケースが2件となっています。
今後、審議会は加計学園が来月、提出する予定の修正案をもとに再び審理を行い、10月末に結論を出す方針です。
午前中は、安倍総理大臣が、きのうの衆議院予算委員会の閉会中審査で、学校法人「加計学園」が獣医学部の新設を申請していることを知ったのは、新設が決定したことし1月20日だったと答弁したことをめぐって質問が相次ぎました。
このうち、自民党の青山繁晴参議院議員は「関係者の証言をたどると、加計理事長とは政治家の利害に関わる話はしない習慣になっていて、獣医学部の話があることは知っていたが加計学園が申請していることは知らなかったということだ。この経緯で正しいのか」と質問しました。
これに対し、安倍総理大臣は「2年前の11月から、私が議長を務める国家戦略特区諮問会議で、今治市が獣医学部新設を提案していることを知った。しかし、事業主体が誰かという点について説明はなく加計学園の計画は承知していなかった。最終的には加計学園から応募があり、1月20日に諮問会議で認定することになるが、その際、初めて承知したところだ」と説明しました。その上で、安倍総理大臣は「私と加計理事長との間で、立場を利用して何かを成し遂げようとしたことはただの一度もなく、『獣医学部をつくりたい』とか、『今治市に』という話は一切なかった。まさにそういう関係であるからこそ、お互いに長い付き合いをすることができた」と述べました。
民進党の蓮舫代表は「安倍総理大臣は、先月の参議院予算委員会で『構造改革特区で申請されたことは知っていた』などと全部知っていたと答弁している。1月20日ではないのではないか。記憶を呼び戻してほしい」と追及しました。
これに対し、安倍総理大臣は「厳密さに欠いていたが、申請を決定する段階で、諮問会議の議長として加計学園の計画を承知したということだ。加計学園と今治市とで、少し混同があったことはお詫びしなければならないが、今、私が答弁したことが事実だ」と述べました。
さらに、蓮舫代表は「口調だけ丁寧にするのはやめてほしい。国民が疑惑を持っているのは、記録がなくなり、記憶がなくなり、政権側にいる人はみんな口をつぐみ、政権外の人が証言をしたら個人攻撃し、言ったことは言っていないと上書きするからだ」と迫りました。
これに対し、安倍総理大臣は「私の友人に関わることなので、国民が疑惑の目を向けるのはもっともであり、国民目線に立って、事実に基づいて丁寧な上にも丁寧に説明しなければならないと考えている」と述べました。また、安倍総理大臣は、さらなる審議が必要だとして臨時国会の早期召集を求められたのに対し、「臨時国会の召集の要求は、内閣として適切に対応したい。来年度予算案の編成作業が本格的にスタートし、現在準備中の働き方改革のための法案など、国民生活に関わる諸課題を整理したうえで召集時期を決定したい」と述べました。
一方、参考人として出席した文部科学省の前川前事務次官は、学部新設が「加計ありき」で進められてきたとするみずからの主張をめぐって、「思い込みであり、自身の印象を根拠に発言しているのではないか」と問われたのに対し、「和泉総理大臣補佐官に呼ばれた際に、『総理は自分の口から言えないから私が言っている』という話があったが、一般的に規制改革をスピード感を持って進めろという趣旨であれば、このようなせりふは出てこない。親友である加計孝太郎理事長の学校のことを早くしなさいという趣旨であると明確に理解した」と述べました。
このほか、愛媛県の加戸前知事は「平成13年の『えひめ丸』事故の時、安倍総理大臣が官房副長官として危機管理を担当され、それ以来、安倍総理大臣との何十回にわたるさまざまな会合を通じて、加計の『か』の字も聞いたことはないし、私自身も申し上げたことはない」と述べました。さらに加戸氏は、獣医学部新設について「今治市民、愛媛県民が夢と希望と未来を託してチャレンジしてきた。悲願10年の手前で『白紙に戻せ』という議論が出て、あと10年待たされることは、日本国家として恥だ」と述べました。
一方、総理大臣秘書官を務めていた柳瀬経済産業審議官は、おととし4月に総理大臣官邸で今治市の職員と面会したのかを問われ、「私の記憶をたどる限り、今治市の方と会ったことはない。当時は、獣医学部新設の制度論が議論され、制度を具体的にどこに適用するかという段階ではなかった」と説明しました。
このほか、委員会では、山本地方創生担当大臣が獣医学部新設に向けた手続きをめぐり「細かいことを安倍総理大臣に尋ねても無理だ」と述べたのに対して、野党側が「看過できない」などと反発し、審議がたびたび中断しました。
また、安倍総理大臣は、おととし4月に、愛媛県今治市の職員が総理大臣官邸を訪れ、総理大臣秘書官と面会したのか問われたのに対し、「入館記録は保存されておらず確認できなかった」と述べました。これについて、当時、秘書官を務めていた柳瀬経済産業審議官は「面談記録は取っておらず、今治市の方にお会いしたという記憶はない」と述べました。
さらに、山本地方創生担当大臣は、みずからが日本獣医師会に対し獣医学部の設置場所が決まる前に、愛媛県今治市での新設を伝えていたなどとする記録が獣医師会側に残っていたことについて、「対象としては 京都もあり得るということをはっきり申し上げた。獣医師会の関係者も今治市以外もあり得ると明確に認識したからこそ、その後、1校に限る要請活動を行ったのではないか」と述べました。
このほか、松野文部科学大臣は、文部科学省が「存否について明らかにできない」としていた、文部科学省が加計学園に既存の獣医学部との差別化を図るよう求めたとする文書について、加計学園側から了解が得られたとして存在を認めました。
一方、安倍総理大臣は、学校法人「森友学園」への国有地売却をめぐる問題などで、夫人の昭恵氏の参考人招致を求められたのに対し、「妻が名誉校長を一時期務めたのは事実であり、国民から疑いの目が向けられることはもっともで、その観点が私の答弁でも至らない点があったのは、率直に認めないとならない。国会の場で誠意を持って何回も説明している通りだが、国会で決まったら従うのは当然だ」と述べました。
学校法人「加計学園」が国家戦略特区に指定された愛媛県今治市に計画している大学の獣医学部の新設をめぐり、「総理のご意向」や「官邸の最高レベルが言っている」などと記された文書について、文部科学省は先月「確認できない」とする調査結果を発表しました。
しかしその後、前川・前事務次官が文書が存在すると証言したことなどを受けて、今月9日から調査範囲を拡大し、追加の調査を行っていました。
松野文部科学大臣は、きょう午後1時半すぎから記者会見を開いて追加調査の結果を公表し、民進党などが存在を指摘していた19の文書のうち、同趣旨の記述がある3つの文書を含め、14の文書が文部科学省内の共有フォルダや職員の個人フォルダなどに存在していたことを明らかにしました。
一方で、2つの文書は確認できず、残りの3つの文書については、法人の利益に関わるものであり、慎重な対応が必要なことから、現在のところ、存否を含めて明らかにできないとしています。
今回の追加調査は、前回の7人に、新たに19人の職員を加えた、あわせて26人を対象に、聞き取りなどを行ったということです。
追加調査の結果について、松野大臣は「前回の調査は合理的な調査であったと考えるものの、結果として、前回調査の対象以外の共有フォルダにおいて、文書の存在が確認されるなど、前回確認できなかった文書の存在が明らかになったことは大変申し訳なく、この結果を真摯に(しんし)受け止めている」と述べ、陳謝しました。
一方、松野大臣は、文書に記された「官邸の最高レベルが言っている」という事実があったのかどうかについて、「ヒアリングを行った結果、内閣府の職員から、この種の発言があったと文部科学省の職員は考えている。メモが作成された以上は、その場において、そういった発言があったのだろう。具体的な話があったわけではないので、真意についてはわからないという結果を得ている」と述べました。
また、松野大臣は、前川・前事務次官が「行政がゆがめられた」などと指摘していることについて「プロセスや行政の過程がねじ曲げられたとは考えていない」と、これまでの主張を改めて強調しました。
今回の調査結果について現役の文部科学省の職員からは「特区選定の過程についても徹底して説明されるべきだ」という声が出ています。公表された文書について、見たことがあるという職員は「調査の結果に不安があったが、ようやく認められて少し安堵している。 しかし、国民の信頼は大きく損なったと感じている。今後は特区選定の過程について説明されるべきだ」と話しています。また、別の職員は「前回の調査ですでに文書があったと何人かの職員は答えていたので幹部は文書の存在を意図的に認めたくなかったと受け取られてもしかたがない。今後は獣医学部の選定が本当に公正公平だったのか検証がなされるべきだ」と話しています。
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