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   2019.08.20.
   オーストラリア:レアアースの生産拡大へ!
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中国依存体制からの脱却を目指す!
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 『AFP通信』や米経済誌『フォーブス』の報道。
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オーストラリアのリンダ・レイノルズ国防相は8月12日、同国西部のパースで行われた会議で講演し、中国からの供給が不安視されているレアアース(希土類元素)ほか、軍事産業用の鉱物生産を拡大していくことを表明した。
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 「テックミネラル」や「テックメタル」と呼ばれるハイテク製品用の鉱物は、スマートフォンやレーザー装置、航空電子システム、電子戦闘技術による軍事品に至るまで、幅広い物品の製造に用いられている。
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 レアアースについては、中国が世界の95%超を生産しており、米国の輸入分の80%以上が中国からのものだ。レアアースを必要とする日本や欧州の企業も中国に大きく依存している。しかし、米中貿易摩擦によって、中国はこれを戦略的に用いる意向を示し、輸出規制の可能性があると警告してきた。レアアースの価格は今年、こうした動きの中で急上昇しており、各国は調達先の選択肢を増やす必要性に迫られている。
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 レイノルズ豪国防相は、資源が豊富なオーストラリアには、米国や英国などの同盟国も含め、鉱物の安定供給を行っていけるだけの十分な埋蔵量があると語った。同国防相は、レアアースほかの鉱物の供給が継続して保証されることが必要であると指摘し、同盟諸国が中国以外の調達先を確保することの重要性を強調した。
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 同国防相は、「オーストラリアには、リチウム、コバルト、ニッケル、グラファイトなど、テックメタルの既知の埋蔵量の少なくとも40%が存在し、我々の現在のテクノロジーや生活に欠かせないレアアースもある。」と述べた。また、最近の米豪閣僚級会合で本問題を詳細に話し合い、英国とも協議中であることを明らかにした。
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 『ロイター通信』などは、豪鉱物探査会社ノーザン・ミネラルズが12日、ドイツの鉄鋼王手ティッセンクルップと、豪北部での採掘プロジェクトでレアアースを供給する契約を締結したと報じた。ノーザン社は数日前、中国企業との契約を終了したばかりだった。
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 ノーザン・ミネラルズは、同社が5600万豪ドル(約40億円)を投資した試験プロジェクトで採取する重希土類を含む炭酸塩鉱物の100%をティッセンクルップが購入すると発表した。ノーザン社は、中国以外では世界初の、レアアースの一種ジスプロシウムの主要生産者となることを目指している。レイノルズ氏は、同社の脱中国化の動きを歓迎した。
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